4.29.2011

No man can walk out on his own story. 「ランゴ」



"自分の物語を投げ出すことはできない・・" そんなメッセージが込められている話題の最新CGアニメ。 このカメレオン君の声やモーションはジョニデがやってるということだが、 声だけ聞いてもジョニデってこんな声だった? こんな動き? みたいな感じではある。 CGもよくできてるのか どうなのかわからないが、 テキトーそうに見えて けっこう硬派な作品であることは間違いない。 日本公開は秋になってしまうらしいが、 一足先に見たのでメモしておこう。

誰かのペットであったカメレオン君は、 荷台から落ちてしまい荒野に投げ出される。 そこは水が大事な砂漠だったが、 町まで行かないと水にはありつけないとのこと。 通りがかりの、 何の生き物かわからない女の子に町まで乗っけてもらう。 町では爬虫類も哺乳類もともに暮らしていたが、 やはり水は不足していた。

体の色を変えたりはしないが、 もともと演技好きだったカメレオン君、 この新しい町では何者にでもなれると思い、 ウイスキーのラベルから拝借して自らをランゴと名乗る。 ハッタリの武勇伝を聞かせると英雄扱いされて気持ちよかった。 しかし実際にタカを倒してしまってからは保安官に任命され、 ますますその気になってくるランゴ。

銀行にはお金でなく水が預けられているのだが、 そこへ銀行強盗。 ついに水は底をつく。 勇士を募って強盗を追跡するが、 真の悪者は他にいることがわかってくる。 そんなときハッタリがばれランゴは町を去るが、 途方に暮れる旅の途中で "スピリット" に出会う。 彼から "Be a hero. ヒーローになれ" との言葉をかけられ、 ランゴは真の悪と戦うため再び町へ・・

子供が小さい頃、 絵本を読んでやりながら '擬人化' をバカにしたことがあるが、 それでもハリウッドアニメは擬人化のオンパレード。 実際のカメレオンはカワイくもあり不気味でもあるが、 今の人間をキャプチャーするには的確な生き物かもしれない。 そしてモラトリアムから放り出された彼は、 この砂漠で自分の人生を作ってゆく。 地下深く掘って水脈を当て、 サボテンに花を咲かせるように。 人生はいつも、 未だ開拓されない荒野なのかもしれない。 こんな感想を書いてしまえるのだから、 けっこういい作品なのかもね^ ^ 乞うご期待!



ランゴ RANGO (2011) CGアニメ 日本公開10/22 公式サイト・予告 
監督 ゴア・ヴァービンスキー 脚本 ジョン・ローガン  象のロケット
声・動き ジョニー・デップ 

4.28.2011

チャンスなんて自分で作り出す 「バーレスク」



こういう類いの映画としては よくできているほうではないと思うが、 それでも見逃したなかでは早く見たいと思ってた1本。 クリスティーナ・アギレラも もう30なので、 歌と踊りに憧れる少女役はキツイのではと思っていたが、 そうでもなかったね。 しかしなぜLAに来たのかな、 ああいうステージをめざす人は普通NYじゃないか。 最後に空中権というビジネスライクな落ちが必要だったからか。

自分的に感銘を受けたのは、 好きなことにまっしぐらなアリの姿勢かな。 LAに来てこの劇場を見つけてからというもの、 断りもなしにウェートレスとして働く。 チャンスをつかむ、 というよりチャンスなんて自分で作り出す。 人間、 そこまでやるかというぐらいがちょうどいい^ ^

ラブがらみでは、 店で最初に知り合ったジャックと発展するが、 こういうのって やや出来すぎなんじゃないか。 映画だから省略してあるとは言え、 会社で言えば、 たまたま最初の案内係となった人が運命の人だったみたいな。 せっかく新しい世界に来たのに世間が狭くなる気がする。 それにジャックが作曲家志望ということもあまり効いてないように思う。 アリがなぜ髪を切りたくないのかも説明なし、 モンタナのレストランでの同僚もあれっきり。 元夫で共同経営者というのもほとんど必要ない^ ^

