2.20.2010

Lo-Fiに響く歌声 「20世紀少年 最終章」



公開が終わって半年、 こうして見てみると、 やっと片づいてくれたな、 ぐらいにしか思わない。 原作は読んでいるが続きだから見ないわけにはいかないし、 結末はむしろ原作よりも詳しく描いてくれているので、 納得のいく作品となってはいる。 しかしながらわずか半年で大きく株価が下がるように、 いちおう見たという収穫しかなく 'お祭り映画' の空しさみたいなものだけが残る。

とにもかくにもビッグ・プロジェクトなので、 堤監督は重圧に耐えてよくやったとは思う。 しかしこの話ってけっきょく何だろうと考えたときに、 20世紀の、 というより昭和30〜40年代あたりの懐かしアイテムがROCKする!・・だろう。 だがそんなコンセプトが炸裂する瞬間がどれだけあっただろうか。

今回も "20th Century Boys" が流れて、 ケンヂがバイクで走ってくる。 ここはもっとカッコいいシーンになるはず。 あるいはあえてカッコ悪くするのなら、 それらしい演出があってもよさそう。 なのにどうも中途半端な感じ。 懐かしアイテムもそろそろ飽きたし、 世界の終わりにも それほど深刻なムードがなく、 全世界はほとんど関係なくて日本だけ、 東京だけがあり、 20世紀末の敗北だけが尾を引いて人々は意気消沈している。 そんな印象に支配される。

唯一、 個人的にグッときた部分があるとしたら、 足場を駆け上がって行くオッチョが手にしたラジオから、 ケンヂの歌が ひずんだトーンで響く。 デジタル時代の音響に反して、 古くさい音質のサウンドが新鮮だっただけかもしれないが、 まあ あそこだけだ。 ラストのクレジット後にも物語は続き、 最後の最後、 ケンヂに抱きつくカンナも可愛かったが、 しいてあげるほどでもないか。

高橋幸宏、 高嶋政伸、 田村淳などが新顔として登場。 参加することに意義がある、 みたいな出演ながら '祭りの終わり' 感を漂わせてくれる功労者だ。
関連エントリー » 第1章 第2章 

20世紀少年 -最終章- ぼくらの旗 (2009日本) 公式サイト 象のロケット 
監督 堤幸彦 原作 浦沢直樹 
唐沢寿明 豊川悦司 常盤貴子 香川照之 石塚英彦 宇梶剛士 宮迫博之 
平愛梨 神木隆之介 藤木直人 佐野史郎 森山未來 小池栄子 佐々木蔵之介 
高橋幸宏 高嶋政伸 田村淳 古田新太 石橋蓮司 黒木瞳 他多数 

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