映画好きを自称しながら、 市川崑を知らなかったのはモグリかな。 黒澤明だって知っているとは言えないが。 。 縁遠かった理由も、 そして意外な岩井俊二監督との接点もわかった。 「犬神家の一族」 だ。 当時の角川映画の勢いは知っているが、 その柱でもあるあのシリーズは敬遠しちゃったんだよな。 それが市川監督の集大成のような映画であり、 また岩井監督を魅了してやまない作品であることはよくわかった。 それ以前の市川監督と言えば東宝だが、 それも自分にはいちばん縁遠い映画会社である気がする。 今も昔も、 あの 'ど・メジャー' な香りが煙たいんだろう。
そんなことはさておき、 このドキュメンタリーは岩井監督がパーソナルな視点とサイレントな手法で綴った、 まさに市川崑監督へのラブレター。 作品群についてはあっさりしている気がしなくもないが、 市川崑という人については迫っていて、 女ばかりに囲まれた家系や徴兵の話、 ミッキー・マウスの話、 そして憧れの人と語り合えた時間など、 楽しく拝見できた。 字幕での見せ方もリズミカルで笑いのツボもあって、 好きなんだなというのがわかると同時に、 客観的にもわかりやすい市川崑論になっている。 エヴァンゲリオン風のタイトルも明朝体の '完' もオリジナルはここにあったんだ。
古い写真が立体的に見える不思議な凝りようも楽しい。
市川崑物語 (2006日本) ドキュメンタリー
監督 岩井俊二
[DVD] おすすめ平均 岩井俊二から市川崑への「Love Letter」 秀逸 世代を超えた対話 |
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