4.12.2011

娘十八・・ 「モリー・ハートレイ」



何てことはない作品ではあるが、 微妙に残るものもあったので いちおうエントリー。 ま、 素敵な邦題がついておりますが、 ホラー的な部分はごくわずか、 血しぶきは鼻血くらいしか出て来ない^ ^

出生時の契約によって、 18才の誕生日を迎えると悪魔の力を得ることになっている女子高生。 これを恐れた母に殺されかけ、 父もやがて無力だとわかる。 宗教に熱心なクラスメートからは洗礼を奨められ・・。

そんな話ではあるが、 悪魔をただのメタファーとして見たら、 成長して親離れをしてゆく子供と見守る親の葛藤、 あるいは純粋無垢であったお下げの少女が、 世の中の汚れたものに取り囲まれていくことで大人になるのだよ、 的なことを描いてるだけとも取れる。

全米ではそこそこの興行成績を残したらしいが、 キャスティングなどがそれなりに上手くいっているからだろうか。 すごく普通の、 昔なら深夜のテレビなどで たまたま見てしまうようなホラータッチの学園ドラマ。 モリーの父親役のジェイク・ウェバーという人はティム・ロスに似ていて最初、 あれ、 こんな人が出てるのかという勘違いも。 。


モリー・ハートレイ 血塗られた制服女子高生 (2008) 日本未公開 
THE HAUNTING OF MOLLY HARTLEY 監督 ミッキー・リデル 
ヘイリー・ベネット チェイス・クロフォード アナリン・マコード 
シャノン・ウッドワード シャンナ・コリンズ ジェシカ・ロウンズ 
マリン・ヒンクル ジェイク・ウェバー 
モリー・ハートレイ 血塗られた制服女子高生 [DVD][DVD]

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4.11.2011

マカブラな家族 MACABRE



マカブラ (ぞっとする、 死の舞踏) という仏題または英題として知る人ぞ知る血の海スプラッター。 原題はインドネシア語で "血"。 ともすれば慢性化し麻痺するホラー的刺激のなかに、 突如として現れる過激な原点回帰^ ^ そんな風に言える作品が時おり巡ってくるのだが、 これがまさしく それ。

雨が降り始めた夜、 妊娠中の女性を含む男女6人の乗るバンのヘッドライトが照らし出したのは、 雨の中で立ちすくむ若い女。 何でも強盗に遭ったのだと言う。 途中だから家まで送ってやろうということになり、 案内されて薄気味悪い屋敷にたどり着く。 娘の母親が出て来るが不自然に若く、 お礼に食事を用意すると言う。 断りきれずにテーブルにつくと、 美味しいが変わった味の料理が次々と出され、 ワインが回ったのか みな眠り込んでしまう。 そのまま目覚めることのない者、 あるいは血の海で目覚める者・・

どこか 「ヘンゼルとグレーテル」 あるいは 「赤ずきん」 を思わせるメルヘンチックな雰囲気の裏に隠されていた 「悪魔のいけにえ」。 そう言うとわかりやすいだろうか。 実際にチェーンソーまで登場して、 これを振り回す19世紀生まれの若い母親の鳥のような目つきと首のかしげ方が不気味。 狙いはお腹の赤ちゃんであり、 それは恐らくは若さの秘訣?! また かたわらでは臓器売買のビジネスも行っているという、 トンデモない一家だったのだ。

ところがゲストのなかにサバイバル能力の高い者が混じっていて、 この状況に番狂わせを食らわせる。 トンデモ家族に大打撃を与えるが、 それも執拗に母親は追って来て、 最後はまるでジェイソンのように・・ まさか日本公開されることはないと思うが^ ^ いつかDVDスルーで見かけたら、 そこらへんのB級ホラーとは一線を画しているのでご用心を。 。




マカブル 永遠の血族 (2009シンガポール・インドネシア) 日本未公開 
MACABRE / DARAH
監督 モー兄弟 
ジュリー・エステル シャリーファ・ダーニッシュ ルリー・ルビス 

4.07.2011

念力電話.. 「七瀬ふたたび」



このへん、 あまり詳しくはないので大したことは書けないが、 正直 なんか古くさいイメージだな。 そして総集編でも見てるようなポイントのなさ。 30年前の原作だからというわけではなく、 再映像化の力点がよくわかならない。 芦名星も最初はナイス・キャスティングという気がしたが、 実際に作品になった印象はパッとしない。 テレキネシスで電話するなんてのもバカらしい^ ^

詳しくないわりに、 なぜか 「タイム・トラベラー」 は知っている。 ケン・ソゴルがいつもタートルネックのセーターで登場し、 トラベルの瞬間にエラをピクピクさせるのを覚えている^ ^

