4.24.2009
靴音 「トウキョウソナタ」
「ドレミファ娘の血は騒ぐ」 (1985) 以降、 世間の評価が上がるにつれて、 自分的にはスルーだった黒沢清。 ホラーの人というようなカラーもついているようだが、 そんな印象すらない。 自分にとってはあくまで、 ドレミファ娘の監督なのだ。 それだけ強烈な作品だったわけだが、 今回のソナタは奇しくも同じ音楽のファクターをタイトルにしているからということもないだろうが、 異質な感触とともに、 近年の同監督作品のなかではひときわ印象深いものだった。
脚本のマックス・マーラ・・ じゃなかったマックス・マニックスというのは何者なんだろう。 明日公開の 「レイン・フォール」 ではメガホンを取っているらしいが、 とりあえず日本人ではないのだろう^ ^ しかし日本の状況にも詳しいように見受けられるし、 かといって日本人が書かない雰囲気の突っ走り方もする。
リストラされた父、 運転免許を取って悦に入る母。 そして米軍に志願する兄・・ このへん走ってるな^ ^ ピアノの先生に憧れて始めたレッスンなのに、 才能を見出されてしまう弟。 家族の崩壊、 あるいは個人の社会からの疎外感を描くというより、 演じようとしていた役割が筋書きの変更によって再考を余儀なくされた状況を描いていると言えるかもしれない。
"目が覚めて別人だったら どんなにいいいだろう" "救命ボートは行ってしまったんだよ" ・・ こんなセリフに現れるストレートさは、 やはり邦画のセンスとは違う。 人生 何度でもやり直しできる、 などと簡単に励ます物語でもなく、 父と母は息子のピアノに静かに涙して終わる。 そしてクレジットロールの後ろで鳴る靴音は何を意味するのだろうか。 新鮮な味わいの映画だ。 弟役の少年も印象的。
トウキョウソナタ (2008日本・オランダ・香港) 公式サイト&トレーラー
監督 黒沢清 脚本 マックス・マニックス 他
香川照之 小泉今日子 小柳友 井之脇海 井川遥 役所広司
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2 コメント:
こんばんは!^^
ご無沙汰しております。
もうGWに入っちゃったかな??
黒沢作品は最近とんとご無沙汰です。私は黒沢作品のホラー作品というかジャンルに関係なくホラーを感じさせる作品が好きだったのですが、一方でなんとなく気になるところがあったのも確かで、それが「叫」を観た時にはっきりわかった気がして、それ以来はあまり追わなくなってしまいました。
紹介頂いた作品にこそ黒沢作品の本質があるのでしょうね。落ち着いたら、久々に観てみようかな^^
これまで色々とありがとうございました。今日で終わりとなります。でも永遠に終わりのつもりはありませんので、また戻った時にはお相手お願いしますね♪
kiona様のご健康とご活躍をお祈りして、ガツーンと応援いっときまーす♪凸
>umetraman さん
コメントありがとうございます!!
そうですか、明日から小休止に入ってしまうのですね。
こちらはGWに入っていますが、世間とは逆に忙しくなってしまうサガなのです。 つまりGW前に仕込まれて、じゃ、やっといてね、GW明けに見せてもらいます・・ という調子^ ^
それでも1本見たんですが、まだアップできてない状況です。 それがまた、よりによって表現の難しい映画で・・^ ^ 邦画で天願大介監督なのですが、追っつけアップします〜 落ち着きましたら覗いてやってください。
応援ありがとうございます。
健康には気をつけながらも大ジョッキ2杯いってしまいました^ ^
umetraman さんもお体、あるいは精神に気を配られ、時期が訪れましたら戻ってきてください。 その時はぜひペンネームを "帰ってきた umetraman" でよろしくお願いします〜^ ^
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