12.31.2014

5/163


今年は27本しかここに書かなかったが、 いちおう163本は見ている。 以前よりは少なくなったが、 それでも月10本以上は見ているんだなあ。 これくらいで十分か。 書かなかったけど THE INTERVIEW は面白かった^ ^

6年続けてきて書くのもめんどくさくなったし、 メモだと思ってたわりに読み返してもどんな映画だったか、 いまいち思い出せない作品もあり^ ^ 何となく too much な気分なんだろう。 それに、 たまにアナリティクスを見てみると、 ある作品のページビューが急に増えたと思えば、 テレビで放送される前後。 まあ、 そんなもんなんだろうな。

それでも新作は作られるし、 DVDなどからさらに進歩してオンラインで見られる時代になりつつあるようだ。 にもかかわらず 'ア邦題' に象徴される日本ローカルな映画環境も公開の遅さも変わらず。 まあ、 こんなもんなんだろうな^ ^

とりあえず来年も気ままに見ていくのでよろしく。 よいお年を。


アンダー・ザ・スキン 種の捕食 Under The Skin

V/H/S Viral

Autómata

ラッシュ プライドと友情 RUSH

The Trotsky

12.12.2014

骨嵐 V/H/S Viral



何とか月一投稿だったのが、 11月は飛ばしちゃったな。 で、 ひさびさのエントリーがコレ^ ^ V/H/S, V/H/S/2 に続く第三弾!

前作・前々作ともに自分としてはめずらしく大絶賛だったので、 そろそろコケるかと期待していたら、 みごとに期待を裏切ってくれた。 こちらの読みなど どこ吹く風、 そ、 そう来たか(汗)という展開、 オムニバスやアンソロジーを通り越してリミックスとなったような疾走感。 VHSという往年のホームビデオのフォーマットをタイトルに冠した よくわからないシリーズの割に見応えのあるホラー作品だった。

ホラーという予定調和すら遥か遠くに抜き去ってしまった感じで、 このフェイクドキュメンタリーの最果てではカメラはGoProやスマホへ移り変わっているにもかかわらず、 なぜかリニアでアナログなトラッキングノイズやブラウン管にノスタルジーを投げかける。 かつてそこに記録され、 愛くしまれたものは既にこの世界にはなく、 滅びた世界の残骸として掘り当てられたかのような無残さのメルヘン。

各セグメントの触りだけを紹介しておくと、 君となら世界の果てまで・・ ラブストーリーはほんとうに世界の果てへ。 マジシャンがほんとうにマジックを使ったら・・。 パラレルワールドがパラレルすぎたら・・。 スケボー少年 VS XXX・・。 その他、 細切れのエピソードたち・・ 乞うご期待!




V/H/S Viral (2014) 日本公開未定
脚本・監督:
マーセル・サルミエント (Vicious Circles) 
グレッグ・ビショップ (Dante the Great) 
ナチョ・ヴィガロンド (Parallel Monsters) 
ジャスティン・ベンソン+アーロン・ムーアヘッド (Bonestorm) 
ジュスティン・ウェルボーン エミリア・アレス・ゾリャン エミー・アルゴ 
V/H/S: Viral海外版DVD

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10.18.2014

人類よ永遠に Autómata



ポスターをちらっと見て、 ブルース・ウィリスかジェイソン・ステイサムだと思ったが違っていて、 このハゲはアントニオ・バンデラスだった。 役作りのための坊主頭のようだが、 映画ではむしろハゲはかっこいい。 画面を引き締めてくれる必須アイテムのように扱われて久しい^ ^

ロボットものSci-Fiということで可もなく不可もなく見ていると、 意外に面白い。 ブレードランナーのような感じもしたが、 いやもっと昔の暗いSF 「Z.P.G. 赤ちゃんよ永遠に」 のような香りもする。

2044年、 環境の変化とテクロノロジーの停滞により人類には暗雲が立ち込めていた。 実際、 人口の雲から降らせる雨で地球の砂漠化に対処するのが精一杯だった。 人型ロボットが普及していた。 ロボットものの型どおり、 人を傷つけない、 自己改造をしないというプロトコルが埋め込まれていたが、 改造品が現れ、 それを追う保険会社社員ジャック・ボーカン。

そもそも改変できない仕組みを設計したのもロボット自身であり、 そのリミッターは外したのではなく外れたのだということがわかる。 人類が猿から進化したように、 それは起こるべきこととして進行した。