シェール演じるテスやその他のダンサーたちも、 キャラがありそうに振っておいて、 結局はアギレラのワンマンショーだったという印象になる。 みんなをいい人にしすぎたのかも。 タイトルも取ってつけた感じ。 途中のコメディ劇みたいなのをもっとフィーチャーしてもよかったか・・ とは言え、 歌や踊りはしっかりと魅せてくれるし (微妙にモーニング娘。 っぽいが^ ^) ゴチャゴチャ言わずに楽しめばいい作品だろう。


バーレスク BURLESQUE (2010) 公式サイト 象のロケット 
監督 スティーブ・アンティン 
クリスティーナ・アギレラ シェール カム・ジガンデイ 
ジュリアン・ハフ クリステン・ベル アラン・カミング 
エリック・デイン ピーター・ギャラガー スタンリー・トゥッチ 
バーレスク [Blu-ray][Blu-ray]

アンストッパブル ブルーレイ&DVDセット〔初回生産限定〕 [Blu-ray] ロビン・フッド ディレクターズ・カット版 (2枚組)  [Blu-ray] キス&キル [Blu-ray] RED/レッド ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray] デュー・デート ~出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断~ Blu-ray & DVDセット (初回限定生産)

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4.26.2011

ホラー界のウルグアイ・ラウンド SHOT [ショット]



ランプをぶら下げて古い家をブラブラするだけなのに、 通常の低予算作品とは一線を画す高尚な香りがする。 その秘密は全編ワンカット。 大関じゃないよ^ ^ それ、 ワンカップだろって? たまに、 こういった無謀な意欲作が現れるが、 さまざまな仕込みが必要なホラーではかなり珍しいのではないだろうか。 厳密には全編ではなく、 ラスト・タイトルバックのポラロイド部分と、 その後に繋がる本当のエンディングは切れることとなるが、 それでも進行とともに顔やタンクトップが血だらけになり、 それがさらに乾いて こびり付いていく過程までを収めた努力は称賛に値する。 [REC]風の邦題が安っぽいのは玉にキズだが。

実話をヒントに、 ということで、 表向きは殺人者とゴーストがミックスされているが、 その奥に本当の恐さが隠されている。 DVDパッケージに "新たなるP.O.V.の衝撃" というコピーが書かれているが、 これはある意味ネタバレなのだ。 ポラロイドを撮るということや、 劇中にかなりフィーチャーされる鏡にも同様の意味があり、 見終わってしまえば すべてが反転する。

ウルグアイ発のホラー作品と言う点でも珍しい。 製作プロダクションは なぜか TOKIO Films というらしいが、 ホラー界のウルグアイ・ラウンドとして? 今後、 語り継がれることになるであろう^ ^



SHOT [ショット] (2010ウルグアイ) 日本未公開 
The Silent House/LA CASA MUDA
監督 グスタフ・ヘルナンデス
フロレンシア・コルッチ 
SHOT/ショット [DVD][DVD]

ビッチ・スラップ [DVD] ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 [DVD] ミレニアム2 火と戯れる女 [DVD] 息もできない [DVD] ビッグ・バグズ・パニック 特別版 [DVD]

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4.25.2011

不確実な二人 Uncertainty



コンセプチュアルな意欲作ということでマークしていたものの、 いっこうに日本公開の噂も聞かないので先行上映してみた。 タイトルは "不確実性" みたいなことか。 本編中にも decision や choice といった単語がよく出て来たり、 Tシャツのデザインがグーチョキパーだったりで、 選ぶこと、 決めることがテーマのようだ。

時は20xx年7月4日、 NYにある平行する二つの橋。 ここにカップルがいるが、 物語は突如、 イエローとグリーンとに別れる。 イエローの男は黄色のTシャツを来て、 二人はイエローキャブを拾ってパーティに向かう。 車内で携帯を拾うが、 ほどなく落とした持ち主から電話がかかって来る。 取りに行くから場所を教えろと横暴な態度。 すぐに別の男から電話があり、 その携帯を50万ドルで買い取ると言う。 そして目の前で人が撃たれ、 位置を知られないよう携帯はOFFにしてネットカフェから連絡を取ったり、 貸金庫を契約したり、 イエローの物語はクライムストーリーの様相を見せる。

