3.21.2009

Kawaii ?!



きょうは少しまじめなエッセイでも。 。


人間、 可愛いものを見て、 カワイイ!っていう感情、 あるよね。
ときどき、 あれは何だろう、 と思うのだ。

子供、 動物、 服・・ その対象はいろいろある。 赤ちゃんや子供は一人では何もできない弱い生き物なので、 庇護を受けるがために可愛くあるのだと、 どこかで読んだ憶えがある。 しかしながらその子供が、 犬や猫を "かわい〜" と言ってるのだ。 うちの息子や娘の間では、 今なぜか 「グレムリン」 がブームなのだが、 あのギズモも、 かわい〜!! 声がまた かわい〜!! なのだ。 といっても吹替で観てるので、 声は日本の声優さんなのだが。

このような状況を目にすると '庇護説' は、 にわかに怪しくなる。 だが仮に庇護のためだとしても、 庇護する側にもそれを受け入れる回路がないと成り立たない。 どんな悪党でも恐らくは持っているであろう、 この回路についての考察をもう少し進めてみる。

娘などは、 カワイイ服を見ると居ても立ってもいられなくなるようで、 その気持ちは男にもわかるし、 とくに自分などは以前 Yohji Yamamoto に凝っていて、 彼の作り出す pour homme の服は女物よりもかわいかったりすることを知っている。 たとえばパイピングというのは、 服のエッジ部分に別布を縫いつけて縁取りをする手法だが、 これを施すだけで服はかわいくなる。 いくらパリコレやデザイナー協議会が今シーズンのトレンドなるものを打ち出して需要創造を図ろうが、 このカワイイという感覚には勝てないと耀司さんは自覚していたように思う。

自分は映画をたくさん見るが、 いい映画の基準は "グッとくる" こと。 これもカワイイに非常によく似た感覚ではないかと思う。 一昔前なら "イカす"、 さらに前なら "シビレる"・・ バンドブームの走りである "イカ天" は縮めなければ "いかすバンド天国" であったわけだし、 それがGSブームのときには "シビレる" だった。

こないだ知り合いと外来語の話をしていて、 まあ日本語には外来語が多すぎるというような内容だが、 逆に日本語が海外で定着したものもあるよね。 スシ、 テンプラ、 カラテ、 サムライ・・ そんななか最近になって海外で脚光を浴び、 かつ定着の様相を見せている日本語がある。 それが・・

 Kawaii

ギャル雑誌 "Cawaii" は廃刊になったようだが、 Kで始まる場合は昇り調子。 英語にも当然、 キュート、 ラブリーなど可愛いを表す言葉がある。 しかしこれらがカバーしきれないニュアンスを求めて Kawaii が採用されているわけで、 それは日本のアニメやマンガ文化の影響なしには語れないが、 この領域にとりあえず輸出不振はないようだ。

試しに Kawaii をググってみてほしいが、 最初のほうは日本のサイトが上がってくるので、 [こちら] を参考にしてもらうとわかりやすいかな。

'キュート' 'ラブリー' に含まれていなかった感覚を Kawaii は拡張したが、 日本語の 'かわいい' とも違う 'キュート' や 'ラブリー' は先に日本語として輸入済みというだけのことかもしれない。

ここで考察したいのは ジャパニーズカルチャーの可能性でも 日本語の素晴らしさでもなく、 全人類が持つ 'カワイイ' というと感情、 あるいは 'グッとくる' いう感覚。 言えるのは、 Kawaii や 'キュート' や 'ラブリー' はただの記号ではなく、 全人類が持っていた回路、 ということ。 しかしその定義は曖昧で、 対象は多岐にわたる。 これはある種のエニグマであり、 もしかしたら超能力より得体の知れない能力なのではないだろうか。

そしてそれは何のためにあるのだろう。


つまりそれは '愛' ということかもしれないが、 '愛' よりプリミティブで、 むしろ "ゴキブリが恐い" という感覚に近い気がする。 愛という名の宗教ではなく、 愛するという能力。愛が世界を救えなかった今、 カワイイこそがそのピンチヒッターとなることを期待してみよう。

カワイイは相対的か絶対的か、 カワイイは人を縛るか。 "アバタもエクボ" という表現があるが、 あれはカワイイの極意かもしれない。 そんなことを考えながら、 さあ、 そろそろシネマタイムといこうか。

2 コメント:

umetraman さんのコメント...

こんばんは!!

kawaiiって言葉が全国的に広まってるなんて初めて知りましたよ@@

たしかにkawaiiなあ^^って思うことは誰にでもありますよね。世界共通の感情でしょうか。
言葉については日本がキュート!ラブリー!と輸入語を使っていたのが、今度は世界がkawaiiを輸入語として使い出してるんですね。そのうちmoeも使われだしたりして(爆)。
なんだか英語がダメでも、海外に行ける気がしてきました(笑)。

紹介頂いたサイトからいくつかの言語で検索しましたが、まあ出てくる出てくる^^。しかし日本のkawaii公式サイトときたら・・・。まあ、これはこれでアレなんですが(笑;)。

海外で定着している日本語といえば、「サイン」でホアキン・フェニックスがチキンテリヤキが食いてぇって台詞がありました。これもそうなんですかね(笑)。

エッセイ、勉強させて頂きました。kawaiiが世界を救う日を待ちましょう^^。

ガツンと応援いきますよ♪凸

kiona さんのコメント...

>umetraman さん
こっそりエントリーしたエッセイまで読んでいただき、ありがとうございます^ ^

moe はどうでしょうね^ ^ 萌え と 燃え という漢字のシャレがわかるかどうかですね。 でも "萌" なんてタトゥ、見たいです。

チキンテリヤキは [ここ] に答がありますよ。 有名なネタなんですね^ ^ 「サイン」 は見たんですが意識しなかった。 。

日本のKawaii公式サイトは、間違って海外からのアクセスが多いことでしょう^ ^

応援 Arigato!