
ジェームズ・ボンド・・ 非常に調子のいいキャラクターだと思う。 だからショーン・コネリーのニヤけたボンドが、 いかにもボンドらしいという気がするが、 長く続く007シリーズのすべてをフォローしているわけではないので、 ファンの方には誠にふがいないエントリーで恐縮だ。
それでもダニエル・クレイグのボンドは、 初代ボンドとはえらく違った人物になったということはわかる。 風貌、 体格はもちろん、 調子の良さがまったくない。 ある種、 古風ないい奴で、 そんな奴の例に漏れず女にはモテない。 当然セクシーシーンへの展開も、 お約束程度に軽くあるだけ。 こんなボンドで客が入るのか? それが入っているから不思議なんだが、 それなりに時代にコミットした結果なんだろうなと思う。
それに、 もはやスパイ映画でもない。 少年の頃に、 暗躍する悪を垣間見て、 大人の世界の大きさを感じた時代は過ぎ去り、 いまでは悪は目の間に歴然と立ちはだかり、 自分もとっくに大人の仲間入り、 さらに世界はチャンネルを切り替えるだけでどこへでも飛べるくらい狭くなった。 そんな世界にニヤけたボンドは、 きっと場違いなだけなのだ。
そしてボンドガールも、 すでにプレイメイトでもミスユニバースでもない。 意志と戦略を持ち、 自らの状況と闘う一人の戦士なのだ。 男と女は目的のために共闘し、 また共感ゆえに助け助けられる関係になったのだ。
監督や脚本スタッフを見てもわかるとおり、 アクションシリーズの予算を上手に自分たちのやりたいことへシフトしてきたような映画で、 もちろんクルマ、 ボート、 飛行機、 あるいは格闘とアクションシーンも満載なのだが、 見終わったあとも微妙に考えさせられる作品となっているように思う。 逆にもっと考えたい人には しょせん娯楽映画に過ぎず、 なにか不完全な後味の悪さを残すのではないかと思う。 まあ個人的には、 脱ぎはしないがオルガ・キュリレンコがよかったように思う^ ^
007 慰めの報酬 Quantum of Solace (2008イギリス・アメリカ)
2009.1/24 公開予定 オフィシャルサイト&トレーラー
監督 マーク・フォースター
ダニエル・クレイグ オルガ・キュリレンコ
ジェフリー・ライト ジェマ・アータートン ジュディ・デンチ
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