9.21.2013

ナディア13才 girl model



シベリアあたりでは今日もオーディションが行われ、 モデルの卵が発掘され、 その若さと美しさは、 若い無垢な心と引き換えにたっぷりと外貨を稼ぐ・・ はずだったのが実はそうではない。 日本公開はまずないだろうし、 DVDスルーされるかも危ういドキュメンタリー作品ではあるが、 面白そうだったので見てみた。

オーディションを主催しているのは元モデルの女性で、 1999年頃、 日本で仕事をし、 その後はモデル育成にあたっているとのこと。 大勢のなかから受かったナディアは13才で、 細い身体とソバカスの素顔。 家族は祝い、 彼女を東京へ送り出す。

しかし東京に着いてからは右も左も、 言葉もわからず、 狭いアパートに住んで日本のクライアントのオーディションを受ける毎日。 仕事はいっこうに決まらず、 ホームシックで泣き、 結局は20万円ほどの負債とともに送り返される。

オーディションする側の経験が少しはあるのだが、 こんな子たちだったんだな。 自分の好みで選ぶわけにはいかないから、 いちおうコンセプトだのに乗っ取ってクライアントとあれこれ言いながら決めるのだが、 日本の企業はわかったような、 わからないようなだから、 選ばれる側は何でもいいから早くしてくれと、 ひたすらそういう気分だったに違いない。

さらに時代の変化とともにファッションビジネスの中心が移る。 パリなどは揺るぎない中心だろうが東京は勢いがなく、 ナディアはその後も借金返済のため台湾や中国へ行った、 とのテロップで終わる。 人身売買的なモデルビジネスを告発してるのかと思いきや、 もっと冷めた話で、 この下がり切ったテンションが心地いいとも言える^ ^

泣ける映画、 とか言って感情を盛り上げるだけが映画ではなく、 非常に冷めた視線で物事を切り取るのも映画の得意技だということをあらためて知る。 英語字幕の乗るロシア語と日本語なので、 興味ある方は輸入版ででもぜひ。



girl model (2011) 日本公開未定 
監督 David Redmon+Ashley Sabin

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