超能力モノというのはどこか懐かしい気がするが、 自分が初めて触れた超能力モノは意外にも児童図書で 「少年エスパー戦隊」 という作品だった。 少年がテレポーテーションに目覚めるシーンで始まるこの小説は、 サイコキネシス、 テレパシー、 透視 および "超天才" という能力が出てきたように記憶している。 たぶん今読むと子供っぽいのだろうけど、 "超天才" って何?と思いつつ、 当時は夢中になった。

ユリ・ゲラーやスプーン曲げブーム?はあまり乗れなかったが、 「バビル2世」 はけっこう好きだったな^ ^

最近ではTVシリーズ 「HEROES」 が超能力モノらしいが見てないし、 最初は熱心に見ていた子供たちもシーズン4の途中で飽きてしまっている。 HEROESの場合、 能力があれもこれもでつまらない気がする。 やっぱりテレバシー、 サイコキネシスあるいはテレキネシス、 透視、 予知とアカデミックに分類されているほうがしっくり来る。 それはなぜかと考えてみたら、 ある能力に特化するということは、 他の能力は持てないということで、 一人で全部持ってしまったら面白くないというようなことかなと。 (「バビル・・」 は一人で全部持ってるが)

七瀬はテレパスだが、 映画ではオーソドックスな超能力の他に人体発火させる能力と、 そして "リセット" という能力が登場する。 時間をさかのぼってパラレルワールドを作り出す能力。 七瀬はこれを最後の切り札と言うが、 確かに、 と思う反面、 これは超能力というより '全能' であり、 自己完結しすぎてつまらない。

超能力の時代は終わり、 いまは useless talent (無駄な才能) の時代なのだろう。 自分の場合、 ムダに早く見る・・^ ^

七瀬ふたたび (2010日本) 公式サイト 象のロケット 
原作 筒井康隆 監督 小中和哉 
芦名星 佐藤江梨子 田中圭 前田愛 今井悠貴 ダンテ・カーヴァー 
平泉成 大杉漣 吉田栄作 
七瀬ふたたび [DVD][DVD]

死刑台のエレベーター 特別版 [DVD] キャタピラー [DVD] 川の底からこんにちは [DVD] ラブコメ [DVD] 東京島 [DVD]

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4.06.2011

それと もう一つ、 "SUCKER PUNCH"



予想外に早い日本公開はいいが、 典型的なダメ邦題。 "あ邦題" と命名させてもらうことにしょう^ ^ 収まりのいい言葉選びが あまりにも陳腐。 原題のまま "サッカーパンチ" では確かに何のことか わからない。 サッカーでパンチ? スポコン?と誤解されるかもしれない。 しかし誤解を恐れないで投げ込め。 そのほうが話題性があるというもんだ。 原題は 'まぐれ当たりのクソパンチ' とかいう意味らしいが、 そういう言葉を探してきてエッジを立てる製作者努力を帳消し、 台無しにしてしまう邦題のあり方は、 わかってないお偉いさんの、 そのくせ自信ありげなツラのようでムカムカする。

そこまで邦題批判をするということは、 中身はよかったということ? 自分でもいま気づいたが、 よかった^ ^ 実は大して期待してなくて、 またセーラー服? 剣? ぐらいにしか思ってなくて、 IMDbでも "たいくつ~" なんて声があったので覚悟して見た。 が、 これは何だろ・・ 一見どうしようもない映画に思わせて、 非常にまじめでグッとくるものが。 。 ロボトミーなんて恐いネタも出てくる。

ネタバレ寸止めでいくけど、 ようするに ある儚い女の子、 母が死んで 'まま'父に、 遺産横取りを目的に精神病院に送られる。 しかしそこではセラピーの一環としてダンスが行われていて? 彼女はその瞬間 弾けて、 素晴らしいダンスを見せるのだが、 そのダンスシーンは出て来ない。 代わりに精神的なダンスとして夢の世界へのトリップが披露される。 ダンスが始まるたびにこれが繰り返されて、 またか、 と思う反面くせになる?

夢のダンスは、 かつて見た映画のメタ集大成リミックスのようなものではあるが、 映像やアクションはその路線の最たるもので、 存分に魅せてくれる。 しかし意外なことに売りはそれだけではなく、 現実に戻っての5人の娘たちとドクター・ゴルスキー、 そして精神病院の院長 兼 裏ビジネスである秘密クラブのオーナー、 これらが織りなすドラマにやたら迫力がある。 ザック・スナイダー監督は、 このあたりも注目される理由なのだろう。

そしてラストにはシナリオの大胆な '脱構築' がある。 これが何かということはさすがに書けないが、 何だ そんなことかとも言えるし、 なるほどなあ・・とも言える。 でっち上げのくせに、 どこかリアルで物悲しく、 物悲しくも爽やかな、 この手のジャンルで見てよかったなと久々に思える作品であった。 戦場で彼女たちにをリードし "それと もう一つ" と いつも付け加える謎のワイズマンが、 いい味^ ^

キャラ名はベイビードール、 スイートピー、 ロケット、 アンバー、 ブロンディ、 ブルーと、 いかにもで しかもブロンディは黒髪だが^ ^ 夢のダンスの世界、 SFとも戦争映画ともつかない戦場で、 アンバー! ロケット! などと呼び合って敵をなぎ倒すシーンなどもけっこうシビレる^ ^ とにかく細部に至るまで趣向を凝らせながら、 脚本、 監督、 出演者らが楽しんで作っているのが伝わってくる作品。 それともう一つ、、 音楽の使われ方もキャッチーかつマニアック。 イージーな邦題を拒否して "サッカーパンチ" と呼んで話題にしようではないか!!





