3.12.2013
すっぴんピエロ 「気狂いピエロの決闘」
ベネチアで銀獅子 (脚本賞) を取っているらしいのだが、 行き当たりばったりの、 ハリウッドではNGとなりそうな脚本。 手に汗は握るが、 作者が神となって作り出す勝手な成り行きに翻弄されるだけで、 見終わっても何らかのテーマが浮かび上がることはない。 原題は“悲しきトランペットのバラード"と訳せるのにインターナショナルタイトルでは珍しく変更され“最後のサーカス"。 トランペットは '要所' で出てくるが、 取って付けたようにも感じ、 インターナショナルの方が誤解がないように思える。 邦題は・・ やはりア邦題。 別に気は狂っていない。
フランスも資本参加しているわりにはスペインでのローカルヒット、 みたいな内容で、 第二次大戦~70年代が舞台となっている。 サーカスの花形ピエロだった父を失い、 やがて自分もピエロになる。 ピエロにも '笑いのピエロ' と '悲しみのピエロ' があるそうで、 悲しみを背負った息子は後者となる。 ペアを組む前者のピエロは、 舞台では子どもにも人気絶大だが、 酒が入るとファシストのようになり、 ジョークに笑わない恋人を殴る。 この恋人を巡って二人のピエロは争い、 互いの素顔をピエロの化粧のようにしてまでの血まみれの戦いを繰り広げるが、 恋人の心ははっきりせず、 サーカスの時代の終焉とともに "終わっているのはこの国さ" と叫んで終わる。
そんな内向きなメッセージだったのかと思いつつ、 それより何より、 ホラーだと勝手に思い込んでいて^ ^ 途中からアレっみたいな感じになって、 面白いのかつまらないのかイマイチよくわからないまま、 二人を手玉に取る恋人役はキレイだし、 三大映画祭週間のコピーにあるように 「むずかしく考えずに」 見ることにした。 よくわからないスパイスをパエリアにかけ、 さらにごちゃまぜにしたのような大河ドラマか。
気狂いピエロの決闘 (2010スペイン・フランス) 日本公開2012 三大映画祭週間にて
Balada triste de trompeta / The Last Circus
脚本・監督 アレックス・デ・ラ・イグレシア
カルロス・アレセス アントニオ・デ・ラ・トレ カロリーナ・バング
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