3.12.2012

マックスな一日を IF ONLY



春先のちょっぴりラブモード・・ 本日三日目はこの作品を。 新作ではないのだが、 日本では公開もDVDスルーもされていない。 IMDbでは7ポイントをマークする良作だし、 テーマも 'どメジャー' なのに不思議なめぐりあわせだ。 スネた映画の見方しかできなくなった自分が見てもグッとくるのに、 もったいないことだ。 きれいな英語なので、 無理してでも味わいたい人は英語の教材用としても輸入盤でぜひどうぞ。

お話自体はタイムスリップものというか、 夢予知ものというか、 いまとなっては目新しくもないが、 比重はそうしたSciFi的なディテールにはなく、 また先のことがわかっても流れは変えられず。 今日一日しか人生が残されていないとしたら、 という仮定のもと、 完全燃焼する愛が描かれる。 昨日に続き観覧車は出てくるし (こちらは一緒に乗る) またしてもイギリス人とアメリカ人のカップルではある。

オハイオ出身のバイオリニリストの卵であるサマンサは、 ロンドンの音大での3年間を経て今夜が卒業コンサート、 その後は一旦帰国する予定。 イアンはロンドン郊外出身の会社員で今日も会議、 プレゼンと忙しい。 彼女を想ってはいるものの、 自分のことでいっぱいいっぱい。 両親に会ってほしいとの彼女の希望も聞き入れられない。 コンサートの後、 ケンカ別れしてタクシーに乗り込んだ彼女は、 あえなく事故でこの世を去る。

泣き濡れたイアンがふと目を覚ますと、 朝。 なぜか日付は昨日のまま。 隣には死んだはずの彼女が・・ 夢だったのか時間が戻ったのか、 そしてやはり既知の通りに物事は進む。 少し変化を加えてもけっきょく同じ結末が訪れる。 それでもなんとか事故を回避しようとあれこれ企てるが、 そのことは結果的に、 ただ全力で彼女を愛するという行動となり 「君がいなければ僕は愛を知らなかった、 残された時間が50年でも5分でも同じこと」 とのセリフで最後の瞬間を迎えることとなる。

その一日で、 近いのに帰っていなかった故郷に彼女を案内し、 雨の中を二人で走り、 観覧車を恐がっていた彼女に素晴らしい夜景を見せ、 発表することをためらっていた彼女の自作の曲をコンサートで歌わせる。 暖炉の前で二人きりの時間を過ごし、 彼女の好きなレストランでは、 あげられるものすべてをあげる。

今日が最後と思えば恐いものはない。 先送りもない。 わかっていても実践できないテーゼも、 こんな映画を観たならしばらくは本気で実行できるかもしれない。 願わくば乞う、 日本版リリース。




IF ONLY (2004アメリカ・イギリス) 日本未公開
監督 ジル・ジュンガー 
ジェニファー・ラヴ・ヒューイット ポール・ニコルズ トム・ウィルキンソン 

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