7.07.2013

太陽はただ一つの朝の星 UPSTREAM COLOR



UCというロゴまで制作して独自の雰囲気を醸し出しているが、 説明のむずかしい映画ではある。 「ツリー・オブ・ライフ」 的とも言える抽象的なイメージの連鎖、 しかし物語の流れはしっかりある。 抽象的ではあるがディテールは具体的なので、 リアルな夢を見ている気分。 夢から覚めて、 その意味を解釈をするといった感覚か。

カテゴリーはSci-Fiとなっているが言われるまで意識せず、 どれくらいの未来かと聞かれても "何となくの未来" としか言えず。 冒頭、 鉢植えをまとめて買ってくる男、 しかし植物は捨ててしまい、 土だけを取り出す。 土の中にいる虫が必要だったようす。 虫から取り出したエッセンスを飲んだり、 それを使って女に催眠術のようなものをかけ、 お金をだまし取る?

男が消えた後 女は、 皮膚の下に虫がいると感じ、 刃物で自傷。 事態を救うドクターもどきの男は、 飼っている豚の皮膚を移植? ドクターは自然音をサンプリングして音楽をつくっているようす。 その後、 女は電車でまた別の男に声をかけられ、 やがては特別な関係になるが、 この男の過去の過ち、 忘れ去られた自分の過去、 水、 音が不思議なシンクロ率を見せて謎がしだいに紐解かれ、 孤独だった魂が少し融和を始める? というところで終わり。

映像は自然光がきれいで明るく、 かつ涼しげな空気感が漂う。 意味不明な部分、 あるいは完全に解釈できない部分を多く残し、 にもかかわらず わかった気にさせられる、 まさに夢のような映画。 夢から覚めてもある部分は感触まで残ってるような不思議な作品だ。 絶賛する気もないが、 こき下ろすこともかなわず、 日本公開は未定ながら一見に値する独創性のある作品と言える。 待つのがイヤな人は海外版DVDで^ ^ セリフも少ないし、 字幕などなくても ほぼ大丈夫。 エントリータイトルは劇中の詩から。




アップストリーム・カラー(原題) UPSTREAM COLOR (2013) 日本公開未定
監督・出演 シェーン・カルース 
エイミー・セイメッツ 

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