11.28.2013

いつか見た悪夢 「スプリング・ブレイカーズ」



かなり空いてしまって、 ひさびさがコレ。 ハーモニー・コリンは好きな部類ではあるが、 うーん、 なんかつまらなかったな^ ^ ビキニとか蛍光色はいいとしよう。 ビーチでビキニは当たり前として、 その他のシーンでも逮捕されての留置所でもビキニ。 とにかくビキニで出ずっぱりな映画が撮りたかったの? でも奥さんまで参加させて、 本当に楽しかったの?^ ^

そのギャル陣が、 可愛くなくはないんだが、 どこかパッとせず。 またキレた内面を持っていそうなリアリティに欠けると言うか、 企画倒れすぎな感じ。 ストーリーも起承転結で言えば 「起」 が希薄で、 なんかつまんないねえ、 で始めて 「承・承・承・・」 で 「転」 ! で 「結」 もない。 「青春なんて消耗品」 とは青春を遥かに過ぎた身としては言わずもがなで、 只今、 青春中! の人が見てもアホらしいのではないかという気がする。 ・・で? みたいな。

ピンクの覆面というのも狙い過ぎで、 まあそれなりの絵作りにはなっているものの、 ハーモニーさんも実は転機を迎えていて、 こういうものを期待されたのでやや無理してやりました。 ひいき目に見て、 そんな雰囲気。 いちおう期待には応えないとね、 みたいなノリで。

エントリータイトルは悪い意味で。 実際に以前、 なぜか蛍光色のバイオレンス作品を夢で見て、 それは支離滅裂で脱力感だけが残り、 カッコいいというより悪夢だったに違いない。 それをふと思い出したのだった。 キレた映画は好きなはずなのに、 なぜか空しく。 願わくば次回作はガラッと変わったハーモニーを期待する。 期待はいい意味で裏切ってもらいたいものだ。


スプリング・ブレイカーズ SPRING BREAKERS (2012) 日本公開2013.6
脚本・監督 ハーモニー・コリン  公式サイト
ジェームズ・フランコ ヴァネッサ・ハジェンズ セレーナ・ゴメス 
アシュレイ・ベンソン レイチェル・コリン 

11.14.2013

人を殺して家を買おう 「THE ICEMAN」



家族思いの父親、 表向きの職業はいろいろ取り繕うが、 実は殺し屋だった。 しかも実話ということで、 これは面白そうと思ったが、 見てみるとイマイチ。 マイケル・シャノンはがんばっているが、 脚色が冴えない。 ポイントが絞り込めていない、 流れが整理されてない。 。 せっかくの題材が惜しいことになっている。

時代は70年代、 この男のキモの座った態度と実務遂行能力は地元のマフィアに見出され、 以降、 男は依頼を受けて人を殺し、 稼ぐ。 男は妻と二人の娘を何より大切にし、 彼女たちの前ではカタギを装っている。 しかし80年代に入ると稼業は悪いほうに傾き、 立て直せないまま、 妻の望んだ一軒家購入を前にして破綻する。 '86年に逮捕され、 2006年に刑務所で他界。 二度と家族に会うことはなかった・・ この哀れさは何とも言いがたいが、 そんな男を生み出した社会構造にメスが入るわけでも、 男個人の欠落が掘り下げられるわけでもない。

しいて言えば多少身につまされるのは、 受注産業の悲しさか。 いくら腕の立つ冷徹な殺し屋でも、 依頼がないことには始まらない。 別の殺し屋とパートナーを組んでみたり、 競合他組織からの依頼も背に腹は代えられない。 クライアントあっての仕事につく者は大なり小なり共感できる部分か。

小さな依頼を積み重ねて100人殺したとしても、 ドカンと桁違いの大量虐殺を行う戦争ビジネスとはスケールが違うなと、 ついつい自虐的に見てしまう。 良くも悪くも不出来な作品ではあるが、 見方によっては楽しめる。

THE ICEMAN 氷の処刑人 (2012) 日本公開2013.11/9~ 公式サイト・予告
監督 アリエル・ヴロメン  象のロケット 
マイケル・シャノン ウィノナ・ライダー レイ・リオッタ 
ロバート・ダヴィ ジェームズ・フランコ スティーヴン・ドーフ 

11.02.2013

石のハート 「アルマゲドン・オブ・ザ・デッド」



月が変わって早々 C級な作品でスマン。 未公開はもちろんIMDbでもかなり最低の評価となっているが、 これが意外に悪くないと思う今日この頃、 この邦題は許そう。 いちおう原題はソリッドステートということで "固体" というよりは "不可避の危険" らしい。 YMOのSolid State Survivorも同じ意味だったんだなあと。

中身はゾンビものではあるが、 近頃のゾンビのように俊足な動きをしないどころか、 銅像のように突っ立ったまま。 立ったまま不気味に振動し、 謎の次元から来た光によって心臓が石になっているらしい。 そいつらがゲートになって何かをこの世界に迎え入れようとしている?

町じゅうがこんな状況なのに、 再結成したギャルバンドの面々はお互いを牽制しあったり、 褒めたたえたりと、 とにかくまったく気づかないまま前半は過ぎてゆく。 そして突如、 それは目の前に現れる。

後半はショットガンと、 秘密の鍵をたどって手に入れた '宝石埋め込みカッター' でゾンビに立ち向かい、 自分が置かれた状況を切り裂いてゆく。 おしまい・・ というだけの内容ではあるが、 低予算ながら微妙に凝った映像、 好きにやっている感じは好感を持てなくもない。 SFホラーにちょぴりファンタジーを散りばめた感じの、 誰も知らない作品、 おヒマなら見てよね^ ^



アルマゲドン・オブ・ザ・デッド SOLID STATE (2012)
監督 ステファノ・ミラ 
デビー・ロコン アヴァ・ブルニーニ スージー・ロレイン