5.09.2015

問うな “GOD'S NOT DEAD”



続けざまに何かしら書きたくなった作品、アメリカの大学での実話をベースにしているとのこと。無神論者の哲学教授が単位を人質に、学生に「神は死んだ」と本人のサイン入りで書かせる。クリスチャンの学生が孤軍これに抵抗し、最終的には教授を論破する。改宗して家を追い出される女学生、ガンを宣告される人気ブロガーなどのエピソードが平行して散りばめられる。宗教臭い話は苦手で、ともすれば自分は教授派だと思っていたところ、見ているうちにこの教授が思いっきりウザくなり、最後はロックでミサをやるようなバンドで締めくくられてちょっと軽いなと思ったが、ヘンなすがすがしさが残った。

この教授は無神論に改宗せよと言っているに過ぎず、それは無神論という名の宗教とも言え、とくに信者集めをしようというわけでもなく、勝手に信じてくれればいいというクリスチャン側の態度に好感が持てたというところか。プロパガンダ映画でもないようだが、ロックでミサ、と同様のエンタテイメント性が上手く使われているのかもしれない。しかしながら宗教というコンセプトはさておき、信仰ということについて多少なりとも考察したくなるテンションのある作品だと言える。

去年、日本公開されてはいるものの、果たして客は入ったのか。IMDbではそこそこ書き込みも多く、レビューを見て気になるのはこの映画がoffensive(攻撃的)と評されていることだ。へえ、やはりそうなっちゃうのか、とは思うものの、新鮮さを感じる作品ではあった。しっかりNOTと否定しているのに邦題はなぜ問うのか。そこだけイラついた。


神は死んだのか GOD'S NOT DEAD (2014) 公式サイト
監督 ハロルド・クロンク 
シェーン・ハーパー ケヴィン・ソーボ デヴィッド・A・R・ホワイト 
ハディール・シトゥ コリー・オリバー トリシャ・ラガチェ ニュースボーイズ 

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