
リムジンで一人うなだれるパティンソンに引かれる。 近未来とも現在とも取れるシチュエーションのなか、 物語はほぼクルマのなかで進行、 盛り上がりには欠けるものの、 味わい深い作品ではないだろうか。
金融の世界で時代の寵児となったエリック、 だが中国元の動向を見間違え大損を出す。 リムジンの外では資本主義を憂うデモ、 アーティストの葬式、 そしてなぜか大統領までが来訪。 そんな街でエリックは新婚の奥さんを見かけるたびにクルマを降りて走り寄り "クルマのなかででもやろうよ" と誘うが、 奥さんはいつもツレない。
クローネンバーグ監督もかなりの歳だろうに、 新しい感覚に満ちている。 奥さんに断られたエリックは手近な熟女と一戦交える。 ジュリエット・ビノシュも歳とは言え、 この役を受けた心意気は認めよう。
エリックは当然ながらいろんな妬みや恨みを買っているが、 シリアスな脅迫も受けているらしい。 物語は予想もしないところへ急展開、 エントリータイトルは毎日エリックを検診するという医者のセリフだが、 深いとも当たり前とも取れる教訓とともに不思議な NO END の感覚で幕を閉じる。


コズモポリス COSMOPOLIS (2012フランス・カナダ) 日本公開2013.4/13 公式サイト
監督 デビッド・クローネンバーグ 象のロケット
原作 ドン・デリーロ
ロバート・バティンソン ポール・ジアマッティ サラ・ガドン
ジュリエット・ビノシュ
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