8.17.2010

Dear ノーランさん 「インセプション」



世界的に大ヒットとなっているようだが、 遅ればせながら見た。 どんなに世間で絶賛されようが合わない作品、 あるいは監督というのはあるもので、 自分にとってはクリストファー・ノーランさんはそんな鬼門の一つなのだ。 いまや大出世を遂げたノーラン監督だが、 デビュー当時から大好きということはなかった。 だからといって大嫌いでもないのだが、 何か そそらない。

ノーラン監督は、 一映画ファンとしてはキューブリックが好きらしい。 自分にとっても大御所中の大御所だが、 同じ映画が好きでも、 同じバンドが好きでも、 話は永遠と平行線をたどる人っていうのがいる。 まあ不思議な現象だが、 ノーランさんは自分にとって まさにそんな人。

他人の深層心理に何かを植え付ける・・ そんな発想がまずハイハイだし^ ^ 夢の中の夢、 さらにその中の夢? どうでもいいよ^ ^ そういうプロットをベースとしておけば何でもありだろうみたいなことで、 お金のかかった映像を次々と見せる。 金のかかる俳優も気軽に使う。 キャスティングは100%ノーランさんの意図かどうかはわからないが、 名もない俳優ばっかりだったほうがまだ面白かったかもしれない。 あるいは夢の中には、 本当に亡くなった人が出てくるとか。 。

夢や記憶という設定をリセットすれば、 ようするにミッション遂行型のスパイアクションで、 誰もが楽しめる娯楽作品に仕上がって満員御礼ということなのだろう。 別に何のケチをつけるところもないが、 ハラハラ、 ドキドキの展開で引っぱっておいて 最後はあっさり目が覚めてカタルシス~ ってのはどうなんだろう。 すっかりビジネスライクだな^ ^

映画自体が ある種の夢なんだから、 わざわざ複層にしなくても すべてひっくるめて しょせん映画として見てるわけで、 そんな夢の中で "現実もしょせん夢" などと言われるより "この夢は現実かもしれない" を志向してほしいんだよな。 。 まあ自分などが言っても仕方ないけど。 これからも金字塔を打ち立ててください。

インセプション Inception (2010アメリカ・イギリス) 7/23~ 公式サイト 
監督 クリストファー・ノーラン  象のロケット 
レオナルド・ディカプリオ 渡辺謙 ジョセフ・ゴードン=レヴィット 
マリオン・コティヤール エレン・ペイジ トム・ハーディ 

8.16.2010

かに様が見ている Eyeborgs



未来の "管理" 社会を描いたSFの名作があったが、 これは "監視" 社会を描いた佳作と言える。 現在でも街に溢れかえる監視カメラ。 これをさらに進化させたアイボーグは、 自由に動き回って死角のない監視を行うと同時に、 違法行為に対しては攻撃もできる。

対テロを大義としたアイボーグ計画だったが、 犯罪で妻子を失った捜査官は、 市民の安全を願ってこれを推進。 しかし反対派の一人が言う。 お前の目で見たのか、 と。 記録された映像は証拠ともなり、 人々は常に見られている生活を余儀なくされるが、 どうやら映像の一部は巧みな3D合成技術で捏造されていることがわかる。 いったい誰が?

小型のアイボーグ (上のポスター) にはスタンガン、 中型のカニのようなアイボーグにはドリルが装備されているが、 やがてマシンガンを搭載した戦車型のアイボーグ投入が計画される。 アイ (眼) + サイボーグの造語ではあるが、 サイボーグは本来、 生体とマシンの融合を指すので、 正確にはアイボットだろう。 しかしそれでは新型のiPadと間違えられそうなので この呼び名になったのかもしれない。 。

「ロボコップ」 と 「2001年宇宙の旅」 を合わせたような内容ではあるが、 意外に地味で抑制された演出。 だが後半に この演出はリアリティへと結実する。

その昔 "レンズは嘘をつきません" というCMがあったが、 当時から そんなことはないだろ?と一人テレビに向かってよく反論していたものだ^ ^ レンズ、 あるいはカメラが嘘をつくからこそ映画もあるのだ。 はたして誰が映像を捏造し、 アイボーグ計画を拡大するのか。 途中から見当はついてくるが、 すべてが絵空事だったときのショックはそれなりに大きい。 例によって日本公開はまったくの未定だが、 乞うご期待^ ^
(追記) DVDスルーする-そうです^ ^



Eyeborgs アイボーグ (2009) 日本未公開 
監督 リチャード・クラボー 
エイドリアン・ポール ミーガン・ブレイク ルーク・エバール 
アイボーグ [DVD][DVD]


