2.14.2011

ラブのアナグラム easy A



"80年代の映画は最高だけど 私の人生をジョン・ヒューズが監督してくれるわけじゃないから" そんなセリフとともに自ら何とかしていくオリーブ。 "Olive は I LOVE のアナグラムよ" と豪語しながら・・ この手の映画が原語で見るには一番むずかしいのだが、 何とか2010年代のハイスクールに潜入してみた。 結論的にはあまり進歩がないなあという感じではあるが、 キュートなエマ・ストーンは存分に味わえた。

タイトルは "簡単にAの成績を取る方法" かと思えば "スカーレット・レター" のAの紋章だった。 ふとついたウソがエスカレートして悪い娘のレッテルを貼られたオリーブだが、 最初のうちはそれが気持ちよかった。 コルセット風の服に自らAの文字を縫い付けて登校する。 輪になってジーザスの歌を歌う真面目な一派^ ^と対立したり、 男子たちにウソの武勇伝を商品券と引き換えに提供し bitchの商品化に成功するが、 ついには親友と絶交することに。

それでも、 本当に好きな男子は噂を信じないと言ってくれたり、 娘の言動を大らかに受け止める母の存在などに支えられ "Not with a Fizzle, but with a Bang" (とことん やったれ的な意味か) の合言葉とともに現状を打破していく。 ある意味、 麻丘めぐみの "芽ばえ" 21世紀バージョンではあるが.. 最後にエマは歌も披露してくれるし、 芝刈り機で暴走するのが2010年代の流行になるかもしれない。 。

俳優のプロフィールを眺めると、 父親役のスタンリー・トゥッチや先生役のトーマス・ヘイデン・チャーチのほうが自分の年齢に近いわけで、 子供が高校生になったら大らかに受け止める覚悟を新たにしておこう^ ^ 公開されるかスルーか未だ不明だが乞うご期待。

(追記2012.2/5) 'なぜ式' 邦題となってスルーしました。




小悪魔はなぜモテる?! easy A (2010) 日本未公開 
監督 ウィル・グラック 
エマ・ストーン アリソン・ミシャルカ アマンダ・バインズ 
ペン・バッジリー パトリシア・クラークソン スタンリー・トゥッチ 
トーマス・ヘイデン・チャーチ リサ・クドロー 

Your Highness 「英国王のスピーチ」



賞の呼び声も高い本作だが、 何となく敬遠してしまっていた。 イギリス国王の名スピーチを描いたカタい作品かなと早とちりしていたが正反対で、 国王は吃音の悩みをかかえる 'スピーチべた' だったのだ。 ラジオが発明されて間もない頃、 王の役割はすでに政治的な判断ではなく、 スピーチを通じて国民に語りかけることだったから、 この悩みは想像以上に大きいはず。 誰にでも悩みはあるもんだ。

後継者として育てられ、 左利きを矯正され、 兄と比較されてきた王子は、 恐らくそうしたさまざまな抑圧のなかで吃音を背負うこととなる。 何度も治そうとしたが、 王室お抱えのドクターにその力はなかった。 夫人が思いつきで訪れた町の診療所に最後の望みを託すこととなるが そこには、 ひときわ いいかげんそうなオーストラリア人がいた・・。

王と平民の友情、 言ってしまえば それだけの話かもしれない。 しかし必要とされることと、 それに答えることの尊さみたいなものがイギリスらしい やりとりのなかで描かれる。 そうして王位を継いだ最初のスピーチは皮肉にもナチス・ドイツとの開戦を告げるものであった。

王の恐れ多さみたいなところに実感がないだけに、 このオーストラリア人の傍若無人ぶりが いまいち伝わりにくい部分もあるかもしれない。 夫人の献身ぶりなどにも大時代を感じる。 しかしながら圧倒されるでも手に汗握るでもないが、 そこはかとなく見つめるドラマがそこにはあり、 気づけば見終わっている。 評判に違わぬ上出来な作品、 今月26日から乞うご期待。



英国王のスピーチ The King's Speech (2010イギリス・オーストラリア)
監督 トム・フーパー  日本公開2011.2/26~ 公式サイト 象のロケット 
コリン・ファース ジェフリー・ラッシュ ヘレナ・ボナム=カーター ガイ・ピアース
英国王のスピーチ コレクターズ・エディション [Blu-ray][Blu-ray]

