10.07.2010

まさに接合! 「スプライス」



スプライスとは接合するという意味で、 この場合 DNAを接合するということ。 自然の状態では交じり合わない さまざまな異種のDNAが接合され、 さらには人間のDNAまでも接合することに成功した未知なる生命体が誕生する。

ポスターのビジュアルはなかなかショッキングでそそられるし、 新種のエイリアンもの、 あるいは 「アバター」 などにも通じる感覚があるが、 さらに新感覚を際立たせているのは、 子を育てる親の感覚が取り入れられているところだろう。

ドレンと名づけられた その生き物は、 メスだった。 人間のような顔、 鳥のような足、 指は4本、 そして毒針を内蔵した尻尾を持っていた。 バイオケミカル企業の研究室で生まれたそれは、 本来の目的であった医療用のタンパク質を合成するための物質も十分に持っていたが、 この成果を世間に発表するには時期が早すぎた。 それは地下室に隠され、 さらには森に隠されることとなった。

ドレンの中に植えられた人間のDNAが誰のものかは最後にわかるが、 研究成果の生みの親となった二人の研究員はプライベートでも恋人同士。 そろそろ子供がほしいな、 いや まだいらないわ、 な関係であったが、 マッドサイエンティストさながらに成果の大きさを確認しながらも、 子育てに奔走するかのような日々となる。

ドレンは成長とともに進化し、 高い知能とキメラな可能性に満ちていたが、 それが人類に制御可能なものかという懸念以上に、 その魅力と価値はすでに生まれてしまったという事実を追認させるに十分だった。 やがて大きな変化が訪れ・・

キャラを楽しむもよし、 物語を追うもよし、 2011年最初の注目作には間違いないだろう。 成長したドレンは印象的な目の離れ方をしているが、 これはCGではなくパリ生まれのデルフィーヌが演じているらしい。 不気味な雰囲気のわりには大人な作品でもある。 何せナタリ監督、 これがやりたかったんだろ? という、 もの凄い濡れ場が待っているのだから^ ^ 来春、 乞うご期待!




スプライス SPLICE (2009カナダ・フランス・アメリカ) 日本公開2011.1/8予定 
監督 ヴィンチェンゾ・ナタリ  公式サイト未設定 
エイドリアン・ブロディ サラ・ポーリー デルフィーヌ・シャネアック 
スプライス [DVD][DVD]

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10.04.2010

そう来たか、こう打つぞ 「サバイバル・オブ・ザ・デッド」



ロメロもCGを使うか?というところもあるし、 ロメロさんなりに楽しませようとしている部分もあるが、 基本的にショーではなくドラマ、 そしてやはり最後は説教臭く終わる^ ^

そういう意味では その他のゾンビ映画とは一線を画しているし、 さすが元祖とも言える。 しかし命の輝きを失った歩く死体はラッシュアワーの群衆のようでもあるというような、 初期のゾンビが持っていたリアリティは ほぼ消滅し、 自分で作った虚数計算の問題を のんびりと楽しみながら証明しようとでもしているかのように見える。

脳天を撃ち抜けば真に眠らせることができるという設定も、 よく考えれば輸入スポーツカーに取り付けられたリミッターのようでもあるし、 これだけはきっちりと守りながら あれこれチューニングを施しているかのようだ。 またゾンビが人間の肉を食うというのも、 でなければ ただのブキミなお友だちになってしまうことへの防衛線にすぎないのに、 そのことを逆転してしまおうとする。 これは最近のヴァンパイア映画と共通の流れだし、 古くは "幽遊白書" に何百年も人間を食べていないS級妖怪が登場したが、 この両者はともに自らの意志による選択であるのに対して、 ゾンビは人間に飼い慣らされることでサバイバルを果たす。 皮肉と言えば皮肉、 だから何?と言えば だから何な。 。

もうゾンビに人間の世界を逆照する力はないし、 ロメロは自分の最大の成功をスルメのように噛みしめながら、 縁側で一人将棋を打っているということかもしれない。 どことなく水嶋ヒロ似だったデヴォン・ボスティックは、 そんなジイさんが意外にも、 次の世代に対して好意的で楽観的な感覚を持っていることの証明でもあり、 そう言えばロメロさんはいつも、 最後に希望だけは残す人だったな。 ・・と書いたら亡くなったみたいじゃないか^ ^


サバイバル・オブ・ザ・デッド (2009アメリカ・カナダ) 日本公開2010
SURVIVAL OF THE DEAD  公式サイト 象のロケット 
監督 ジョージ・A・ロメロ 
アラン・ヴァン・スプラング ケネス・ウェルシュ キャスリーン・マンロー 
デヴォン・ボスティック リチャード・フィッツパトリック 
サバイバル・オブ・ザ・デッド [DVD][DVD]

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9.29.2010

待っててん 「マチェーテ」



グラインドハウス」 のフェイク予告から出た真、 一足先に検閲させていただきました。 予想外に日本公開も早いし、 いい傾向ですな。 何でも日本ではジェシカ・アルバのシャワーシーンが下着付きに替わるとの噂で、 これはいただけませんな^ ^ 自分は しっかり拝ませていただきましたが。 。 (けっきょくCGらしいけど)

