3.11.2012
一緒に乗れなかった観覧車 LIKE CRAZY
なぜかラブストーリー・モードに入っておりますが。 。 春だから?^ ^ サンダンス審査員賞を獲得しているこの作品は、 トレーラーで見る限り '珠玉の' を期待させる王道のラブストーリーのよう。 実際に 「ある愛の詩」 や 「男と女」 を連想させる雰囲気が導入部には用意され、 展開は 「ジェレミー」 のように。 しかし最終的には、 燃える愛の炎を育てようと、 水やりを欠かささずにやっているような、 皮肉な運命に翻弄される苦い恋の物語。 レギュラーコーヒーを煮詰めてエスプレッソにしたような。 。
LAで、 家具デザイナーの卵とロンドンから来たライターの卵。 学生生活の最後に二人は出会い、 一気に愛を燃え上がらせる。 彼女のビザ切れで一時帰国のはずが、 彼に会いたくてビザの再承認を待たずに とんぼ返り。 これが思わぬ重い結果となり、 彼女は強制送還、 入国禁止の措置がなかなか撤回されないこととなる。
彼女に会いにロンドンを訪れた彼は、 LAとは違う空気のなかで疎外感を覚え、 二人は距離と法律に引き裂かれる。 会いたい、 会えない、 忘れよう、 忘れられない・・ そんな葛藤がラスト間際まで。 最後には結婚という手法でこの状況を変えようとするが・・
彼女が留学生であった頃、 彼女の部屋を訪れた彼は、 その椅子の座り心地の悪さを気にかけ、 手製の質素な椅子をプレゼントする。 それは見かけに反してとても座り心地がよかった。 彼を忘れようとロンドンでつきあった男は、 ある日その粗末な椅子の代わりにとスタイリッシュな椅子をプレゼントするが、 皮肉にもこのことは彼女に、 彼への決意をあらたにさせる。
彼女はふたたび LAの空港に降り立つ。 その開放的な空気と、 そこにいる彼。 二人は彼の工房でシャワーを浴びるが、 やっとたどり着けたという思いと、 妙な醒めが渾然一体となったまま END. ずっと欲しかったものが手に入ったときの空しさのように。 '珠玉の' と言うにはドライな感情の貼り付く作品だが、 翻弄されてみるのも悪くない。
今日、 キミに会えたら LIKE CRAZY (2011) 日本未公開
監督 デレク・ドレマス
アントン・イェルチン フェリシティ・ジョーンズ
ジェニファー・ローレンス チャーリー・ビューリー
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