3.07.2009

心の室外機が回る 「パコと魔法の絵本」



中島監督でファンタジー? それなりに期待もあったが、 こんなもんか。 。 素晴らしい、 泣いた、 との評判に反してほとんど何にも感じなかったなあ。 「下妻物語」 も 「嫌われ松子の一生」 も大好きなんだけどね。

始まってしばらくしたら、 何となく わかってしまった。 ヘンテコキャラの一人、 二人が登場し初めてアップになる瞬間、 こちらが注目するとそいつは上を見たり、 横を向いたりしてしまっているのだ。 よく見えないよ、 外してない? にもかかわらずオーバーアクトで物語は進んでいく。 あ、 乗ってけない・・ そう感じてからは微妙な反感だけが渦を巻き、 くすぶり続け、 どんな登場人物もセリフも上滑り。 この色もウザイ。

屈託のないパコと大貫の変化はいいとも思うが、 それ以上 特別なものは感じない。 みんな、 こんなのをいいって言ってたんだと。 。 たくさん映画を見ても、 世間とのズレは埋められないようだ。 ああ、 心の室外機が回る・・

パコと魔法の絵本 (2008日本) 公式サイト&予告編 
監督 中島哲也 原作 後藤ひろひと 舞台 「ミッドサマーキャロル」 
役所広司 アヤカ・ウィルソン 妻夫木聡 土屋アンナ 阿部サダヲ 
加瀬亮 小池栄子 劇団ひとり 木村カエラ 

勝手にしやがれ 「たみおのしあわせ」



細部の作り方はそれなりに上手いんだろう。 微妙な映画だなと思いつつサーチもできず、 けっこうしっかりつきあって見てきたのに、 最後にあれはないだろう。 「卒業」 のパロディかい。 パロディか引用か知らないが、 とにかく気持ち悪い。 他にも小林薫の存在は 「うつせみ」 か・・ あんな忍者のような設定が必要なのか。 思いつくままに取り入れてるだけなのか。 。 結局たみおは何してる人で、 どういうキャラかも わからずじまい。 瞳さんもようするにファザコンってこと? で結末はマザコン? ・・ コメディでもニヒリズムでも何でもいいけど、 岩松さんの次回作に出会うことがあったら間違いなくパスさせてもらうよ。 じゃあ。

たみおのしあわせ (2008日本) オフィシャルサイト&トレーラー 
監督 岩松了 音楽 勝手にしやがれ 
オダギリジョー 麻生久美子 小林薫 大竹しのぶ 石田えり 原田芳雄 
たみおのしあわせ [DVD][DVD]

 HOT CHILI PAPER PLUS 10 ~悲夢(ヒム)オフィシャルガイドブック~ (ホット・チリ・ペーパープラス) SWITCH vol.27 No.1(スイッチ2009年1月号)特集:オダギリジョー[新しい自分の愛し方] Rolling Stone (ローリング・ストーン) 日本版 2009年 02月号 [雑誌] マドリDEエンタテインメント Variety Japan (バラエティ・ジャパン)

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3.05.2009

一にも二にも綾瀬はるか 「ICHI」



allcinemaの評なんか読むとさんざんに言われてるようだが、 もっとヒドイのもいっぱいあるじゃない。 意外によかったよ。

確かにシナリオはね。 一番の見せ場がなぜ市じゃないのか、 それは誰もが疑問に思うはず。 一体なぜ?^ ^ その他、 ようするにファザコンかよ、 とか言い出せばキリがないが、 別によくできたシナリオだけを期待してるわけじゃないので、 逆にハラハラさせてもらったことだし許そう。 ほんと何斬るかわかんないね。 大沢たかおも悪くない。

女座頭市という発想にもとくに驚かないが、 何よりも綾瀬はるか! 彼女をキャスティングした時点でもうOKなのだ^ ^ 凛々しい表情、 その佇まいから逆手を抜く瞬間、 これだけでいい。 立ち回りの映像表現も、 音楽も、 想像どおりだけどいい感じ。 悪役もマンガ的でいいし、 どこか爽やかだよね。 これはもう黒澤を超えたか・・

なぜ今日はこんなに甘いのか自分でも不思議だけど、 世間が悪く言うほどに逆らってみたくなる性分で。 。 でもけっして皮肉を言ってるわけではないし、 ペイドパブでもないので、 あとは見て、 確かめてちょんまげ。


ICHI (2008日本) 公式サイト&予告編 
監督 曽利文彦 音楽 リサ・ジェラルド+マイケル・エドワーズ 
綾瀬はるか 大沢たかお 窪塚洋介 柄本明 竹内力 中村獅童 

just do it? 「13日の金曜日」



ちょっと時間経っちゃったけど、 いちおう書いとくか。 書くこともあまりないが。 。

ヒット作ではあるが自分はあまり好きではなかったこのシリーズ。 なぜ好きじゃないのか自分でもよくわからないが、 たぶん一般向けすぎてつまんない〜ということだったように思う。 このリメイクもどうせオチャらけたノリの・・ と思っていたら、 ヘンに真面目、 硬派^ ^ 殺戮は微妙にリアルだし、 最初はホッケーのマスクをつけずにアレと思わせてみたり。 意外にわかってる監督かもしれない。 ふと名作 「悪魔のいけにえ」 を見ている気分にさえなった。

だからと言って新しい要素があるわけでもなし、 オーセンティックなリメイクでもいいが、 なぜ今この作品の?という疑問で終わる。 全世界ほぼ同時公開はよし、 でもほら、 やっぱ盛り上がらないじゃない^ ^ ホッケーマスクにナイキのマークでも入れてくれれば笑えたんだが。 。

13日の金曜日 Friday The 13th (2009) リメイク
監督 マーカス・ニスペル  公式サイト&トレーラー 
アマンダ・リゲッティ ジャレッド・パダレッキ ダニエル・パナベイカー 