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8.15.2010

カバチタレ? 「バチアタリ暴力人間」



"天罰上等" "反省無用" "フェイクの壁をぶち抜いて・・" と下の予告でも述べられている通り。 だが、 何だろうねコレ^ ^ ♪ ぼーりょく にんげん~ という歌が耳に残る。 。

ゆうばりファンタ出品作ということで とりあえずホラーとされているが、 いったい何だろう。 独創性に富むと言うのか、 白石さんの中では自然と湧いて出てきた感じと言うのか、 フェイクを一周追い抜いて本物なのか、 とも思ってしまう。 最後はもっと凄いことになるのを期待したが、 意外や、 さわやかに?終わる。 最も絶賛してはいけないものだろうけど、 絶賛したくなる。 そういう意味では本当に恐い作品。

心霊ドキュメンタリーの取材中に乱入してきた二人組。 悪霊除霊の儀式を踏み倒して暴れ、 企画を乗っ取って暴走する。 だが彼らが嘘っぱちだと こき下ろした教祖側の反撃は強力で、 何かが壊れてしまった二人は改めて除霊を受け、 故郷へ帰ると言い出す・・。

できれば、 もうちょっとだけ予算をあげるとどうなるのかなと思うが、 やっぱり取り巻く環境は、 ここに出てくるようなプロデューサーが象徴しているのか。 最も他人に薦めてはいけないものな気がするが、 いっそのこと薦めてしまおうか。 。




バチアタリ暴力人間 (2010日本) オリジナルビデオ 
監督・出演 白石晃士+笠井暁大 主題歌 高橋敏幸 with 泥舟 
笠井暁大 山本剛史 白石コージ 福島慎吾 堀田範仁 長澤つぐみ 大迫茂生 
バチアタリ暴力人間 [DVD][DVD]


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8.14.2010

一階から二階へ 「パラノーマル サイキック」



何だ、 これは? と思ったが、いちおう見てみた。 「パラノーマル・アクティビティ」 にインスパイアされたと一目瞭然のタイトルは正直でよしとしよう。 しかしサイキックの意味するところは最後までわからなかった。 もしかして、 それしか単語を知らなかった?

心霊ビデオの企画会議のシーンが長くてダルいが、 取材が始まってみると意外に面白い。 本家パラノーマルのシチュエーションを日本家屋に置き換え、 けっこうリアルな日本人カップルに置き換え、 一階から二階へ上がるパターンに逆転される。 当然ベッドではなく布団で寝る。 夜間のカメラ映像にタイムカウンターはないが、 あの緊迫感は意外に出ている。 ディテールはけっしてマネはしていないので、 次どうなるかわからずに、 つい見てしまう^ ^

男が食事を用意したり、 赤い布団で寝てるのは男のほうだったり、 しょっちゅう覗きに来るオバサンなどの微妙なギャグも入ってる。

ただ結末は尻切れトンボ。 どうせなら、 ここをもっと強力にしてほしかった。 何通りものエンディングを作ってほしかった^ ^ 世界的な話題になるか、 ビデオ屋の片隅に置かれるだけかは別にして、 本家だって こんなものと言えばこんなものかもしれない。 一つツッコミを入れるなら、 24時間x3日間ビデオを回しっぱなしにして、 テープはいつ換えてる?

パラノーマル サイキック (2010日本) オリジナルビデオ 
監督 岡崎喜之 
別見守 熊田藍夏 出月勝彦 出月茜 
パラノーマル サイキック [DVD][DVD]


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古風な男と体温のある男 「エクリプス/トワイライト・サーガ」



シリーズものなんて、 しょせん こんなもの。 そう思わずにはいられない最終章。 一作目には ただならぬテンションを感じたが、 二作目では ヴァンパイア-人間-狼男 の三角関係となり、 いちおう どうなるのか見るしかないというだけの三作目。

新たな勢力が現れたことで、 共闘することになるヴァンパイア族と狼男族。 二人を同時に愛したベラにとっては望ましい関係だったが、 はたして危機を逃れることはできるのか。 そして最後に彼女はどちらの男を選ぶのか。 人間のままでいることを選ぶのか、 あるいは・・。

男二人とも、 付き合いが長くなるにつれ、 どこが好きだったのかわからなくなった恋人のようでもあり、 優しさや彼女を守ろうとする姿勢だけが強調されるが、 そもそも彼女は強いのだ。 ヴァンパイアと狼男に二股をかけ (実際には かけてないが^ ^)、 いざというときは彼らに加勢する勇気を持っているのだから。