ジャックは先の見えないこの世界で娘を授かり、 幼い頃に見た海をめざすが、 ロボットは核エネルギー炉を内蔵して自己修復し、 さらには新たなモデルを自ら開発する。 有機体でない '生きもの' を生み出すことが人類の役割だったと、 その後の歴史は語るかもしれない。 からくり人形は人間に与えられた顔を捨て、 砂漠に消えた。



オートマタ Autómata (2014スペイン・ブルガリア) *日本公開2016
監督 ゲイブ・イバネス  公式サイト
アントニオ・バンデラス メラニー・グリフィス 

10.01.2014

間近に見る星は醜くかった MAPS TO THE STARS



星への地図、 というタイトルに素敵な映画をイメージしたのも束の間、 それはハリウッドスターのことであり、 ビバリーヒルズのお宅探訪のような展開は、 いい意味で期待を裏切ってくれるとも言える。 さらに監督がクローネンバーグとわかると期待も高まる。

淡々としながらも通り一遍等ではないムードにクローネンバーグを意識しつつ、 物語はどこへも進まず、 実際に空の星になってしまうような終わり方に肩透かしな気分。 しかしまあ、 それなりに楽しめたので、 感想は控えながらも設定を追ってみよう。

ジュリアン・ムーア演じるハバナは中堅の女優。 しかし母親はもっと大女優であった。 いい人に見えるハバナの内面はかなり歪んでいるようだ。

ハバナをマッサージしながら意味不明なセリフを吐くのは、 キューザック演じるセラピストとしての成功者ワイス。 これはセラピーだったのか…。 その息子は天才子役として人気を博したベンジー。 しかし飽きられるのも早く、 年少の子役に人気を奪われつつある。

レイヤ姫ことキャリー・フィッシャーが実名でハリウッドの顔役として登場。 彼女とツイッターで知り合ったという少女が、 彼女の経験に基づく注目のシナリオを携えてやってくる。 ミア・ワシコウスカ演じるその女アガサは髪で火傷の痕を隠し、 いつも長い手袋をしていた。

火傷と言えばハバナの母親も火事で亡くなっており、 天才子役にも火事と姉の記憶があった。

パティンソン演じるリムジンドライバーは役者の卵でシナリオライターでもあったが、 意外にもコネづくりに淡白で、 そんなものに頼らなくていいよ、 と自信を漂わせる。 対する既得権者はことあるごとに世間体に気を使い、 この世界、 コネがすべてと考えている。

やがてアガタはハバナの世話役となり、 火種は再燃し、 予定調和のハリウッドは崩れ落ちる。




マップ・トゥ・ザ・スターズ
MAPS TO THE STARS (2014 カナダ・アメリカ・ドイツ・フランス)
監督 デビッド・クローネンバーグ 
脚本 ブルース・ワグナー 
ミア・ワシコウスカ エヴァン・バード ロバート・パティンソン 
ジュリアン・ムーア ジョン・キューザック オリヴィア・ウィリアムズ 
エミリア・マッカーシー キャリー・フィッシャー 

8.28.2014

Fワード 「マイ・ファースト・ミスター」



ごぶさたしております^ ^ 月いち投稿のようになっている今日この頃。 おかげさまで何だカンだと忙しくはあるものの、 見てないわけはなく »未投稿 ばかり。 映画に対する情熱が冷めてしまったのか、 不作なのか、 あるいはその両方か。

ひさびさのエントリーは、 珠玉の… というには微妙な要素を多くはらむものの、 映画らしい視点を持ったいい作品。 珠玉の… などという形容はもはや必要ないとも言え、 パンクなソビエスキーは意外にホットなキャラで、 R店長のベッドに忍び込んで、 店長の手を胸元に滑り込ませたり。 最後はロードムービーというアクティブな展開を見せるこの小粋な作品が、 未公開はおろかDVD未発売とのこと。

エントリータイトルのFワードが fuxx でなく、 friends, family, fate, forgiveness and foreverというのがこの作品らしさを物語っていると言える。 インポートのDVDしか手に入らないが、 英語の勉強も兼ねて見てみるのも一興かも。



マイ・ファースト・ミスター My first Mister (2001) 日本未公開
監督 クリスティーン・ラーチ 
アルバート・ブルックス リーリー・ソビエスキー 
ジョン・グッドマン デズモンド・ハリントン キャロル・ケイン 

