10.07.2012

クロアトアン? 「リセット」



新作でもDVDリリース直後でもないが、 下の予告で飛行機が墜落するシーンが多少気になって見てみた。 本編中では rebootと表現される終末感が、 邦題ではリセットと薄味にされている。 しかし結局は予告だけで終わっているような薄塩味な作品だったので、 ま、 いいか。

面白くないわけじゃないのに、 なぜか睡魔を誘う映画というのがあるもので、 自分にとってはこれがまさしくそうだった。 何回、 戻したかわからない^ ^ 監督の 「マシニスト」 もよく覚えていないが、 今回はとくに脚本の失点が大きいだろう。 よくこんな脚本が採用されたものだとも言える。

劇中ではロアノーク島の入植者が全員こつ然と姿を消した事件が引用され、 そのとき木の幹に残された "CROATOAN" という謎の言葉が、 最後にはデトロイトの街にも記されることとなる。 映写技師が最後にリクエストするのはマーヴェレッツの "Forever" という曲で最後の灯火のなか "私は永遠にあなたの奴隷" と歌われるのだが、 こういう思いつきの選曲が素敵かどうかは微妙なところ。 "Please Mr. Postman" はビルボード1位の大ヒットだったが8番目のシングルであるこの曲は44位止まりの中ヒット。 マーヴェレッツはモータウンがデトロイトからLAに移転する際に、 LA行きを望まず解散したらしい。

少年と少女と馬が無人のハイウェイを歩くという詩的なシーンで終わるが、 結局これが何だったのか、 光と闇の謎も放置されたまま。



リセット VANISHING ON 7TH STREET (2010) 日本公開2011
監督 ブラッド・アンダーソン 
脚本 アンソニー・ジャスウィンスキー 
ヘイデン・クリステンセン タンディ・ニュートン ジョン・レグイザモ 

10.04.2012

野心の墓場 「グレイブ・エンカウンターズ2」



前作の感動も覚めやらぬうちに? 続編の登場。 今回ヴィシャス兄弟さんは脚本のみを担当、 監督は別の人に任せている。 心なしか迫力が減った気はするが、 暗視カメラでは飽き足らずサーモカメラ登場、 REC的な引きずりにはひと味加え、 さらにはゴーストによるカメラ撮影?など、 意欲的。

映像作家の学生アレックスは、 仲間を集めてホラー映画などを撮っているが、 マンネリ気味。 そんなとき 「グレイブ・エンカウンターズ」 という映画の出演者・スタッフがみな行方不明であるという事実を知り、 興味をかき立てられる。 これを追った作品に切り替えて取材を続ける。 最後には例の建物にたどり着き、 潜入。 不思議な現象を追体験するとともに、 この迷宮から抜け出せなくなる。

だが若さにまかせてムチャクチャやっているうちに、 外へ出られてしまう。 よかったよかったということでホテルのエレベーターへ。 しかし扉が開くとそこは・・

ここに閉じ込められたままとなっていた前作のディレクターが、地下室で生きていた。 ネズミを食べ、 トイレの水をすすりながら。 9か月くらいだと彼は思っているが実は9年が経っていた? 彼が出口だと信じる赤い扉はチェーンで縛られているが、 今回のスタッフが持ち込んだ道具が役に立ちそうだ。 チェーンを切り、 扉を開くと・・

不要な殺人が多くてゴーストは後退、 映像作家の野心を根拠にしているものの、 鮮度はやはり前作よりダウングレード。 乞うご期待^ ^



グレイブ・エンカウンターズ2 GRAVE ENCOUNTERS 2 (2012) 日本公開未定 
脚本 ザ・ヴィシャス・ブラザーズ 監督 ジョン・ポリキン 
リチャード・ハーモン リアンヌ・ラップ ディラン・プレイフェア 
ショーン・ロジャーソン 

最後に望むのは天国か 「チャーリー・バレンタイン」



チャーリー・バレンタインで検索するとスヌーピーが出てくる。 チャーリー・ブラウン? ・・とにかく、 この赤い薔薇が似合いそうな名前の男はギャングで、 高齢にもかかわらずダンディズムを漂わせる風貌。 高望みをしないせいか、 この歳でも女にモテる。 チャーリーの経歴は裏稼業にも関わらずキレイで、 ヤバくなったら逃げろ、 が信条。 ボスタイプではなく、 ナンバー2のほうがラクでいいや的な男。 レッドやブロンディと女を髪の色で呼ぶのもダンディズムか。

のっけから日本語の曲が流れる。 調べると Pink Martini feat. Saori Yuki の "Taya Tan" とかいう曲だそうで、 ラテン風味のノスタルジー。 チャーリーは最後の仕事に、 ボスへの裏切りを画策する。 だがクールなのか間抜けなのか、 よくわからないノリで仕事は失敗に終わり、 追われる立場となる。 ダンディなのかバカなのか、 ボスのガレージからビンテージ・カー コブラを盗んで、 すたこら逃げる。

