10.18.2009

守れない父・・ 「狼の死刑宣告」



途中で、 見たことがあるなと思ったら、 2008年の4月に見てた。 こんな邦題が付く前のことだが、 あらためて日本公開の遅さを知る。 てっきりDVDスルーにでもなったのかと思っていたら、 今頃になって堂々の劇場公開。 どれだけ遅いのか確認したい方は こちら » IMDb
Release Date という項を見ると、 たいていの作品で日本が最後尾となっている。 字幕の時間が必要なんてウソだ。 ヨーロッパでも韓国でももっと早い。 遅れても2ヶ月がいいところだろう。 ところが日本では1年半遅れ。 さすがにこれだけ経つと、 別の映画かと思ってしまう。 これを2回見る時間があれば他の映画に割きたかったが、 だからといって面白くないわけではないので、 結局見てしまう。

息子が殺され、 復讐鬼となる父。 子供を持つ親にとっては最も恐ろしい設定だが、 淡々とクールに撮ってあるので、 あまり感情の振幅は激しくならない。 犯人はワルの一味で、 仲間入りのためのイニシエーションとして殺人が行われ、 餌食となったのは投資会社副社長の自慢の息子。 進路の話をした直後に息子は帰らぬ人となり、 犯人は証拠不十分で大した刑にはならないことに苛立つ父。 倉庫から錆びたナイフを持ち出して敵陣に乗り込むが、 こんな中途半端なやり方では復讐はかなわないどころか、 逆に相手から '死刑宣告' を受けることとなる。

ケビン・ベーコンは頭を丸めたり かなり頑張ってるが、 わびしさは漂わせても殺気までは感じない。 最後にショットガンを持って乗り込んでいくあたりは 「タクシードライバー」 を彷彿とさせるが、 あそこまでの迫力はない。 原作は 「狼よさらば」 のガーフィールド。 実は殺された息子の下に、 もう一人 息子がいるのだが、 父はこれまであまり気にかけてこなかった。 下の息子は母親似の芸術家肌で、 ホッケーでナンバーワンの兄とは違う。 このあたりの微妙な確執は、 単なる復讐劇で終わらせない微妙な上手さはあるが、 映画を見る限り描き切れてはいない。 やはり古い原作だなと思えるところもあり、 ましてやこれだけ遅れての日本公開では、 どことなくビントのボケた唐突な復讐劇を見せられた気がする。

では、 どこが見どころかというと、 意外にダイ・ハードなベーコン父さんと、 ワル一味にも父親がいて、 ジョン・グッドマン演じるこの男とベーコンが対面するシーンだろうか。 マジメなベーコン父さんは家族を守れなかったのに、 ワル親父は守っているとも言える皮肉な対面だ。 70年代の渋い復讐劇を観る秋か。 。 守れる父なら こちら^ ^



狼の死刑宣告 Death Sentence (2007) 10/10〜 公式サイト&予告 
監督 ジェームズ・ワン 原作 ブライアン・ガーフィールド 
ケビン・ベーコン ケリー・プレストン ジョン・グッドマン 
狼の死刑宣告 [DVD][DVD]

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