7.09.2009

痛い&ヘンタイっぽい.. 「七夜待」



どこでサムライが出てくるのだろうと思って見てた・・ と言うのは冗談で、 最初 'しちや ざむらい' って読んじゃってたんだよな、 時代劇かよって。 'ななよ まち' でした^ ^

30才女がタイへ一人旅する、 それをカメラが淡々と追ってゆく・・ 言ってみればそれだけの映画。 カンヌ監督 河瀬直美ゆえに成立した作品なのだろう。 脚本は 「ストロベリーショートケイクス」 などの狗飼恭子と共同執筆だが、 ゲイのフランス人だの、 "戦争ダメ、 愛し合いましょう" のメッセージも取って付けたような感じで、 あまり脚本的に感銘を受ける部分はなかった。

いまだに '癒し'? '自分探し' ?って気はするが、 本作はタイ古式マッサージがメインコンセプトとのこと。 にもかかわらずマッサージのシーンはそれほど多くは出て来ず、 しかも唐突に練習台になったり、 マッサージの心得を指導されたりするだけ。 痛い痛い、 爪が刺さったよ、 で終わり。 日本でしか受けたことはないが、 癒しというより "痛い&ヘンタイっぽい"。 。 そういう意味ではコンセプトは体現できているのか。

長谷川京子の 'いつもと違う雰囲気' はじゅうぶんに楽しめる。 ルーズなタンクトップ姿はそれなりに色っぽいし、 すっぴんっぽいメイクはすっかりアジアンビューティーだが、 疲れた目元のアップだけがやたら印象に残る。 このあたりのセンスは撮影監督であるシャンプティエの貢献が大きいのだろう。 タンクトップは何着かあり、 写真はドレッシーなほうだが、 タイへ到着する際のカジュアルなグレーのタンクトップ+ジーンズ姿は異様にダサい。 またノーブラでの撮影だったと本人も語っているが、 全部がそうでもなさそうだ。

映画は冒頭、 出家する少年の痛々しい剃髪シーンから始まる。 そのあと時間は前後し、 まだ髪のある少年が登場するので微妙に引っかかりを覚える。 冒頭のシーンはショッキングな '釣り' だったわけだ。 カンヌ・グランプリ監督も最近はフレキシブルな作風になったのだろうか。

村上淳もいつもよりカッコいい気がする。 セリフはないが、 日本でのかつての恋人とタイ僧の二役で、 とくに頭を剃った僧姿にヘンなリアリティがある。

総じてイマイチ感の強いストーリー運びだが、 一部 意識的に無音にしてあるシーンや、 川を下りながら すうっと終わるラストなどは自分的にはOK. カンヌの肩書きがなければ もっと好意的に見れそうな監督だが、 奈良を飛び出してタイへ、 そして次はどこへ行ってくれるだろう。 予想もつかない場所に出没してくれることを期待する。


七夜待 (2008日本) 公式サイト&トレーラー 
監督・共同脚本 河瀬直美 脚本 狗飼恭子 
撮影 カロリーヌ・シャンプティエ 
長谷川京子 グレゴワール・コラン キッティポット・マンカン 村上淳 
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