
映画祭などではけっこう評判のようで、 いわゆるフェイクドキュメンタリーによる低予算ホラー作品ながら、 ファイク感覚を一歩押し進めたところが売り。
写真は魂を抜き取る、 的なバルザックの引用テロップで始まり、 カップルと男の友人一名、 計3名がドライブ旅行。 友人は例によって、 嫌がられながらも常にビデオを回している。 立ち寄ったコンビニ店員の顔に、 不思議なスキュー歪みが発生している。 その直後、 店員は強盗に殺される。 バスツアーのご一行様を撮影すると、 全員の顔がおかしなことになっている。 その後、 バスは事故に。 ときどき入るビデオのスクラッチノイズがさらなる期待感を煽る。
3名は実は三角関係にあるようだが、 それ以外にストーリーらしいものはなく、 撮影者はカメラを通して心霊現象らしきものを体験するが、 再生してみると写っていない。 そういう意味ではドキュメンタリーではなく、 不思議な現象も不気味な姿も撮影者の頭のなかの映像ということだ。 後でエフェクトを加えるだけの安上がりな内容にもかかわらず、 昔の心霊本で "この中ですでに死んでいるのは誰?" 的な不気味さがあふれる。 車と同じスピードで走る人影もナイス。
撮影者は自分が被写体となることを必要以上に拒否するので、 何かあるのかとも思ったが、 バルザックの迷信に関連しているだけのことかもしれない。 ラスト、 元カノを撮影した部分までテープを巻き戻す。 ビデオには歪みは写っていないが、 撮影者の "ヘンだな" というセリフが録音されていることから、 スキューが起きていることが推測される。 そして、 これまで一切登場することのなかった撮影者の顔が、 一瞬ミラーに移り込んでいるところへコマ送り。 青白い以外におかしな点はないが、 歪みは記録されないので、 恐らくは・・ 軽くゾーッとできる作品^ ^ 乞うご期待!
(追記2013.2.3) わかりやすいが幾分幼稚な邦題となって公開決定。


デスカメラ Skew (2012) 日本公開2013.2/16
監督 セベ・シュレンツ
リチャード・オラク アンバー・ルイス
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