6.01.2012

梅雨空 「ミヒャエル」




東京国際映画祭に出品されていたらしいが未チェックで、 ふとトレイラーを見ると面白そう。 ドイツ語読みでミヒャエルという名前は役者の名前でもあるが、 同名のハネケを彷彿とさせる作風で、 端的に言うとヤな映画^ ^

頭頂部が少し薄くなった男が帰宅。 ドアを空けるとなぜか防音加工。 夕食を調理し二人分配膳、 そして厳重にロックされた扉を開ける。

夕食は息子らしき少年と二人で。 少年は寂しげに "テレビを見てもいい?" と聞くが "9時までだぞ" と答える厳格な父。 父はなぜか洗面台でチン●を洗う。 そして翌朝、 爽やかに出勤してゆく。 息子は一人でインスタント食品を食べる。

学校には行かないのか? なぜロックを? と考えて、 そうかと気づく。 しかし大人しくしていると、 褒美に動物園へ連れて行ってもらえたりする。

男は姉らしき人とカフェで会い、 クリスマスは一人で過ごすよ、 ドイツの彼女とは月に2回くらい会う、 などと話す。 やはり妻帯者ではないようだ。 会社では昇格の話がある。

みたいな感じで、 まじめな昼の顔、 その裏に隠された夜の生活が淡々と描写される。 ムダのないカットと編集。 音楽はなぜか70年代のディスコミュージックが。

寂しそうな少年を思いやってか、 兄弟を作ってやろうとゴーカートへ出かけるが失敗。 近所のおばさんが迷いネコのチラシを配っている。 男が持ち帰ったそのチラシを見て号泣する少年。 しかしそんな状況も長くは続かなかった。 やがて・・

子どものある身としては穏やかな内容ではないが、 映画は非常に穏やかで、 それゆえにこの世界の予定調和を切り裂くポテンシャルを秘めている。 エントリーはしなかったがちょうど昨日 「リアル・スティール」 を見ただけに、 よけいにヘンな感覚に陥る。 一般公開があれば、 乞うご期待。



ミヒャエル MICHAEL (2011オーストリア) 日本未公開 
監督 マルクス・シュラインツァー 
ミヒャエル・フイト 

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