食べものはすべて、 他の命。 それが動物であれ植物であれ、 生であれ加工品であれ、 このことは紛れもない事実だ。 ベジタリアンになってみたところで、 他の命の犠牲の上に自分の命があることに変わりはないのだ。 そんなシンプルな事実を再確認し、 見る人それぞれに何か考えてもらおうという映画。
機械化された酪農や農作業の行程を、 セリフもなく淡々と映すだけ。 見慣れない機械に興味が湧くが説明は一切なし。 残酷だなとか、 滑稽だなとか、 素朴な感想しか出て来ないが、 1時間半は意外にすぐに経ち、 こんな風にして肉や魚、 野菜がスーパーに並ぶんだなと勉強になると同時に、 言葉にならない感想が残る。
つまり食べられるためだけに生まれ、 そして食料として繁殖させられる牛や鶏が、 なぜか自分たちに重なってしまう。 食物連鎖の頂点にいるはずの人間も、 日々の糧を得るために労働し、 年老いていく。 その姿が家畜にオーバーラップする。 消費社会の家畜、 それこそ現在の人間の姿なのだ。
極端な感想かもしれない^ ^ そこまで悲惨な感想を持つ必要もないが、 飽食の年末年始に、 不思議な1時間半を過ごしてみるのも悪くないのでは。
いのちの食べかた (2005ドイツ・オーストリア) 日本公開2007
Unser Täglich Brot/Our Daily Bread 公式サイト&トレーラー
監督 ニコラウス・ゲイハルター
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