4.08.2010

Boys, don't be ambitious. 「理想の彼氏」



ひさびさのラブコメになるかな、 でもこれが良くできてる! 可笑しいし、 素敵。 想像以上にお下品で、 NYらしくて、 でも女性像にも男性像にも新しい感覚がある。 にもかかわらず、 この邦題・・ 型にハマった古くさいバブリーなセンスで、 これを口に出しては話題にしたくないよ。 原題はザ・リバウンド。 ダイエットで痩せたけど元に戻った、 ということではなく、 反動で、 物のはずみ、 みたいなニュアンス。 配給元さん、 もっとセンスのある邦題求む。 何なら当方にオーダーしてくれ。 これよりは遥かにマシなの考えるから。

アラフォーのサンディは、 威圧的で浮気者の夫と別れ、 二人の子供を連れNYへ。 もう一度独身よ、 と友達からお見合いデートをさせられるが乗っていけない。 しばらく専業主婦であった彼女だが、 現実を見た就活は成功、 チャンスをつかんでいく。

かたや大卒ながらカフェでバイトをするアラムは、 アパートを紹介した流れでベビーシッターも引き受ける。 25才だが両親と同居するパラサイトな彼も就活を続けているが、 どこか野心に欠ける自分に気がついていた。

そんな二人はしだいにお互いを理解し、 接近してゆく。 歳の差には無頓着な彼らだったが、 まわりに冷やかされて意識してしまうこととなる。 子供のダーティな言葉も実は母親譲りか。 サンディはときに激しく魅力を放つ女性で、 ボクシング観戦ではヤジ飛ばしまくり、 小劇団の打ち上げパーティではマリファナを深く吸い込む^ ^ アラムは自分のなかに秘められていた '子供好き' に目覚め、 野心的ではないが自分なりの世界とのつきあい方を見つめ始める。 だが自分に素直で、 ある意味で進歩的な彼らが結ばれるには、 彼らを取り巻く状況が変わる、 あるいは自分たち自身のさらなる成長を見守る時間が必要だった・・

時は流れ、 ネズミの解剖が好きだった娘も成長して、 生物学で優秀な成績を収める。 (あのお茶目な少女がブルック・シールズ似になりすぎている気もするが) サンディはテレビのアンカーウーマンへと出世、 アラムはNPOの仕事でアフリカへ。 そして世界の片隅で二人は再会する。 二人と子供たち、 さらにアラムの両親までが^ ^ 自慢げに人工肛門の話をするアラムの父役をアート・ガーファンクルが、 不思議な存在感で好演。 こういうグッドバランスのラブコメは、 ありそうでなかなか ない。 お薦め!



理想の彼氏 THE REBOUND (2009) 公式サイト 象のロケット 
監督 バート・フレインドリッチ 
キャサリン・ゼタ=ジョーンズ ジャスティン・バーサ アート・ガーファンクル 

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