1.29.2014

フラットデザインな映画 「オール・イズ・ロスト」



この映画を画像検索するとシワシワのレッドフォードの顔とともになぜか、 胸元ギリギリのドレスに身を包むイリーナ・シェイクやらオレンジのシャドーで投げキッスをするバーバラ・パルヴィンが出てくるのだが^ ^ カンヌのプレミアということか・・ まあ、 それはさておき、 ジイさんの域に達しているレッドフォードが老体に鞭打って演じる漂流者がなかなか素敵。

中国の貨物船の落とし物と思われるコンテナにヨットをぶつけ、 船体に穴を開けてしまう。 男はそれでも接着剤やらビニールで応急措置をし、 手動で排水して何とかヨットを立て直す。 しかし無線は壊れ、 食料も水も余裕がないところ、 行く先には暗雲が。 ヨットは転覆し、 マストが折れ、 やれやれという表情で救命ボートを引っ張りだす。

登場人物はレッドフォード一人で fuckぐらいしかセリフもなく、 訪れる災難に “何でこんな目に” と思いながらも、 できうる限りの対処をする。 だが、 そんな男の的確なサバイバルをあざ笑うかのように次々と苦難は訪れる。 特定の実話がベースになっているわけでもないようだが、 細部にはリアリティがあふれ、 表情とジェスチャーだけで演技するレッドフォードが味わい深い。

救命ボートで大海原を漂い、サバイバルグッズを傍らに極めてシリアスな状況にあるにもかかわらず、 どこかペーソス漂う漂流者、 目を覚ますと目の前に大きな船が。 しかし発煙筒を焚いても気づかれず。 そろそろ年貢の納め時かと元妻?に宛てて手紙を書き、 瓶に封入して海に流す。 すべては失われた、 君への愛だけが僕の人生だった・・ すべてを失っても最後のあがきだけは失わず、 果たしてこのまま海の藻屑と消えるか、 それとも。

ゼロ・グラビティ」 といい、 このところ、 こうした登場状人物の少ない、 シンプルなプロットの映画を目にするが、 映画もフラットデザイン化しつつあるのかもしれない。 一旦、 余分なものを捨ててみるというマイナスの発想はいい傾向ではないかな。 3Dとフラット、 両極に振れる映画の一方の極みのような映画。 乞うご期待!


オール・イズ・ロスト 最後の手紙
All Is Lost (2013) 日本公開2014.3月予定
監督 J・C・チャンダー 
ロバート・レッドフォード 

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