この映画、 かなり前に噂を聞いて注目していた。 ところが日本公開の情報もないどころか、 サンダンス映画祭に登場したっきりアメリカでもDVDスルーされた?もよう。 取り上げられるのは仮想世界 "セカンドライフ"。 一時期は広告媒体としても持てはやされたセカンドライフだが、 現在は盛り下がってるということかもしれない。 しかし勝手に持てはやしたり盛り下げたりするのも世間のほうであって、その世界の住人にとっては どうでもいい話だろう。
自分はその世界の住人ではないが、 見たい度の高い作品だった。 "セカンドライフで作られた" みたいに聞いていたのに そういうプロジェクトではなく、 何人かのセカンドライフにハマった人たちを追った純然たるドキュメンタリー作品だ。 登場するのは・・
セカンドライフで恋に落ち、 リアルライフではともに所帯持ちであったのに、 それを捨てて恋を現実化しようとする二人。 なんとなく始めたセカンドライフで、 欲しいファッションアイテムがあったがお金がなかったので自分で作り、 今ではこのバーチャル世界にブランドを持って6桁を稼ぐという人。 リアルライフではフィアンセもいる男、 何を思ったか 少女のアバターを精密に作成、 チェックのスカートにネコ耳姿で空を飛ぶ・・ そんな人たちが出てくる。
後半ではその顛末が描かれる。 恋の相手はアバターとのギャップもなく、 運命の人に思えたのに、 それすら仮の姿だったり。 システムのフリーズは収入に直結し、 さらには著作権問題を現実の法廷で争う。 現実の生活も健康もそっちのけで没頭する男に愛想をつかすフィアンセ、 切りをつけようと男のアバターである少女は銃を乱射し、 サテライトボムで自殺を図る。
恐らく、 その世界の住人には大して面白くもない話だろう。 しかしテクノロジーによって創出された第二の人生に本当の自分を見出し、 どこへ行き着くかもわからない世界と真剣に向き合う彼、 彼女らには何らかの感銘を覚える。 それはすでに人生の一部なのだ。
運営会社であるリンデンラボのCEOは語る。 ネット社会の危険性ばかりが取りざたされるが、 現実が危険に満ちているというのに、 それに寄り添うようにしてある仮想世界がある程度危険なのはしかたない。 少なくともフィジカルな危険はないよ。 (概略)
バーチャルベッドシーンあり、 ラスベガスでのOFF会と友情あり、 最初は顔出しNGだったのが いつのまにか出てる、 あり。 バーチャル世界の売れっ子デザイナーは、嫌煙ムードに覆われる現実世界に反旗を翻すような堂々のヘビースモーカーであり・・ 話が進むにつれ、 現実の彼らの姿がアバターに見えてきたり。 見終わると、 この自分の身体も、 別の自分のアバターではないかと思えたり。 。
LIFE 2.0 (2010) 日本公開未定 ドキュメンタリー
監督 ジェイソン・スピンガーン=コフ
インポート [DVD] powered by G-Tools |
0 コメント:
コメントを投稿