9.30.2008

こんな風に世界は終わる 「サウスランド・テイルズ」



ドニー・ダーコ」 で大絶賛を浴びたリチャード・ケリー監督だが、 それ以降はあまりパッとしない様子で、 ここに来て久々の新作を発表するも評価は芳しくなく、 案の定、 日本ではスルーされた。


こんな風に世界は終わる・・


というナレーションで始まる2時間24分の大作は、 お金のかかったBムービー、 あるいは盲信しきれなかったカルト。 そんな風に言ってもいいかもしれない。 "液体カルマ" "量子テレポート" "ベニスビーチはネオマルキシストの本拠地"・・ SF好きならそそられるフレーズ満載でそれなりにワクワクさせられるが、 2時間近くはほとんど監督のお遊びに違いない。 しかしながら、 それでも付き合っていると、 残り30分あたりからは調子を取り戻したかように独特のオーラを放ち始める。 それは、 こんな不思議なセリフで口火を切る。


俺はヒモだ。 ヒモは自殺なんてしない。


物語の中で発せられても微妙によくわからないセリフなのだが、 何となく好きだ^ ^




あちこちから好きなものをかき集めて来たような部分もあり、 逆にあれこれ考えた形跡も残る映画だが、 物語になぞらえて言えば次元の歪みを通り抜けてきたもう一つの 「ドニー・ダーコ」。 それは双子の兄弟のようにそっくりだが、 かたや大絶賛、 かたや期待はずれと言われる。 遺伝子が一つ違っただけで人間とチンパンジーに分かれてしまうような・・ しかしチンパンジーも精一杯生きているのである。 。 次回作に期待できる監督であることに変わりはない。



サウスランド・テイルズ Southland Tales (2007アメリカ・ドイツ) 日本未公開
脚本・監督 リチャード・ケリー 
ドウェイン・ジョンソン サラ・ミシェル・ゲラー ショーン・ウィリアム・スコット 
マンディ・ムーア クリストファー・ランバート 

9.29.2008

昔住んでた家を訪ねたことはない? 「チャイルド・ゲーム」



持ち上げるほどでもないが、 ベタなタイトルのわりには良作だった。 近年、 フランス産のホラーはいかにもな二番煎じが多かった。 これも決して新しい感覚に満ちているわけではないが '普通に怖い' ものが欲しくなったらグッドチョイスかもしれない。 ちなみに字幕はあまり上手くなかった (頭に入ってこない) ので吹替で見た。

パリのアパルトマンで暮らす四人家族のもとへ、 ある日、 見知らぬ爺さんと婆さんが訪ねてくる。 彼らは兄妹で、 何でも昔ここに住んでいて、 懐かしんで来てみた、 ぜひ中を見せて欲しいとのこと。 奥さんは彼らを部屋へ迎え入れる。 それからだ、 不審なことが続くようになったのは。 ベビーシッターの自殺、 夫の解雇、 視力の異常・・ 調査してわかったのは、 老人が名乗った名前の兄妹は何十年も前にこのアパルトマンで死んでいるということだった。

ストーリーは早い段階で読めてしまうが、 予期せぬショックシーンが随所に散りばめられ、 その予感とともにサスペンスはいい感じで持続する。 ときどき入る妙なトーンのカットも味わい深く、 ベビーシッターの佇まいや洗濯機の修理屋、 ちょっとしたところにも臨場感が感じられる。

実は自分も訪ねたことがある。 子供の頃に住んでいた家や学校、 その不思議な感覚を傍らに置いて楽しめる佳作ホラーだ。


チャイルド・ゲーム Un Jeu D'Enfants (2001フランス) 日本未公開
監督 ローラン・テュエル 
カリン・ヴィアール シャルル・ベルリング 
チャイルド・ゲーム
[DVD]