ブラック・スワン 3枚組ブルーレイ&DVD&デジタルコピー (ブルーレイケース) 〔初回生産限定〕 [Blu-ray] トゥルー・グリット ブルーレイ&DVDセット [Blu-ray] ザ・ファイター コレクターズ・エディション [Blu-ray] アレクサンドリア [Blu-ray] アンノウン ブルーレイ&DVDセット(2枚組)【初回限定生産】 [Blu-ray]

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2.10.2011

こんどはベイビー 「パラノーマル・アクティビティ2」



第2章 TOKYO NIGHT とかいう日本タイアップ企画があって紛らわしいが、 こちら明日から公開の本家パート2。 前作は限界的な低予算のなかで いかに恐がらせるかということに創意工夫を凝らしたという点でリスペクトに値したが、 今回 ペリ監督は製作だけに回り、 またしてもハリウッドに略奪されたかのような第2弾。 こういうのを出世というのか何と言うのか、 前作の成功を喜んだはずのスタッフは、 こういう展開について実際のところ どういう心境なのだろう。

前作での固定カメラ+ブレブレのハンディというスタイルも、 ウイジャー盤や火、 幽霊でなく悪魔という流れもフォーマットのように完全踏襲し、 時系列的には前作よりも前に起きた出来事ということになっているが、 ハリウッド製作になってもプール付きの家を借り、 固定カメラの台数が増えた程度の予算増か。 アイディアのほうは増えた様子がない^ ^ ウイジャー盤が指す文字は多少笑えたが、 これだけ いかにもなパート2なら、 せめてハリウッドらしく最後くらいは ど派手に盛り上げてほしかったところ。

プールの自走式掃除機や熱すぎるジャグジーなどは どこが怖いのかよくわからないが、 あんな掃除機、 うちのプールにも一台欲しいところだ^ ^ 赤ちゃん自体は それだけで怖そうで、 お、 考えてきたかなと思わせるが、 いまいち使い切れてない。 個人的に不思議だったのが、 出てくるシェパード犬の名がアビーで、 先月の終わりから奇しくも三たび連続でアビーの出る映画をエントリーしたことになる。 。 真冬に8月の気分、 果たして今回も大ヒット御礼となるか。 ちなみにこちらもお薦め^ ^


パラノーマル・アクティビティ 2 (2010) 日本公開2011.2/11~ 公式サイト 
PARANORMAL ACTIVITY 2  象のロケット 
監督 トッド・ウィリアムズ 脚本 マイケル・R・ペリー 
製作 オーレン・ペリ 他 
ケイティー・フェザーストン スプレイグ・グレイデン モリー・イフラム 
パラノーマル・アクティビティ2 [DVD][DVD]

完全なる報復 DVD 僕と妻の1778の物語 スタンダード・エディションDVD パラノーマル・アクティビティ第2章/TOKYO NIGHT [DVD] マッハ!参 [DVD] ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島 3枚組DVD&ブルーレイ&デジタルコピー(DVDケース)(初回生産限定)

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2.09.2011

KISSのTシャツ 「モールス」



「ぼくのエリ 200歳の少女」 と説明的すぎる邦題の "Let The Right One In" がハリウッドリメイクされるとは聞いていたが、 海外では早くもDVD化。 エリはアビーとなり、 注目のクロエ・モレッツがキャスティングされたりしているが、 雪の静けさから暗闇の質感まで、 かなりオリジナルに忠実なリメイクと言える。 それならハリウッドリメイクにどんな意味があるのか。 それは あいかわらず疑問だが、 大半のアメリカ人は外国映画を好まず、 適当な作品をピックアップしてリメイクすれば それなりに動員できます、 ということなのだろう。

そう言えば時代設定は80年代だったなという感じで、 カルチャークラブはかかるし、 アビーはKISSのTシャツを着ている。 なぜ80年代なんだろと考えてみても、 オリジナルの脚本家の思い入れなのかなとしか思い当たらないが、 それはそれで不思議な雰囲気。 ハリウッド版は無理に80年代を引っ張り出そうとしている気がしなくもないが、 まあ それでもいいか。 オリジナルがいいだけに、 どこか空しいリメイクではあるが、 それでも仕事が来たら頑張るしかないということで監督はよくやっているのではないか。

