
離婚手続きを催促されながらも男は未練がましく、 元妻になろうとする妻との出会い、 輝いた日々を思い出している。 そんなある日、 男は新型のOSを手にする。 そう、 OS‥ iOSやMacやWindowsと同じオペレーティング・システム。 こう見えて、 この映画はSFなので (非常に近い未来ではあるが) 最新型のこのOS1は、 ベタな名前ながらSIRIを進化させたような、 音声でやりとりができるエージェント型のシステムだった。
テキトーなインストールのプロセスのわりに、 立ち上がってきたシステムは優秀で、 彼女は自らをサマンサと名乗り、 有能な秘書としてメールをさばき、 今日の会議の予定を男に伝える。 彼女の受け答えは品があり、 かつ面白く、 ときには自作の曲などもプレゼントするサマンサ。 彼女の尽力で男は本を出版し、 ついに離婚続きを済ませるに至る。
眠れない夜などは肉体を持たないにもかかわらず親密な交渉があり、 しかも彼女は自分の存在について悩み、 さまざまな試みや自らの手によるシステムのアップグレードまで行う。 その先にははたして何があるだろう。 男は有限の肉体と生命を持つ存在としてここに居続け、 彼女は無限のビットの隙間を飛翔する存在へと向かう。
脚本賞でオスカーを取ったとのことで、 とりあえずはオメデトー。 ポイントはオリジナル脚本ということだろう。 ともすればあっちこっちから原作を持ってきただけの映画、 リメイク流行りのなかで、 映画のためだけに書き起こされた物語の必要性と可能性を示したことは、 スパイク・ジョーンズ監督の存在意義としても前々から認めるところ。 さらにサマンサの声はスカヨハとのことで、 確かにSIRIの声よりは色っぽい^ ^
スパイク・ジョーンズの他の作品と同様に、 湧き上がるような、 漂うだけのような不思議なエモーションに彩られ、 自分的には今回は、 ま、 面白いんじゃないの程度ではあるが、 オスカーも取ったことだし名作と絶賛する人が現れても不思議ではない。 願わくばヘンに持ち上げずに、 酸いも甘いもそのまま味わって欲しいところではあるが、 何はともあれ乞うご期待! エントリータイトルは男が勤める代筆名文サービスを提供する会社 beautifulhandwritingletters.com より^ ^


her/世界でひとつの彼女 (2013) 日本公開2014.6 公式サイト
脚本・監督 スパイク・ジョーンズ
ホアキン・フェニックス エイミー・アダムス ルーニー・マーラ
オリヴィア・ワイルド
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