12.31.2008

14/380

年末・年始パターン、さらっとやっておくか^ ^

2008年に私めが見た映画は約380本、 そのすべてはエントリーできてないが、 主立ったところは5月からの当ブログのどこかにメモされているはず。 その中で、 自分なりのお気に入りトップ14がこちら。

ハンパな数である上、ベストワンなどはあえて選びません。一部まだ公開されていないものも混入しています。2008年公開のものでも前年中に見てしまったものは入ってないかもしれません、あしからず。。



素敵な人生のはじめ方 10 Items or Less *未公開 » 詳細 
モーガン・フリーマン パス・ベガ 

愛おしき隣人 Du Levande » 詳細 
ロイ・アンダーソン監督 

再会の街で REIGN OVER ME » 詳細 
アダム・サンドラー 

インランド・エンパイア INLAND EMPIRE » 詳細 
デビッド・リンチ監督 

ミスター・ロンリー MISTER LONELY » 詳細 
ハーモニー・コリン監督 

フローズン・タイム CASHBACK » 詳細 
ショーン・エリス監督 

アイム・ノット・ゼア I'M NOT THERE » 詳細 
トッド・ヘインズ監督 

ファーストフード・ネイション FAST FOOD NATION » 詳細 
リチャード・リンクレイター監督 

譜めくりの女 LA TOURNEUSE DE PAGES » 詳細 
ドゥニ・デルクール監督/デボラ・フランソワ 

ヴィーナス VENUS » 詳細 
ロジャー・ミッシェル監督 

LET THE RIGHT ONE IN *公開未定 » 詳細 
トーマス・アルフレッドソン監督 

全然大丈夫 » 詳細 
藤田容介監督/荒川良々 木村佳乃 岡田義徳 田中直樹 蟹江敬三 

蒼空 » 詳細 
城定秀夫監督/蒼井そら *オリジナルビデオ 

あなたは遠いところに Sunny » 詳細 
イ・ジュンイク監督/スエ 



*上記作品まとめての詳細(順不同)はこちら
右コラム中央の 'これまでのエントリー'、あるいは右下の検索ボックスもご利用ください。


いつもご覧いただき、ありがとうございます。
では最後に光のオブジェをお届けして、さらば2008・・ そしてよいお年を!



サンザン亭一番弟子! 「落語娘」



女落語家の話なんて面白いだろ?と、 企画サイドだけで盛り上がる "楽屋落ち" を感じなくもないが、 それでもミムラの一本気な演技、 津川の女好きでいいかげんな師匠ぶり、 そしてラスト近くのタンカと見せ場は豊富。

そう言えば女落語家って聞いたことないな。 落語の世界は '由緒正しく' 男尊女卑で、 女の板前がいないように女の噺家も存在してはならない。 弟子入りを志願して訪ねた師匠の口から、 そんな言葉を聞かされ門前払い。 拾ってくれたのは、 はみ出し者の "三々(サンザン)亭" ただ一人。 入門したのはいいが、 この師匠は稽古もつけてくれず、 ギャラ優先でテレビの仕事をしてはソープに通うような男で、 落語協会もこの男の排除を計画していた。

"人を喜ばせるのに高尚もへったくれもない" との哲学を持つハンパ師匠は、 テレビ局の企画に乗って禁断の噺を開封する。 これまでにその噺をした者は結末まで話し切れずに、 ことごとく非業の死を遂げたとされる、 いわく付きのネタ。 番組は "禁断の口演まであと○日" とカウントダウンを開始する・・

女人禁制の落語界と対照的に、 このテレビの企画を仕掛けるのは女プロデューサー。 芸、 あるいはエンタテイメントの変遷を示唆すると同時に、 一本気な女落語家との好コントラストになっている。 当ブログ2008年最後のエントリーは、 落語という古典的な世界の内幕を切り取り、 怪談やサスペンス風味を取り込みながら、 爽やかな結末へと導く佳作であった。


落語娘 (2008) 公式サイト&予告編 
監督 中原俊 原作 永田俊也 
ミムラ 津川雅彦 益岡徹 伊藤かずえ 
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12.30.2008

まずはテレビ版を 「放送禁止 劇場版」



テレビシリーズが面白かったので劇場版も楽しみだった。 結局、 映画館へは行けずじまいでDVD化のタイミングでの鑑賞になってしまったが、 う〜ん、 どうだろう。 なんか、 あっさりしちゃったかな^ ^ ビジュアルは 「犬神家の一族」 みたいだし。 。

テレビシリーズでの 「しじんの村」 みたいな驚きと悪意に満ちた感じはなく、 劇場版で初めて見る人には薄い印象になってしまうことだろう。 劇場版ということで気負ってしまったか、 1時間枠くらいのコンパクトさがベストフィットなのか、 あるいは "復讐サイト" というネタ自体がイマイチなのか。 定番となる裏返しの '真実' もショッキングではない。 いずれにせよ残念な結果だ。 テレビ版を先に見て、 劇場版でクライマックスという流れにすると最大限に楽しめるのではないだろうか。

劇場版2も登場!


