6.15.2009

勝手な希望・・ 「ノン子36歳 (家事手伝い) 」



DVDジャケのビジュアルがよかったのと タイトルがイケそうだったので見てみたが、 想像とはかなり違って地味で真面目な、 一昔前風の邦画だったと言える。 坂井真紀というとCMで活躍していた頃も知っているので、 今や女優として安定した位置にいるのだとの印象を新たにする。 そのくせ、 いまのポジションなんて吹けば飛ぶようなものだと知っているかのような、 守りのなさ、 パターンで対応しない演技には好感が持てる。 実際にエッチシーンから川に倒れ込むようなシーンまで体当たりで望んでいる。

ノン子36才は東京でタレントを少しやってマネージャーと結婚、 離婚して現在は実家の田舎でタバコを吹かすだけの毎日。 実家はなぜか神社で、 その境内でもうすぐ行われるお祭りに店を出したいという青年がやってくる。 出店の許可は元締めによって門前払いにされるが、 それでもまだ希望を持ち続け、 祭りの日までノン子の家に住まわせてもらうことに。 青年は "世界へ出たい" などと語るが、 なぜ出店にそこまで情熱的なのかは最後までよくわからない。 しかもその店とは 'ひよこ釣り' 。 。

青年は やがてノン子とできて、 ノン子はマネージャーの再起の話に性懲りもなく希望を見出し、 そして再び裏切られ、 青年も自分勝手な希望が叶わなかったことに、 ついにはド派手にキレてしまう。 二人でどこかへ行こうと手に手を取って巫女の衣装のまま列車に乗るシーンは 「卒業」 を思わせるが、 逃避行も不発で終わってしまう。

風刺にも見えないし、 温かい目で見てるわけでもない中立な視線がいいとも言えるし、 つまらないとも言える。 ノン子の普段の服装がマタニティっぽいのも失敗している気がする。 ノン子の友だちでスナックのママ役に 'おニャン子クラブ' の新田恵利が出ていてビビった。 どこにも行けず、 まさに過ぎゆくだけの歳月を感じてしまう映画。 しばらく、 この手の映画は避けたくなった。

ノン子36歳 (家事手伝い) (2008日本) 公式サイト&予告編 
監督 熊切和嘉 インタビュー 
坂井真紀 星野源 新田恵利 津田寛治 斉木しげる 鶴見辰吾 
ノン子36歳(家事手伝い) [DVD][DVD]

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