7.04.2014

それでも、きれいなお姉さんは好きです Under The Skin



スカヨハが意外にぽっちゃりした (ほどよく崩れたと言うべきか) ヌードで体当たりの話題作。 語弊を承知で言えばリンチ的な気もしたし、 トリアー的でもあった。 わけのわからなさ、 不気味さも ほどよい感じで、 スカヨハの無表情とともに楽しめる作品。

2000年の原作は知らなかったが、 それを下敷きにしていても恐らくは映像変調型の別のクリエーションになっていると思われる。 スカヨハだけでなく男の全裸シーンも多いが、 潔く?ボカシなしで公開してほしいものだ。 むしろ顔にボカシをかけないといけないくらいの出演者もいるのだから^ ^ (特殊メイクでなくスッピンとのこと) ジャミロクワイやレディオヘッドのPVで知られる監督だけに、 おせっかいな左脳の干渉を突き放して味わうべきだろう。

死体から剥ぎ取ったものを身にまとった 'そいつ' は男なら誰もがそそられる美人だった。 しかし誘惑されてタールの海に沈んでいく男たち。 何度か繰り返されるこのパターンはヘンな味わいがあって、 もっとリピートしてもらってもよかった。

霧に包まれるスコットランドの田舎町、 エジンバラの湿った雑踏。 見慣れない風景のなかドライブを続ける 'そいつ' は得体の知れない捕食者であるにもかかわらず、 どこででも歓待される。 きれいなお姉さんという理由だけで。 お姉さんはハングリーで獲物獲得に追われるが、 そんな日々も長くは続かず、 やがて亀裂が‥。 乞うご期待!

(追記 9/19) 10月に日本公開されるようす。 グレイザーはキューブリックの後継などと囃し立てられております^ ^




Under The Skin (2013イギリス・アメリカ・スイス)
アンダー・ザ・スキン 種の捕食 日本公開2014.10/4 公式サイト
監督 ジョナサン・グレイザー 
原作 ミッシェル・フェイバー 
スカーレット・ヨハンソン 

6.21.2014

世界の訛り “IN A WORLD...”



ゴツめの顔なのにキュートなレイク・ベルさんが脚本・監督・主演・プロデュースまでを務める力作。 こうした才女がアメリカでは増殖中な気がするが、 日本ではタナダユキさんと愛染恭子さんくらいだろうか。

内容は、 日常の一コマを切り取ってくるという自分も好きなスタイルで、 いちおうラブコメ。 ナレーターあるいは声優という、 ややマイナーめな業界モノであるところにも興味をそそられた。 日本もアニメは強いから声優は人気職だが、 仮にそのへんを取り上げたとしても、 こうした素敵な雰囲気になるかどうかは微妙なところだろう。

“In a world...” というのが有名なフレーズだったとはつゆ知らずだが、 なぜかアメリカのナレーター業界は男社会で女性が入り込みにくかったらしい。 憧れの仕事は映画予告編のナレーションということだが、 ベル演じるキャロルや女性プロデューサーの登場で a world が “brand new world” へと変わる。 邦題にそんな含みは微塵もないのに、 字幕は反対に意訳すぎて brand new world のところを “女が世界を変える” などとしていて、 そうすると今度は決めつけすぎなニュアンスとなる。 世界が新世界に変わる、 というくらいでいいように思うが、 難しい部分ではある・・

彼女は普段、 他の声優に方言指導をしていて、 ロシアなまりやジャパニーズ・イングリッシュのサンプリングにも熱心。 英語はグローバルだから、 ネイティブの人は世界中の第二・第三言語として英語を使う人のさまざまなアクセントに遭遇する。 中西部などのローカルな訛りは馬鹿にするのに、 非ネイティブには寛容であるばかりか、 むしろ面白がってくれている部分があるところを彼女は体現している。 シャイな日本人も恥ずかしがらずに、 下手な英語を自信を持って披露すべきなのだ^ ^

そんなキャロルを密かに想うディレクター、 大御所ナレーターの父の若い再婚相手、 父が目をかける売れっ子ナレーターとキャロルの一夜の過ち、 キャロルの姉夫婦のそれぞれの浮気心‥ そんなエピソードを交えながら話はテンポよく進む。 とくに波瀾万丈な展開はなく、 エンディングにはティアーズ・フォー・フィアーズなんかが流れるが、 地に足のついた作風はベルの監督としての次回作を期待させる。



IN A WORLD... 私にだってなれる! 夢のナレーター単願希望 (2013) 日本未公開
脚本・監督・主演 レイク・ベル 
ディミトリ・マーティン ケン・マリーノ ロブ・コードリー 
ミカエラ・ワトキンス フレッド・メラメッド