一方グリーンの二人は緑のクルマに乗って、 これから彼女の両親に会いに行くところ。 途中で犬を拾ったり、 家に着いてからはバーベキューパーティ、 久しぶりに集まる家族、 いわゆるファミリードラマな雰囲気。 しかし彼女は妊娠を家族に告げられないでいる。 男が不安定なミュージシャンで、 母親から嫌われているから。

この二つのストーリーが平行して進む。 やがて独立記念日の花火が打ち上げられ、 それぞれの二人はそれぞれの決定をしなくてはならない。 その携帯をどうするのか、 子供を産むのか産まないのか。 登場人物が一部交錯し、 どこかで交わるのかなと思っていたが話はあくまで平行して進み "keep going" というメッセージで締めくくられる。

男女とも二役ということになるのかな。 パラレルワードみたいなものかと思ったが、 あくまで理念上の二つのストーリーということらしい。 IMDbの評もまっ二つで "面白い、 オリジナリティあふれる" から "つまらない、 「ラン・ローラ・ラン」 の二番煎じじゃないの?" まで。 自分的にも もう一工夫欲しかった気がするが、 リン・コリンズの不思議なエロさで退屈はしなかった^ ^ ま、 青春の残照か、 そろそろ結婚を考える年頃の人には けっこういいかもしれない。 。

(追記7/7) 公開されるらしい・・ 薄い邦題とともに。


ハーフ・デイズ Uncertainty (2009) 日本公開2012.8/4
監督 スコット・マクギー+デヴィッド・シーゲル 
リン・コリンズ ジョセフ・ゴードン=レヴィット 

犯人探しはノー・ニードル Needle



ポスターは強烈なのだが、 見てみたら 「13日の金曜日」 的な学園物っぽいノリ。 そこへワラ人形的なネタをいきなりブチ込んだ感じ。 ちょっとイギリス英語っぽいが、 シドニーがどうとか言うので、 ああオーストラリア製かと。 オーストラリアも独自のポジションを模索中なのかな。

ポスターの顔の下にあるアンティークな箱が、 グランギニョール的な機械じかけ?にブードゥーの魔力をプラスしたような珍しい代物ということで、 売れば何千万とかになるこの父の遺産を引き継いだ兄弟が騒動に巻き込まれる。 熱したロウに血を混ぜて、 ハンドルを回すと小さな人形ができる。 そして呪いたい者の顔写真を箱にセットすると、 電磁波のようなエネルギーが転送されて、 人形に施すのと同じことが相手に起こる。 切り裂けば相手も切り裂かれ、 目を突けば目がつぶれ、 腕を もぎ取れば・・

犯人探しというスタイルになっているが、 これは不要だな。 最後に犯人がわかって恨みを告白されるより、 最初から恨みに共感するシナリオにしておいて、 ストレートに "コノウラミハラサデオクベキカ" な進行にしたほうが このネタにはふさわしい。 兄弟は時間をかけて この箱の謎の力をようやく理解するが、 箱を盗み出した者は早い段階から使い方まで熟知しているので展開がじれったい。

エグさはそこそこだが、 かなり一般向けに抑えてある。 だからポスターにつられて見ると期待を裏切られることとなる。 出て来るお姉様方も一線落ちで、 まあ、 どうなんだろうねって感じ。 。 呪いをかけられた者が次元の狭間で聞くギリギリッという音だけが不気味なインスピレーション。



デスドール Needle (2010オーストラリア) 日本未公開 
監督 ジョン・V・ソト 
マイケル・ドーマン トラヴィス・フィメル トリルビー・グローヴァー 
ジェシカ・マレー タヒーナ・トッツィ ジェーン・バドラー 
デスドール [DVD][DVD]

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