11.14.2011

危険な旅はいつもハミ出し者が始める Another Earth



タイトルもいいし見慣れないキレイなお姉さんが出てるしで注目していた作品。 トレーラーを見る限り SCI-FIは味付けだろうという気はしていたがそれでも、 もう一つの地球が存在していたら、 もう一人の自分がそこにいたら、 という設定は効果的だ。 ラース・フォン・トリアーの 「メランコリア」 に似ている気もしたが、 何らかの同時多発的な共振かもしれない。

主演のキレイなお姉さんブリット・マーリングは劇中で MITの優秀な学生だが、 交通事故を起こしすべてが変わってしまう。 相手の奥さんと小さな男の子、 そして奥さんのお腹の中の子どもを殺してしまい、 4年の服役を終えて出所すると、 できる仕事は清掃夫くらいしかなかった。 マーリングは実際にゴールドマンサックスのインターンをしていたらしいが、 ある日もう一つの地球を見てしまったようで、 大学を中退してこの映画のシナリオを書いた。

発見された地球とウリふたつの星には、 自分とそっくりのもう一人の自分がいるらしい。 しかしその鏡のようなシンクロニシティは、 見ることで変化が生じてしまうという "割れガラスの理論" が報じられる。 だとしたら、 あっちには幸せなままの自分がいるかもしれない。 そう考えて彼女は 'アース2ツアー' に志願する。 危険な冒険の旅はいつの時代も、 この世界に居場所のないハミ出し者が始めるのだと。

SF的な設定の一方で、 罪の意識を消すことのできない彼女は、 ハウスクリーニング業者として事故で一人生き残った相手の男に近づく。 男は音楽家で教授だったが、 事故の後は打ちひしがれて閉じこもっている様子。 相手に打ち明けないまま日々は過ぎ、 同じ境遇のシンクロニシティは二人に親密な時間をくれる。 アース2へ旅立つ日が近づいたある日 ついに彼女は、 奥さんと子どもを殺したのは私よ、 と告げる。

彼女はもう一つの地球で何を見るのだろうか。 あるいはこの地球で、 すでにもう一人の自分に出会ってしまっていたのかもしれない。 そんなマーリングの意識はそのままこの作品に写し取られて、 特別な何かのある映画に結実している。 日本公開は例によって未定ながらサンダンス特別審査員賞に輝く本作に、 スペシャル乞うご期待^ ^

(追記2012.1/22) え、 これスルーかよ。 。 何でわざわざプラネットって直すの?




アナザープラネット Another Earth (2011) 日本未公開 
監督 マイク・ケイヒル 
ブリット・マーリング (脚本兼) ウィリアム・メイポーザー 

0 コメント: