5.02.2012
I can fly. 「クロニクル」
一見、 ジュヴナイル、 あるいはコミカルな等身大ヒーローもののようで、 実はとても危険な香りのする作品。
ハイスクールで人気の生徒、 それなりに上手くやっている生徒、 暗くて浮いてるやつ。 ありがちなキャラがウダウダやっていると、 道端で奇妙な物に遭遇する。 宇宙から飛来した物か、 軍の実験か。 それ以降、 少年たちは超能力を手にする。 最初は面白半分、 いたずらに使う程度だったが、 アブラカダブラと暴走し始める。
こういうエピソードを また例の手法で見せるところに新鮮な組み合わせを感じるが、 前半のオチャらけた調子と打って変わって、 悲劇的な結末へと展開するものだから、 ザクッとした何かが残る。
脚本のマックス・ランディスはジョン・ランディスの息子さんとのこと。 力に目覚めた少年たちがカメラで次にとらえるものは、 いきなり雲。 自らの身体を飛ばしての空中散歩のシーンなどは高揚感を共有できる。
そうして '人類以上' に進化したかもしれない少年も、 母の病気は治せず、 薬を買う金もなく、 飲んだくれの父への怒りが惨事を引き起こす。 友情にも恋にも希望はなく、 ただ刹那的に能力を浪費していくだけの若さが痛々しい。 何らかのカリスマ性を秘めた作品ではないだろうか。 乞うご期待。
クロニクル(原題) CHRONICLE (2012) 日本公開未定
監督 ジョシュ・トランク 脚本 マックス・ランディス
デイン・デハーン アレックス・ラッセル マイケル・B・ジョーダン
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