すべてはリミックスでありリメイクだ、 みたいなことをカルチャークラブのボーイ・ジョージ氏がかつて語っていたような記憶があるが それでも、 リメイクでもなく、 文芸作品やコミックが原作ではない、 オリジナル脚本の映画が見たいと思うのは贅沢だろうか。 。 ローバジェットであれば生まれやすいか、 フィルムメーカーの心意気ひとつか、 いずれにしても そうやって出てきた映画があっさりとハリウッドに乗っ取られると、 何がオスカーだと思ってしまうのはヒネクレすぎだろうか。 。

(追記) こういう邦題になって公開決定。 モールス信号のこと?



モールス Let Me In (2010) 日本公開2011.8/5 公式サイト 象のロケット 
監督 マット・リーヴス 
クロエ・モレッツ コディ・スミット=マクフィー 

1.30.2011

想像とは違う声 「キャットフィッシュ」



当事者が実名で登場するフェイクでないドキュメンタリーだが、 傾向の近い作品である 「タルホットブロンド」 などと比べると詩情があるし、 哲学的なメッセージもあって良作だ。

NY在住24才のカメラマン ヤニヴは、 ふとしたことから8才の絵の上手な女の子アビーと友だちになる。 彼女はミシガン州に住み、 彼の撮影したダンス写真をベースに絵を描いて送ってきたりする。 地元では有名な子供画家らしいが、 なにぶん まだ子供なので、 コンタクトを取るうちに彼女の母や姉と仲良くなる。 やりとりは主に facebookで行われる。

こうしたファミリーな付き合いは、 実名で登録する facebookでは意外によくあることのようで、 知り合いのフランス人も留学中の娘と facebookでコンタクトを取っている。 しかしここにはもう一つの現代的な病が潜み、 実名とプロフィール写真という前提が新たなファンタジーを生んでいるということを作品は明らかにする。

アビーの姉である19才のメーガンに恋したヤニヴは、 たくさんのテキストと携帯での少しの会話が物足りなくなり、 リアルの彼女に会いに行く。 しかしその前に不可解な事実が。 メーガンは作曲したり歌ったりするというので、 映画のテーマ曲を依頼する。 すると いい感じのものが送られてくる。 だが偶然、 ネット上で似た曲を発見してしまう。 どうも何かがおかしい。

わだかまりを解決するには会うしかないということで、 シカゴまで飛行機で、 そこからはレンタカーを借りてのロードムービーに。 夜の牧場へたどり着くあたりは、 なかなかサスペンスフルな展開となる。 さまざまな新事実が発覚し、 それはヤニヴにとって ともすれば不気味で、 また わびしいことだったが、 ここで彼の取った行動は寛容かつ誠実で、 自らの痛みに耐えて人を許すキリストがオーバーラップするかのよう。 それはいまアメリカが新たな時代の胎動の中で葛藤する姿のようでもあり 意外な感銘を受ける。

タイトルのキャットフィッシュとは 'なまず' のことだが、 そこにはこんな意味が込められている。 "なまずといっしょに搬送される魚は、 敵の存在を感じて俊敏さを失わず鮮度が保たれる。 同様に危機感を持つ人間は、 つねに考え、 鈍くならずに生きることができる"

エントリー題は、 初めてメーガンに電話したヤニヴが思わず発した言葉。 感のいい人はこのへんで先が読めるかもしれないが、 想像を超えた展開があり、 しかも事実なのだからサンダンス映画祭などで話題になるのもわかる。 日本公開があるのか ないのか、 こういう作品に触れる環境は日本には少なくて残念な限り。 いつかどこかで見かけても、 そのときはもう鮮度が失われているかもしれない。




キャットフィッシュ(原題) Catfish (2010) 日本公開未定 
監督 アリエル・シュルマン+ヘンリー・ジュースト 
ヤニヴ・シュルマン アンジェラ・ウェセルマン・ピアース メロディ・C・ロシャー