3.03.2009

ヴィンテージ男 「グラン・トリノ」



イーストウッドはなぜ撮り急ぐのだろう。 思いつく限りの企画をいま乱射しなければ後がないかのように。 そしてそれは乱射ではなく、 無理やりにでも的に当ててくる。 さらに本作は俳優としての自らのフィナーレを自ら演出するかのごとく、 朝鮮戦争の老兵をスクリーンに葬送する。

うわっ、 カッコつけたイントロで自分でも書いてて照れるが、 そんな感じの映画ではある。 見終わっても、 酔ってみたい自分と覚めてみたい自分が宙ぶらりんのまま。 どうしたらいいんだろうね、 すでに世界中で絶賛、 悪く言う者はいない。 でも何か引っかかる・・ それが何かはわからまま、 とりあえずその夜、 血だらけで戻ったスーを見てグラスを落とすところはNGだな。 グラスを握りつぶさなくては。 だが憎らしいかな、 それくらしか文句のつけようがない。

長年連れ添った妻に先立たれるところから映画は始まる。 息子や孫たちからは偏屈じじいと嫌われ、 住み慣れた街にはいつしか東洋系の住民が増える。 ある日、 じいさんの最大の遺産となるであろうヴィンテージカー グラン・トリノが盗難未遂にあう。 犯人は隣に住む少年だったが、 彼を仲間に引き入れようとするギャングを追っ払ったことから、 少年やその家族との交流が生まれる。 しかし、 まっとうに生きようとする者の足元をすくうギャングの執拗さに、奴らがいる限り少年たちの幸せはないと悟ったじいさんは・・

東洋系として登場するのは Hmong モン族/ミャオ族 と呼ばれる中国の少数民族で、 偏屈じいさんのシンパシーの対象として微妙な取り入れ方をしているなあと思う。 じいさんは言う。 "実の子供や孫より わかりあえるなんて"

銃を手にしたイーストウッドはやはりサマになる。 にもかかわらず、 これは懺悔の物語であり、 自己反省するアメリカを象徴するトレンド奔流の作品となっている。 男の会話を教えてやると言って少年に叩き込むのは、 挨拶代わりに罵り合うような言葉の応酬。 このあたりはネイティブでないとやはり難しい。 概要はわかるがピンと来ないのだ。 じいさんは少数民族の少年のみならず、 新米の牧師にも生と死を教える。 GW公開。


グラン・トリノ GRAN TORINO (2008アメリカ・オーストラリア) 日本公開 4/25
監督・主演 クリント・イーストウッド  オフィシャルサイト&予告編 
ビー・ヴァン アーニー・ハー ジョン・キャロル・リンチ 
グラン・トリノ [DVD][DVD]

 ザ・バンク 堕ちた巨像 コレクターズ・エディション [DVD] チェンジリング [DVD] 新宿インシデント [DVD] フロスト×ニクソン [DVD] パッセンジャーズ 特別版 [DVD]

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3.02.2009

Fuck you, the horse you rode in on! 「チェンジリング」



同名のホラー映画があったのだが、 そのときにこの不気味な言葉を覚えた。 チェンジリング・・ "取替え子" などと訳されているようだが、 子供が行方不明になったあと帰ってくる、 だが、 それは別の生き物。 子供を持つ身としては、 そんな言葉が存在すること自体恐ろしい。 日本語では "神隠し" なんかがニュアンス的には近いのかな。

時代は1920年代末から1930年代で、 冒頭には "実話" と銘打たれている。 実話に基づく、 ではなく・・

イーストウッド作品は実はあまり好みではないが、 企画力や音楽までやるところは なかなか。 今回もよく見つけてきたなという実話の事件だが、 やや盛り込みすぎで、 子供を失った母の悲しみ、 警察の腐敗、 社会運動と宗教、 死刑問題と、 ともすればポイントが分散する。 アンジーは非常に論理的な演技をしている。 たとえば口に当てる手、 帽子の影の視線・・

警察や医者の横暴さにはムカムカさせられるが、 そこで炸裂するのがこのセリフ 'Fuck you and the horse you rode in on!' だが、 なぜか 'バカヤロー!' ほど効いてこない。 マルコビッチ扮する牧師が精神病院に乗り込んでくるあたりはカッコイイが、 映画全体を通しての彼の存在感はいまいち薄く、 最後は犯人を死刑にしてもスッキリせず。 。 普通だったらこのへんでエンドマークが出そうだが、 ふと時間を確認するとまだ30分以上ある。 これは意外な展開があるのかと読んだのに・・

2時間20分のサスペンス持続はさすがだが、 結局は被害者を特定する技術のなかった時代ゆえの悲劇、 ということにもなってしまう。 劇中にも出てくるアカデミー賞はノミネートだけで終わってしまったようだが、 印象的なのは、 30年代にもこれだけ女性の社会進出はあったのだと認識を新たにする、 この母の電話会社での勤務ぶり。 そもそも彼女は あの時代では珍しかったシングルマザーなのだが、 ローラースケートを履いて職場を忙しく動き回るのだ。 ジョリーの帽子姿やクラシックなメイクも素敵。


チェンジリング CHANGELING (2008) 日本公開2009.2.20〜
監督・音楽 クリント・イーストウッド  公式サイト&トレーラー 
アンジェリーナ・ジョリー ジョン・マルコビッチ マイケル・ケリー 
チェンジリング [DVD][DVD]

 ワルキューレ プレミアム・エディション [DVD] ベンジャミン・バトン 数奇な人生 特別版(2枚組) [DVD] オーストラリア [DVD] ベッドタイム・ストーリー [DVD] ミラーズ (完全版) [DVD]

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