4.08.2013

チチキトク “GOOD TIME MAX”



ジェームズ・フランコという俳優が初監督した作品ということだが、 5年も経ってDVDスルーされた。 しかもアンタ見てないでしょ、 という邦題とコピー付きで。 どこがアクションで、 どこがサスペンスなんだよ? 責任者出てこい^ ^

ラストで "兄に捧げる" という一行が入るということは、 兄さんはもう・・ 人生で最初の腐れ縁かもしれない兄弟。 兄は勤勉、 選抜クラスでAの成績を取るが、 弟は勉強もせず、 年下にもかかわらず同じクラスに在籍し、 A+の成績。 やがて兄は医学部へと進みキツい実習に揉まれているとき、 弟はコカイン常習、 かつ それを水増しして売りさばく。 トラブルになってNYを逃げ、 兄のいる西海岸へ。 ドラッグはやめると約束して兄の家に置いてもらい、 適当な会社に就職、 調子よくやっていたが、 やめると約束したはずのドラッグは断ち切れず。 それがバレて兄の家を追い出され、 また売人をやって父の死に目にも会えず。

親子の確執も一部描かれる。 兄は母には好かれるが父には無視され、 弟は父に可愛がられるが母には毛嫌いされる。 得てして似たようなことはあるものだなあ。

しかしあるとき兄と弟の立場は逆転する。 救急で運ばれた子どもを救えなかったことがきっかけで、 兄は病院の薬を拝借するようになる。 弟は万引きで逮捕され、 6ヶ月の刑務所生活の後クリーンな体となって帰ってくる。 医師免許を停止された兄に弟が言う。 "今度は俺が面倒を見る 俺も成長したんだ 仕事もある 家に来いよ"

IQの高さや勤勉さだけで未来が切り拓けるわけじゃない、 という証明のようなストーリーだが、 ドラッグ、 ドラッグで疲れる話ではある。 しかし冒頭のスコット・トーマスの曲をはじめ、 殺風景で切ないアコースティックサウンドには浸れる。 ふとノスタルジーにさらわれ、 曲を聴きながら昔住んでいた場所や訪ねた場所を Googleマップでたどったりしてしまった。 あげくの果ては子どもの頃に住んでいた場所をストリートビューで歩き、 よく犬の散歩に出かけた場所が面影でも残っていないかと目を凝らしたが、 あの辺りに間違いないのにまったく別世界に迷い込んだ気になり、 さらにはマジックマウスの電池も一気になくなってどっぷりと疲れた。

でも春はやっぱり暗い映画がいい^ ^ 自分の死後、 誰かが自分に捧げてくれた映画を見てるかのような。



狼たちの激闘 GOOD TIME MAX (2007) 日本未公開
監督・主演 ジェームズ・フランコ 
マット・ベル 

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