二人の男が再び魅力を放つのは次の瞬間だ。 彼女の父親に許可をもらって結婚するまでエッチなんてできないと言う、 古風なヴァンパイア男。 愛に歳の差なんて、 と言うけれど、 これは現世の歳の差をはるかに超えている。 彼は何百年も前の時代のマナーをたしなむ男なのだ。 そして狼男は、 戦いのなかの雪山で、 体温のないヴァンパイアに代わってベラの身体を温める役となる。 言葉など不要な体温だけのコミュニケーションは、 基本的な男の存在価値に違いない。

三角関係に揺れ動く乙女心を清算してベラは、 最後の選択をする。 いかなる失敗と成長を繰り返しても、 彼女のこの世界での有り様は変わらず、 最後まで "厭世する17才" だった。

関連エントリー:トワイライト・サーガ vol1. 初恋 vol.2 ニュームーン


エクリプス/トワイライト・サーガ (2010) 日本公開11/6
The Twilight Saga: Eclipse 公式サイト・予告 象のロケット 
監督 デビッド・スレイド 原作 ステファニー・メイヤー 
クリステン・スチュワート ロバート・パティンソン テイラー・ロートナー 
ダコタ・ファニング 

8.13.2010

小悪魔が本物の悪魔に 「ジェニファーズ・ボディ」



先月末から、 先行、 新作、 DVD入り交じり多少とびとびにはなるものの '勝手に連続ホラー鑑賞' 9作品目となる本日はコレ。 「JUNO/ジュノ」 のディアブロ・コディ脚本・製作総指揮ということで、 それなりに期待もされつつ、 でも海外ではあまり評判が良くないようす。 ホラー・コメディという打ち出しが、 恐怖も笑いも両刃とも欠けているということだろう。

売れないロックバンドが黒魔術を使って のし上がろうとする。 いけにえとして捧げたジェニファーは処女でなかったため悪魔が乗り移り、 男を次々と まさに '食う'。 ついには幼なじみニーディの彼氏を食べようし、 愛憎入り交じる女の戦いへ。 そういうセンスのコメディだし、 学校の先生がなぜか海賊義手だったりするなどギャグが小粒なので、 笑いは弾けない。 しかしまあ音楽や映像感覚はじゅうぶん楽しめるし、 スゴイとまでは行かなくても悪くないと思う。

脚本、 監督ともに女性なので、 女性から見たエロティシズムも いろいろ入っているのだろうけど、 大人が見るエッチな映画を覗き見するが、 しょせんよくわからない子供のような感覚になる。 そういう意味では新種の女性映画と言っていいかもしれない。 ハリウッドの一角に着実に居場所を作る女性フィルムメーカーがいるようだ。 この作品などもご参照を » The Runaways



ジェニファーズ・ボディ Jennifer's Body (2009) 日本公開7/30~ 公式サイト・予告 
脚本・製作総指揮 ディアブロ・コディ 監督 カリン・クサマ  象のロケット 
ミーガン・フォックス アマンダ・セイフライド ジョニー・シモンズ 
ランス・ヘンリクセン 

8.12.2010

凡作.. 「馬小屋」



実話に基づくストーリー、 邦題も珍しく上手いので いいかもしれないと思ったが、 この手のものをたくさん通過した後では新鮮味に欠けると言わざるをえない。 凄そうなのは上のポスターだけだったようだ。

いそいそとキャンプに出かけたグループ、 酔っぱらって寝ているところを拉致され、 目を覚ませば馬小屋で鎖に繋がれている。 どうやら動物として売り買いされるらしい。 どんな悲惨な状況が訪れるのか。 それに対し動物とは違う知性で、 いかにこの状況を切り抜けるか。 観客の視線は概ねそんなところに注がれるはずだが '調教' シーンもいまどきの作品としては地味、 脱出劇も生ぬるく、 ここで殺しておかなければ後で追いかけてくるに決まってるのに そうしないので、 ほら見たことか・・ とイライラが先に立つ。

いくらで売買されるのか、 客はどんな人間か、 売られた後どうなるか。 このあたりにも興味をそそられるが、 それらには触れられない。 実話の部分への関心は はぐらかされ、 かと言って 「悪魔のいけにえ」 のように大胆なデフォルメがあるわけでもなく、 ポイントのはっきりしない平凡な作品だ。 それにしてもアメリカの田舎は今でも こうした血生臭い世界なのだろうか。



馬小屋 LIVE ANIMALS (2008) 日本未公開 
監督 ジェレミー・ベンソン 
ジョン・スティル クリチアン・ウォルカー ジャネット・コマンズ 
馬小屋 [DVD][DVD]

不倫地獄 [DVD] シャッター アイランド  [DVD] マイレージ、マイライフ [DVD] ハート・ロッカー [DVD] 嬲られる女 [DVD]

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