7.09.2013

卒業するのは やはりベン “Beauty and the Least”



ほとんど誰も見なさそうな映画で、 IMDbですら二人くらいしかレビューを書いてないが、 こういう作品ほど つい見てみたくなる。 そして、 なかなかどうして、 悪くないのだった。 ただ問題は例によって 「首ったけ」 な邦題。 実生活でほとんど使うことのない "首ったけ" という表現はまあいいとしても、 ラブコメの金字塔みたいな作品があったし、 そのせいでスイートなラブストーリーを期待した人には、 このビターな内容をどうしてくれる? ということになるだろう。 上の海外でのポスターと下の日本版DVDの違いも見比べてほしい。 日本版ジャケットのようなロリポップな映画でないことだけは確かだ。

原題は Beauty and the Beast (美女と野獣) のもじりで Beauty and the Least (美女と最小?)、 28才の大学生が卒業を危ぶまれながら、 課題と挌闘、 まったりした季節を終えていくという苦い青春もの。 モップ頭のベンを演じるのは役名と同じベン・バンクス。 ジャーナリスト志望だが、 最後の取材を経て記事を書き上げないと単位がもらえないというのに今日もパソコンに向かってエロ検索。 ベンの行きつけのコーヒーショップにはブロンドのかわいいコがいて、 いつものオーダーを覚えていてくれたりするがベンの態度は煮え切らない。

取材対象は町の名士がからんだ殺人事件、 そしてもう一つの課題は、 コーヒーショップの彼女の消せない過去。 彼女は若気のいたりでポルノに出演していた。 ネットでベンはそれに遭遇する。 そのことはこれまでずっと彼女を悩ませ、 これからも未来永劫に彼女を悩ませ続けるだろう。 そんなこと、 俺は気にしないよ、 で済む問題ではなく、 いつもなら、 ま、 いいかと、 まったり対応するであろうベンが、 ついに本気を出す^ ^

ロケーションはなぜかユタ州ソルトレイクシティ。 ベンの母、 大学教授、 ポルノ界の先輩女優などなぜか熟女は盛りだくさん。ロクでもない交友関係に助けられながらベンは課題に立ち向かう。 そして最後にモップヘアを "大人っぽく" カットする。 苦くて清々しい後味の漂うマイナーな佳作・青春ストーリー、 ビデオ屋の片隅で見かけたら手に取ってやってほしい。



彼女に首ったけ! Beauty and the Least (2012) 日本未公開 
監督 ブライス・クラーク 
ミーシャ・バートン ベン・バンクス アレックス・ベー 
キャサリン・タウン キム・ハフマン メロラ・ハーディン 

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