7.11.2009

死んだらわかるわ 「悪霊の棲む館」



その昔、 子供の間では心霊写真やUFOが流行ったものだ。 海外の心霊写真として、 螺旋階段を歩くボンヤリした人影や エクトプラズムを口から出す霊媒の写真なんかを見かけたが、 トリックであったとしてもそのテイストは不気味だった。 人の顔写真を並べて、 この中ですでに死んでいるのは誰でしょう、 なんて微妙なクイズもあった。

古くさい、 埋没してしまうセンスの邦題がついた本作ではあるが、 原題は "心霊研究家の死" と訳せばいいだろうか、 多少は興味をそそるが、 中身はやはり、 そうした昔の不気味な気分を思い出させる古いタッチのホラー。 NYホラー映画祭で脚本賞を取っているらしいが、 今風な怖がらせ方は皆無。 非常に地味で、 ある意味 真面目な作品だ。 昨日の 「オカルト」 よりは真にオカルト的な内容と言える。

1982年アリゾナ州マスターソン邸で一家惨殺事件が起きる。 マスターソン邸は現在でも、 アメリカでは有名な幽霊屋敷らしい。 事件から20年の歳月を経ても不可解な現象が起きるというので、 ゴーストハンターと呼ばれる心霊研究家に調査が依頼される。 調査費は5,000ドルだそうだが、 温度計や磁気計を用いた科学的な調査が行われ、 決して何でもかんでもゴーストのせいにしてしまおうというのではないようだ。 しかしタイトルからもネタバレしている通り、 調査の過程で彼女は死んでしまう。

心霊研究家は生前、 "死後の世界はあるか?" というライターの質問に対し "それは死んだらわかるわ" などと極論で返すが、 早々と実現することとなる。 心霊研究家の死は本編のラストではなく、 もっと早い段階で訪れる。 その後の物語の中で彼女は、 幽霊としてカメラに語りかけることとなる。

ドキュメンタリー風になってはいるが、 いわゆるフェイクドキュメンタリーではなく、 「REC」「ザ・クアランティン」 のような赤外線映像は出てくるが、 幽霊の表現も地味で、 フィルターか何かで ぼかしている程度の超ローテク。 しかしながら、 その場所に囚われてしまった存在は永遠に救われることはなく、 悲劇を繰り返すという結論はやはり不気味で、 教会が捧げた祈りも役には立たなかったという一文を残して映画は終わる。



悪霊の棲む館 Death of a Ghost Hunter (2007) 日本未公開 
監督 ショーン・トレッタ 
パティ・ティンドール マイク・マーシュ ダヴィーナ・ジョイ リンジー・ペイジ 
悪霊の棲む館 [DVD][DVD]

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