
星への地図、 というタイトルに素敵な映画をイメージしたのも束の間、 それはハリウッドスターのことであり、 ビバリーヒルズのお宅探訪のような展開は、 いい意味で期待を裏切ってくれるとも言える。 さらに監督がクローネンバーグとわかると期待も高まる。
淡々としながらも通り一遍等ではないムードにクローネンバーグを意識しつつ、 物語はどこへも進まず、 実際に空の星になってしまうような終わり方に肩透かしな気分。 しかしまあ、 それなりに楽しめたので、 感想は控えながらも設定を追ってみよう。
ジュリアン・ムーア演じるハバナは中堅の女優。 しかし母親はもっと大女優であった。 いい人に見えるハバナの内面はかなり歪んでいるようだ。
ハバナをマッサージしながら意味不明なセリフを吐くのは、 キューザック演じるセラピストとしての成功者ワイス。 これはセラピーだったのか…。 その息子は天才子役として人気を博したベンジー。 しかし飽きられるのも早く、 年少の子役に人気を奪われつつある。
レイヤ姫ことキャリー・フィッシャーが実名でハリウッドの顔役として登場。 彼女とツイッターで知り合ったという少女が、 彼女の経験に基づく注目のシナリオを携えてやってくる。 ミア・ワシコウスカ演じるその女アガサは髪で火傷の痕を隠し、 いつも長い手袋をしていた。
火傷と言えばハバナの母親も火事で亡くなっており、 天才子役にも火事と姉の記憶があった。
パティンソン演じるリムジンドライバーは役者の卵でシナリオライターでもあったが、 意外にもコネづくりに淡白で、 そんなものに頼らなくていいよ、 と自信を漂わせる。 対する既得権者はことあるごとに世間体に気を使い、 この世界、 コネがすべてと考えている。
やがてアガタはハバナの世話役となり、 火種は再燃し、 予定調和のハリウッドは崩れ落ちる。




マップ・トゥ・ザ・スターズ
MAPS TO THE STARS (2014 カナダ・アメリカ・ドイツ・フランス)
監督 デビッド・クローネンバーグ
脚本 ブルース・ワグナー
ミア・ワシコウスカ エヴァン・バード ロバート・パティンソン
ジュリアン・ムーア ジョン・キューザック オリヴィア・ウィリアムズ
エミリア・マッカーシー キャリー・フィッシャー
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