放送禁止 劇場版 〜密着68日 復讐執行人〜 (2008日本)
監督 長江俊和  オフィシャルサイト&予告編 
放送禁止 劇場版~密着68日 復讐執行人 [DVD][DVD]

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12.29.2008

消費する家畜 「いのちの食べかた」



食べものはすべて、 他の命。 それが動物であれ植物であれ、 生であれ加工品であれ、 このことは紛れもない事実だ。 ベジタリアンになってみたところで、 他の命の犠牲の上に自分の命があることに変わりはないのだ。 そんなシンプルな事実を再確認し、 見る人それぞれに何か考えてもらおうという映画。

機械化された酪農や農作業の行程を、 セリフもなく淡々と映すだけ。 見慣れない機械に興味が湧くが説明は一切なし。 残酷だなとか、 滑稽だなとか、 素朴な感想しか出て来ないが、 1時間半は意外にすぐに経ち、 こんな風にして肉や魚、 野菜がスーパーに並ぶんだなと勉強になると同時に、 言葉にならない感想が残る。

つまり食べられるためだけに生まれ、 そして食料として繁殖させられる牛や鶏が、 なぜか自分たちに重なってしまう。 食物連鎖の頂点にいるはずの人間も、 日々の糧を得るために労働し、 年老いていく。 その姿が家畜にオーバーラップする。 消費社会の家畜、 それこそ現在の人間の姿なのだ。

極端な感想かもしれない^ ^ そこまで悲惨な感想を持つ必要もないが、 飽食の年末年始に、 不思議な1時間半を過ごしてみるのも悪くないのでは。



いのちの食べかた (2005ドイツ・オーストリア) 日本公開2007
Unser Täglich Brot/Our Daily Bread 公式サイト&トレーラー 
監督 ニコラウス・ゲイハルター 
いのちの食べかた [DVD][DVD]
おすすめ平均 star
star何度見てもいい映画です
star「感謝の祈り」が無い食卓
star「いのち」→「糧」の過程
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12.27.2008

それは現世を指すのか 「悲夢」



ギドク x オダギリジョーのコラボで話題の 「悲夢(ヒム)」、 今回のギドクはいつもよりセリフが多かったように思う。 そしてまず気づくのが、 韓国語で進む物語の中でオダギリだけが終始、 日本語で話している。 にもかかわらず会話は成立している。 意図してのことだと思われるが、 さらにオダギリは一貫して 'ですます' 調なのだ^ ^

これまでにも増して美術は凝っている。 骨董、 筆文字、 仏像・・ 色は茶系で渋くまとめながら、 青をアクセントに。 拘置所のシーンまでが青と白で美しくコーディネートされ、 そして最後は雪の白と血の赤か。 。

男が眠り夢を見ると、 それを夢遊病の女が現実に移す。 男が夢の中で別れた女を想うと、 女は二度と会いたくない男に抱かれに行く。 やがて二人は過去の愛を断ち切って愛し合うが、 "白と黒は同じ色" という哲学的な問答の前に、 一心同体にして正反対のふたりの連鎖を止めるには、 眠らないでいるしかない。 あるいは・・

今回のギドクはやはりどこかメローだ。 終盤の重要のシーンでは音楽に頼るかのような演出で、 音のボリュームもかなり大きい。 ギドクの転換点を感じるが、 美しい作品ではある。 2月、 あなたの街で公開されるとき、 雪は降るだろうか。


悲夢 himu/DREAM (2008韓国・日本) 日本公開2009.2/7 〜
監督 キム・ギドク  公式サイト&トレーラー 
オダギリジョー イ・ナヨン 
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12.26.2008

カタルシスはいらない 「闇の子供たち」



すごく見たかった映画。 でも見た後は何と言えばいいか、 はぐらかされたような気分。 ガツンとした社会派を期待してたのに、 土曜サスペンス劇場で終わってしまったような・・

原作と映画の関係はさておき、 こんな内容を取り上げたまではいいとしよう。 こちらは悲惨な現状や告発すべき対象をしっかり見てやろうと集中しているに、 なぜか乗ってこない。 で、 あげくの果ては '弱い自分' が諸悪の根源? こんな出来であれば、 問題作を装うのも しょせん集客のためと勘ぐられても仕方ない。 映画を見る前に抱いていたイメージのほうがはるかに恐いし、 描き切れてなかったとしても問題そのものが消えたわけではない。 なのに見終わった後、 ひとつの区切りが付いたように感じてしまうことが問題なのかもしれない。

いずれにせよ本当に告発すべき問題は、 映画であれ本であれ新聞であれ、 コマーシャルベースでは無理だということか。 。 そんなことを考えるにはいい材料かもしれない。


闇の子供たち (2008日本) 公式サイト&トレーラー 
監督 阪本順治 原作 梁石日 
江口洋介 宮崎あおい 妻夫木聡 豊原功補 佐藤浩市