サッカーパンチ (aka エンジェル ウォーズ) 日本公開4/15 公式サイト・予告 
SUCKER PUNCH (2011アメリカ・カナダ)  象のロケット 
監督 ザック・スナイダー 
脚本 ザック・スナイダー+スティーブ・シブヤ 
音楽 タイラー・ベイツ+マリウス・デヴリーズ 
エミリー・ブラウニング アビー・コーニッシュ ジェナ・マローン 
ヴァネッサ・ハジェンズ ジェイミー・チャン カーラ・グギーノ 
オスカー・アイザック スコット・グレン 

(追記) 本編では気づかなかったがスチールをよく見ると、 銃のグリップには携帯ストラップ的なものが。 ラインストーンの衣装もやっぱりセーラー服だ^ ^

4.03.2011

4月の魚 「THE OSHIMA GANG」



4月最初のエントリーはフック、 いやアッパーかな^ ^ おととい1日のエントリーでもよかった? ・・なんて言うほどコケにしてるわけではなく、 突如 現れた大島渚のドキュメンタリーということで、 気になってた。 にもかかわらず後回しにしたのは、 姿勢を正して見なくてはいけない気がしたし^ ^ あるいは肩すかしに愕然とする覚悟をしなければいけない。 そう思って・・ しかし作品は見やすいサスペンスタッチで構成され、 その必然性はよくわからなかったが、 前述のどちらでもなかった。

"ぴあ" に入選し、 そのときの審査員であった大島監督から評価を受ける新人監督が出てくる。 本作ではこれは女性になっているが、 葉山監督自身のエピソードでもあるらしい。 自分も昔、 森田芳光監督にラジオで (ラジオか、 懐かしい・・) ちょっとしたものを読まれたことがあって、 こうしたことはずっと特別なこととして残る。 取り上げた本人には記憶の隅っこにさえ残っていないとしても。

葉山監督はしかし、 それ以前に大島作品といえば 「戦場のメリークリスマス」 くらいしか知らなかったということだが、 自分も同じ。 あとは当時のテレビで激情してたくらいだが、 それでも大島渚という人を別格に位置づけるだけの多感なシンパシーと畏敬の念を抱いた。 自分は映画製作に携わってはいないが、 葉山監督の大島監督への思いは十分わかる気がする。

ときどき思い立ったかのように大島映画を紐解いてみるが、 正直 感銘を受けたことがない。 恐らく難しいのだ。 自分程度のレベルでは太刀打ちできない、 相当に難しいと感じる。 いや、 それほど持ち上がる必要もいまさらないのかもしれないが、 先の 「戦メリ」 公開時の個人的なエピソードを思い出す。

自分も果敢な年頃、 これを見てウブなことを語ってたんだと思う。 すると親父がなぜかその映画を見て来て一言 "大島、 下手だ" と。 親父は格段 映画通でもなく、 芸術的な分野全般に縁遠い人のはず。 なのに堂々とそう言ってのけた。 しかしこの一言で何かがわかった気がした。 やはり難しいのだ。 娯楽映画の枠には収まらない '諸刃の剣' と評される初期の大島映画は 「戦メリ」 にも脈々と息づいていたのだ。

残念ながら本作は大島監督の初期を取り上げただけで、 中途半端に終わってしまう。 それ以降も もっと知りたいし、 願わくば いつか本物のドキュメンタリーとして出してほしい。 それが実現する可能性は低いだろうことを嘆きつつ、 それでも今の日本への大きな示唆がそこにはありそうに思うから。 作品中に引用される大島監督の好きな言葉を、 再び引用してみよう。 明石海人という歌人の言葉とのこと。

 深海に生きる魚族のように
 自らが燃えなければ
 何処にも光はない

» これについての大島監督の文章

ああ真面目に書きすぎちゃったかな。 真面目に書くことに照れが生まれるのはなぜだろう。 'ザ' ではなく 'ジ' だろって。 。

THE OSHIMA GANG ザ・オオシマギャング (2010日本)
監督 葉山陽一郎 
片岡明日香 尾関伸嗣 小山明子 大島渚 
[DVDはレンタルのみ]