2.24.2013
青春 '参加' 「ウォールフラワー」
「JUNO」 の製作会社に原作をピックアップされ、 脚本・監督までを原作者自らが担当。 俺にやらせろ、 でないと映画化権は渡さないとでも言ったのかな。 しかしキャストに助けられてるとは言え、 文句のつけどころもなく こなしている。
時代は、 音楽を聴くのにカセットテープが主流であった頃。 選曲を凝らした mixed tape を彼女や彼にあげたり。 文科系落ちこぼれの三人は、 カーラジオでボウイの "Heroes" を聞く。 その時点ではそれが誰の何という曲か知らないまま、 タイタニックポーズで夜を疾走し、 一瞬を永遠に変える。
"ウォールフラワー" とは '壁の花' だが、 辞書によるとダンスパーティなどにパートナーを同伴しないで来る者のことを言うらしい。 そう言えば昔のディスコは同伴でなければ入れなかったなあ、 などと関係のないことに思いを巡らす。 目立たない存在、 というニュアンスでもあり、 原題は '壁の花だっていいことあるさ' くらいの雰囲気か。 自殺した親友に綴る手紙として物語は語られ、 幼い頃のフラッシュバックがときおり入るが、 それらを問題意識を持って取り上げるというより、 ありがちな心の傷の一つとしてさらっと取り込んだ今風の青春物語と言える。
ロッキー・ホラー・ショーなども出てくるが、 時代色はさほど濃くなく、 ゲイが問題になって初めて、 ああ、 そうかと思う。 さらにドラッグネタになると、 さすがに進んでたんだなと。 作家志望のチャーリーが "好きなバンドは?" と聞かれて "ザ・スミス" と答えるあたりがコレなどともシンクロする。 80年代に十代だった暗めのアメリカ人と言えばやはりスミスなんだと。 しかし写真で見る限り監督/原作者はかなり明るそう^ ^
エマ・ワトソンも 'まつじゅん' 似のエズラ・ミラーもグッドキャスティングに思うし、 Dexys Midnight Runners "Come On Eileen" を含むサウンドトラックも充実しているが、 トレンディドラマとしては上質、 しかしそれ以上でも以下でもないという感想となった。 ハマれる人はハマれるのだろう。 乞うご期待。
ウォールフラワー the perks of being a wallflower (2012) 日本公開2013.11.22
原作・脚本・監督 スティーブン・チョボウスキー
ローガン・ラーマン エマ・ワトソン エズラ・ミラー
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