4.06.2010

赤いジャージの激しい女 「dot the i」



"The Runaways" は あと数日で全米公開だが、 新作の話題は少しネタ切れ。 なので 'ちょい古' を見てみた^ ^ 本作は美容室の週刊誌で広告を見たり、 知ってはいたが なぜか見逃していた。 今さら騒ぐこともない7年前の作品だが、 今見てもかなり面白かった。

タイトルは' i 'の点、 つまり仕上げはキスで決めろ、 みたいな意味だそうで、 日本語で言うなら 愛を'はらえ' か。 。 イギリスとスペインという気質の違う国、 イギリス海軍がスペインの無敵艦隊を破る、 に端を発するかのような この二国が絡んでいるのは、 偶然か狙いかはわからないが映画の味わいには大きく貢献していると言える。

マドリードでの過去を振り払うべくイギリスに逃れてきた女カルメンは、 この国で資産家の坊ちゃんと結婚することになる。 独身最後の夜を男が楽しむバチュラー・パーティの女版のようなヘン・パーティの席で、 居合わせた見知らぬ男ベルナルを選んでキスをかわす。

イギリス人の坊ちゃんは素敵な人だが何か物足りないと感じていたカルメンは、 ベルナル演じるこの南米出身の男にラテン系の血が騒ぐ。 それはやがて、 少し風変わりな三角関係へと発展するが、 無事結婚。 資産家にしては質素な式だなと思っていたが、 そこへベルナルが乗り込み 「卒業」 か?! だがすでに式は終わっていた。 。 遺産目当ての殺人にでも発展するのかと思いきや、 カルメンに愛されていないと知った坊ちゃんは あっさり自殺。 だが、 ここからが本番・・

ネタバレになりそうなので ここまでにするが、 ホームビデオ映像を取り入れた斬新なプロットの意欲作。 だがこれ以降、 監督に作品は続かなかったようで、 映画版一発屋か。 フィクションと現実が交錯する物語のなかで唯一真実があるとすれば、 それはスペイン女カルメンの気性の激しさだろう。 彼女がフランメコを踊るバーでは、 客がちょっと彼女の尻を撫でようものなら、 ビンタ。 カフェで待ち合わせをしたベルナルにツカツカと歩み寄るなり、 パンチ^ ^ だが、 そのときの赤いジャージ姿はカワイイ。 きっとこのビジュアルによってこの映画は、 自分のなかに記憶されることだろう。

彼女の腕には醜い火傷の跡があり、 それはマドリードの男が硫酸をかけたからとのこと。 彼女は言う。 情熱を燃やした代償がこの傷よ、 と。 そう、 情熱は報われるとは限らない。 そんなネガティブなセリフに微妙に共感しながらも、 ラストはもう一発くらい、 どんでん返しがあってもよかったかな。



dot the i ドット・ジ・アイ (2003イギリス・スペイン) 日本公開2004 
監督 マシュー・パークヒル 
ガエル・ガルシア・ベルナル ナタリア・ベルベケ ジェームズ・ダーシー 
トム・ハーディ チャーリー・コックス 
ドット・ジ・アイ [DVD][DVD]

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