
ダーコ・エンタテイメントから現れたホラー・コメディは、 ユルいギャグと細かいネタが散りばめられた、 かといって悪ノリしない程度にどこか落ち着いた作品だ。 悪魔憑きという究極の非日常をモチーフにしながら、 どこまでもカジュアルで日常的な気分に何らかの風刺性を感じなくなくもないが、 とりあえず過不足なく笑える映画ではある。
ストーリー的にはお腹の赤ちゃんに悪魔が取り憑いて、 いろんなことが起こるというだけだが、 ギャグにはオリジナリティを感じる。 例えば相手をなじるのに適当な名前で呼ぶ、 というのがあるが、 それのエスカレート型が自分的には受けた。 警官二人が尋問に来て、 モーツァルトから始まりレンゾ・ピアノ、 グレゴリー・ハインズまで、 本人もよく知らない名前を出して相手をからかう。 関連性の破綻した名前の上げ方が妙に良くて、 使ってみたいギャグだ^ ^
あとPo-Boyとかいうメキシカンフードの店が超美味いというだけのシーンもかなり破壊的だし、 ヘビースモーカーの牧師たちが部屋に踏み込むギリギリまで吸って、 あわただしく消すときのディテールとか、 他にもさまざまなパロディが楽しめる。 リキ・リンドホームのフルヌードもあり。
とくにドラマチックな展開、 あるいは人生の教訓などはないが、 コトが一段落してどうしよう、 というときに勝手に居候しているフレズネルが言う。 Now we go on about that crazy little thing called livin'. (とりあえず生活とやらを続けようや) ・・ある種の人生讃歌だろうか、 しかしまあ、 そうする以外にないとも言える。 日本公開はあるのか、 さらっとスルーか、 いつかどこかで乞うご期待。




ヘル・ベイビー(原題) Hell Baby (2013) 日本公開未定
脚本・監督・出演 (as 二人の牧師) ロバート・ベン・ガラント
ロブ・コードリー レスリー・ビブ キーガン・マイケル・キー リキ・リンドホーム
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