組織は地の果てまで追ってくるが、 チャーリーが身を隠したのは息子の所。 ダンディな独身貴族のはずが、 一人息子がいた。 しかしこれまで、 子育てどころかあまり交流がなかったらしく、 息子は父の突然の来訪に舞い上がってしまう。 "恨んでなんかない、 俺に父さんの技を教えてくれ" そう言う息子に、 父チャーリーはスーツの着こなしやら立ち振る舞い、 すなわちダンディ指導を施す。 そして結局はヤバい仕事に巻き込んだあげく、 始末されかかった息子を置き去りに すたこら・・

これで終わったら、 さすがに どうしようもないズッコケ映画だが、 チャーリーは自分でも理由がわからないまま引き返す。 そしてダンディズム漂う銃さばきを披露して息子を救おうとする。 このあたりはちょっとシビれる。 どうしようもない父に、 どうしようもない息子、 二人は最後に血だらけで笑う。

まあ大した映画じゃないが、 こういう映画ほどずっと覚えてたりする。 よかったら見てやってくれ^ ^ ・・という感じで本日はダンディに終わろう。



THE HITMAN チャーリー・バレンタイン CHARLIE VALENTINE (2009) 日本未公開
監督 ジェシー・V・ジョンソン 
レイモンド・J・バリー マイケル・ウェザリー トム・ベレンジャー 

10.02.2012

健在すぎる^ ^ 「KOTOKO」



塚本監督、 健在なり。 のびのびとやってるし、 強烈だし、 ベネチアでは喝采だし、 エピソードもいいし、 こんな話なのに透明感まであったりして凄いなと思う。 でも・・ 何だろう、 何か物足りない。 。

そんな監督、 そんな作品として、 きれいにパッケージングされて飾られてる、 祭られてる。 そんな感じ。 どう考えても悪くないし、 いいんだけど、 またしても気になっていた かけ出しのバンドが、 メジャーになるにつれ覚える疎外感みたいなものがつきまとう。

完成度も高い。 自分の世界をよくここまで切り拓いてきたなと感慨深いのに、 素直に喜べない自分が、 まあバカなんだろうけど、 いる。 しいて言えば、 意外性がなかったと言うのか。 どんなパンチも目の前で寸止めされていると言うか。 でもCoccoの顔は、 そのへんのホラーより恐い^ ^


KOTOKO (2012日本) 公式サイト
製作・脚本・監督・出演 塚本晋也 
Cocco 

傷口から吹き出すもの 「マシンガン・プリーチャー」



ワルだったオヤジが、 ある日 心を入れ替えて教会へ通うようになる。 真面目に働くようになっただけでなく、 突如アフリカの子供たちを救いたいと願い、 自分の子もそっちのけで内戦に乱入してゆくマシンガン宣教師と呼ばれた男の話で、 実話。

話自体は凄いと思うし、 マーク・フォースター監督というポジショニングもよくわかるが、 このサム・チルダーズという男の過剰なメンタリティはわからずじまい。 しいて言えば、 これまで虐げられてきた自分の可能性がいっきに吹き出したという感じで、 わからなくもないが作品からは伝わらない。

猪突猛進型で不器用な男なのだろう、 しかし突っ走りすぎて誰もついていけなくなる一歩手前で、 平静を取り戻す。 このあたりの、 弟を探し続ける少年とのやり取りや、 エンドロールで本人が発するメッセージがいい。 "子供や妻や兄弟が誘拐され拷問されているのを救い出そうとするとき、 誰が手段を問う?"

マーク・フォースター監督でさえも料理しきれなかった題材と言えるだろう。


マシンガン・プリーチャー Machine Gun Preacher (2011) 日本公開2012.2
監督 マーク・フォースター  公式サイト 象のロケット 
ジェラルド・バトラー ミシェル・モナハン マイケル・シャノン 
マデリン・キャロル 

予算を絶やさず想像を絶してほしい 「スペースシャトル2025」



先月はエントリー作品2本と過去最低になってしまった。 偏りはあるものの見てなくもないのだが、 嬉しがって何か書くまでのテンションに満たないと言うか、 消化試合が続いている。 ようやく時間ができたので まとめて3本エントリーしておくが、 どれも実は力作揃いで、 消化試合などの表現は不適切、 勝手にこちらのテンションが下がっているだけと考えるのが妥当だろう。

本作は低予算ながら面白いと聞いたので見た。 本格的なSFが見たいところだったので期待したが、 宇宙ステーション内での雰囲気が楽しめるのは最初の数分、 フラッシュかパルサーのような光を浴びてからは地上でのシーンとなる。

そこは地球のような、 他の星のような、 とにかく殺風景な場所で、 そこへ転送された者は自らの幻影の中で次々と死んでいく。 過去の心の傷が現実に作用するらしい。 しかし そうこうするうちに、 この飛行の本来の目的や経緯がしだいに明らかになり、 博士はどうやらロボットらしく、 しかも感情をプログラムされたロボットのようで・・ さらに博士だけでなく・・ と 「惑星ソラリス」 や 「エイリアン」 を混ぜたところはあるものの、 面白くなくはない。 なのに、 はあ、 そうですかーという感想で終わってしまう^ ^

何が足りないのだろう。 ようするに驚きがないのだ。 やはりSFは、 もっともっと想像を絶してほしいということか。



スペースシャトル2025 Atlantis Down (2010) 日本未公開
監督 マックス・バルトーリ 
マイケル・ルーカー グレッグ・トラヴィス