7.03.2012

終末、人は青春の憂鬱を取り戻す 4:44



評判は芳しくなかったが、 終末ものとして一通りの興味を捨てきれず、 見た。 「バッド・ルーテナント」 のオリジナル脚本を書いた監督で、 パニックもの的な終末映像はまったくなし。 世界が終わる原因もエコ的なもので "アル・ゴアは正しかったが、 もうどうしようもない" とTVニュースでさらっと説明されるのみ。

明日の4:44に世界は終わると専門家は予想している。 なぜかそれは世界的なコンセンサスとして受け入れられている。 世界の終わりを明日に控え、 女は絵を描き、 男は前妻との間の娘とスカイプ。 その後、 刹那的に愛し合い、 世界の終わりを前にしても嫉妬し、 出前の兄ちゃんには釣りはいらないと大盤振る舞いではあるが、 概ね、 普段と何も変わらない。

TVでは世界の終わりへの経緯が淡々と語られ、 ダライ・ラマの説法も後の祭り。 自殺者が出たり、 街では暴動も起こっているらしいが、 部屋から見える景色は限られているし、 それすら日常の延長にすぎない。 流れるブルースギター。 男はドラッグを調達するが妻に咎められ。 低予算、 ワン・シチュエーション、 多分に演劇的。 中だるみ、 中だるみ、 中だるみ・・

そしていよいよ その時は訪れるが、 映像と音をかき混ぜた後、 画面は白くハレーションし "私たちは神に完全降伏する、 そのとき私たちは一つになる、 私たちはすでに天使だ" のセリフで幕。 あまりにも気だるい終末。 エントリータイトルは雰囲気。 。



4:44 Last Day on Earth (2011アメリカ・スイス・フランス) 日本公開2012.10.6
地球最期の日 
監督 アベル・フェラーラ 
ウィレム・デフォー シャニン・リー 

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