なぜか作品に似つかわしくない敬語で始めてしまい・・ いや、 いろんな意味で敬意を表していい作品だし、 むしろふさわしいか。 予想を裏切らない出来に、 いや予想を上回る出来に仕上がっているので、 11月の公開は乞うご期待!・・と終わってはいけない? もう少し書くか。

ジェシカ・アルバの他にリンジー・ローハンも出ているし、 出している^ ^ まあスタントっぽくはあるが、 とりあえず こちらも乞うご期待? 他にもナース、 シスターと予想外のお色気サービスもたっぷり。 スティーブン・セガール、 そしてデ・ニーロまでが悪役として出ている。 てっきりマイナーな作品と思っていたら、 意外な盛り上がりを見せているようだ。

のっけから360度回転 首チョンパなどが披露されて、 飛ばしぎみながら息切れせず '腸ロープ' へと続く^ ^ ちょっと息切れしたかなというところで今度はお色気。 最後はランチャー、 マシンガン、 ホッピング・カーまで登場。 サービス精神たっぷりで、 飽きさせない。

ストーリーはいちおうメキシコ国境がらみ、麻薬流通がらみで "Welcome to America" という皮肉が効いている。 しかし何と言っても決めゼリフは "MACHETE don't text." (マチェッテはメールしない) だろう^ ^ 悪者も味のあるキャラ造形となっているため、 単純に勧善懲悪のカタルシスに落ち着かないところはあるが、 エンディングのギャグのとおりに "MACHETE KILL" "MACHETE KILL AGAIN" も作ってほしいところだ。

エディター出身の監督らしく、 編集の妙で見せる迫力とお色気、 寒くなる気節はこれで暖まろう!





マチェーテ MACHETE (2010) 11/6公開予定 公式サイト 象のロケット 
監督 イーサン・マニキス+ロバート・ロドリゲス 
ダニー・トレホ ジェシカ・アルバ リンジー・ローハン 
ミシェル・ロドリゲス ロバート・デ・ニーロ ドン・ジョンソン 
スティーブン・セガール 

9.26.2010

1999 「ジュリアン」



唐突に取り上げるが、 今コレに再注目、 などのような さしたる意図があるわけではない。 たまたま見たのでエントリーしておこうというだけ。 ハーモニー・コリーン・・ やさしいから好きとかいうのはちょっと違う。 地面すれすれに飛ぶ感じが好きなのだ。

「ガンモ」 をフィルムフォーラムという小さな映画館で見たのも、 ずいぶん昔。 すでに自分の感性は鈍感になっていたのか、 大した衝撃を受けたわけでもなかったが、 それでも自分にとって気になるフィルムメーカーとなったハーモニー。 90年代を思い起こすときも、 その空気を象徴するかのようなこんなテイストがいつも思い出される。

この作品は 「ガンモ」 の後に製作されているが見てなかった。 あの頃はいちばん映画を見なかった時期でもある。 "ドグマ95" のマークが冒頭に挿入され、 その通りに全編 手持ち、 自然光。 最後にハーモニーの名前はクレジットされているが、 監督という肩書きはない。

粒子の粗い映像、 短いカットで追うのは、 ヘンテコな家族。 知的障害なのか分裂症なのかはよくわからないが青年ジュリアンは、 それでも盲学校の先生をしている。 姉は妊娠中だが父親は知れず、 弟は勝ったことのないレスラー。 母はなく、 父は弟に "負け犬にはこれが似合う" と母のドレスを出してきたりする嫌味な男。 あともう一人、 いつもマルチーズと戯れている祖母。 それがジュリアンの家族だ。 映画はそんなジュリアンの家族と周辺の人々を活写してゆくだけだが、 最後に悲しい出来事も起きる。

今回も特別 感銘を受けたわけではないが、 それでも鈍った感性の端っこに何かが残る。 それは恐らく文章化の難しい次元に属する何かで、 だからカットを多めにアップしてみたがそれでもアマチュアのポラロイド写真集くらいにしか見えないかもしれない。 本編の時間の流れの中でしか感じ取れない何かがそこにはあって、 そういう意味では紛れもなく映画的なのだが、 それすら古い8mmを引っ張り出して気ままに再編集したヘンテコな家族の肖像であるだけかもしれない。

しかしヘンテコな家族のフィルムは焼けずに実存し、 これをヘンテコと形容させるのは '標準化' の枠のなかに押し込まれた自分自身の常識的世界観であり、 そもそも自分がそれほど常識的な人間だとは思わないが、 それでもいつしか取り込まれているのだろうし、 ときおり こうしたヘンテコな作品に触れて '標準化' を解毒しておくのもいいのではないかと。




ジュリアン Julien Donkey-Boy (1999) 日本公開2000 
脚本・監督 ハーモニー・コリン  非公式サイト 
ユエン・ブレムナー クロエ・セヴィニー ヴェルナー・ヘルツォーク 
ジュリアン [DVD][DVD]

ミスター・ロンリー [DVD] ガンモ [DVD] ガンモ [DVD] BULLY / ブリー [DVD] ソナチネ [DVD]

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