
予告では "事実に基づく" と言ってるが、 本編ではそんなテロップはなかったように思う。 たとえあったにせよ、 法廷に提出された証拠ではないのだから誰も真偽を問わないし、 問われない・・ オーストラリア発のフェイクドキュメンタリーは一切のわざとらしさを排して、 実際にドキュメンタリーなのだ。 "モキュメンタリー" とも言われるらしいが、 'モキュ' という発音が不気味なので^ ^ 自分的にはフェイクと言うことにする。
しかし言い方はどうあれ、 かなり不気味な作品であることは間違いなく、 取材対象が俳優であったとしても、 家族を失う悲しみというのは紛れもない事実だろう。 下の写真、 いまは三人家族となっているが、 かつては下にもう一人娘がいた。 15才まで育て上げたのに、 唐突にいなくなってしまった。 残された家族の心情を淡々とインタビューやドキュメンタリー的手法で追っているだけなのだが、 怖いというよりは物悲しさだけが残る。 まるでオーストラリアの荒涼とした大地のように。
一つだけ わざとらしさがあるとしたら、 ホームビデオの画質が一昔前的であること。 最近はもっといいように思うが、 この画質の悪さが不気味さを増幅するというのは狙いのはず。 ドキュメンタリーではあるが、 ときどき入る間欠撮影のイメージ映像にはオリジナリティを感じる。
レイク・マンゴーは彼女が死ぬ前の年にキャンプで出かけた場所。 しかし彼女はどこか寂しげで、 夜中に一人何かを埋める・・ 娘が持っていた秘密はリンチ的だし、 娘が生前に見た夢、 あるいは見た幽霊が未来に回帰するあたりはシャマラン的かもしれない。 IMDbでも "怖くない" という以外の悪評は見当たらないが、彼女の死に顔はけっこう怖い^ ^ またしても低予算-ハイ・ポテンシャル作品の出現か。


レイク・マンゴー アリス・パーマーの最期の3日間
LAKE MUNGO (2008オーストラリア) 日本公開未定
監督 ジョエル・アンダーソン
タリア・ザッカー デビッド・プレッジャー マーチン・シャープ
ロージー・トレイナー
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