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9.28.2008

好き放題を再評価 「フロム・ビヨンド」



突然コアなネタですいません^ ^ たまたま見る機会があったのでメモメモ。 。

しかしこれが面白い。 見だしたら止められない。 クラシックなSFの香り、 エイリアンあるいはゾンビな展開、 かと思えばSMな方向へハンドルを切って最後はドカーン!^ ^ マニア御用達作品ではございますが、 この '好き放題' 加減は再評価していいのではないかと。 正直このへん、 あまり詳しくないので自分なりのフィルモグラフィで連想するのはコレとかこの人。 好き放題やれるパワーはなぜか東洋に遺伝し、 世界に通じるコードとなって今も商業映画の片隅で存在感を示し続けている気がする。

ラヴクラフトの原作と言っても6ページほどしかない短編らしく、 原作の映画化というよりはインスピレーションだけ頂戴しましたという感じなのだろう。 「ゾンビ」 のケン・フォリーが微妙にヒップでトボけた刑事役で登場したり、 幅広い味わい方が可能。

これがDVD未発売というのなのだから (もちろん海外版はある) 日本のコンテンツ業界はもう少し見る目を養うべきではないだろうか。


フロム・ビヨンド From Beyond (1986) 日本公開1987
原作 H・P・ラヴクラフト 製作 ブライアン・ユズナ 
製作総指揮 チャールズ・バンド 監督 スチュアート・ゴードン 
ジェフリー・コムズ バーバラ・クランプトン ケン・フォリー 
From Beyond (Unrated Director's Cut)From Beyond (Unrated Director's Cut)
Jeffrey Combs, Barbara Crampton, Ken Foree, Ted Sorel, Stuart Gordon

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9.26.2008

薔薇のシール 「お姉チャンバラ」



オジサンなんかは往年のアイドル河合その子 from おニャン子クラブを思い出したりする正統派美人の乙黒えりさんは、 アクションも得意。 ゾンビをぶった切ってマントを脱げば、 いきなり水着だったりでサービス精神の塊のようなMOVIEだが、 対するボウケンイエローこと中村知世さんはチェックのスカートが可愛いセーラー服。

それでとりあえずは見てしまうわけで。 。 。 それ以上とくに書くこともなかったりするわけだが、 しいて言えば薔薇の刺青が、 まるっきりシール! エッジが浮いたりしている^ ^ まあ、 そんなこんなで。 。



お姉チャンバラ THE MOVIE (2008日本)
監督 福田陽平 公式サイト&トレーラー 
乙黒えり 橋本愛実 中村知世 

9.25.2008

この国の縦笛 「ピューと吹く!ジャガー」



あまりエントリーしたくなかったが^ ^ せっかく時間を使ったので書き留めておく。 出来は言われている通り。 子供が見たいと言ったので借りたが、 ジャンプで読んでよく知っているらしく、 似てないだの、 話が違うだの、 うるさい、 うるさい。 でも結局、 星三つぐらいだそうで、 これに少し負けたわけだ。

要潤は仮面ライダーG3を装着するイケメンぶりが印象的だったから覚えている。 今回のこのキャスティングの妙は買おう。 内容は、 もうちょっと何かあるかと思ったが大して何もなく、 ひと言で言うと 'しょーむない'。 原作と映画化とか、 マンガのオリジナリティと映画ビジネスとか、 論じることすら空々しい。 しかしまあ、 この作品には 'しょーむない' という評価は一種の勲章だろう。 そう、 小学校で習う縦笛のように。

最近はリコーダーと言うらしいが、 あいかわらず今の小学生もランドセルに差している。 あの 'しょーーむない' 音! 生徒全員に買わせるのに手頃な値段なのか、 笛業者と文部省の結託かは知らないが、 あの笛を練習する時間を自分が選んだ楽器に費やしたり、 あるいは別のことに使えば日本はもう少しマシな国になりそうに思える。 その笛の先生であるジャガーくんがはたしてどんなRockな演奏を奏でてくれるか?? (これは原作にもありえないぞ!) せめてそれを楽しみに見て欲しい^ ^



ピューと吹く!ジャガー THE MOVIE (2008日本) 公式サイト 
原作 うすた京介 監督 マッコイ斎藤 
要潤 大村学 高橋真唯 小木博明 なぎら健壱 板尾創路 カルーセル麻紀 
[DVDはレンタルのみ]

関係ないけど、 コレいい! 「CUBE」 や 「ヘルレイザー」 を思い出すけど・・
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