4.13.2013

極北のサンバ 「サウンド・オブ・ノイズ」



変わった作品だ。 ジャンルは コメディ/クライム/音楽 となっている。 さらには、 ちょこっとラブストーリーでもある。 警察からはテロだ、 破壊活動だ、 銀行強盗だと追われるが、 実際には演奏をしているだけ。 ストリート前衛音楽か、 反芸術か。

片やそれを追うのは、 父は指揮者、 母はピアニスト、 弟も有名な指揮者という音楽一家にあって、 一人だけ音痴で、 音楽嫌いの刑事。 彼にとっては静寂こそが最高の音楽であり、 破壊音楽集団を追ううちにいつしか共感めいたものが目覚める。 そして何を思ったか突如 作曲を始め、 これで世界を変えてやると叫ぶ。

スウェーデンはやはりヘンな国だ。 いろんな面で進歩的なことは言うまでもないが、 にもかかわらず、 さらに追従者を振り切ろうと極端に走るようなところがある。 極北のメンタリティなのか、 白夜による鬱を振り払おうとするのか。 内容は変わっているがトーンは決して冷たくはなく、 一方に狂気、 一方にペーソスを配して上手に娯楽作品に着地する。

願わくばこうした独自の味わいを持つ作品が、 もっと公開されるようになるとか、 素早くDVD化されてくれればいい。 あるいはあの国が誇る巨大ウェブサービスから配信してもらおうか。 。 ラストのサンバもいい。



サウンド・オブ・ノイズ (2010スウェーデン・フランス)
Sound of Noise 日本未公開 (トーキョー ノーザンライツ フェスティバルを除く)
監督 オーラ・シモンソン+ヨハンネス・シューネ・ニルソン 
ベント・ニルソン サンナ・パーション フレドリク・ミール 

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