2.19.2012
この砂が全部メルティキッスなら I Melt with You
先日、 早めの日本版DVDがリリースされた 「コンテイジョン」 と続けざまに見たら、 Day 1, Day 2・・ な構成が奇遇にも同じで、 あちらも面白かったがあえてエントリーはせず、 ディープなトレーラーが気になって見てみたこちらの新作について書くことにする。 文字間の間延びしたテロップは本編の導入部にも使われ、 そんな雰囲気を破って突然 SEX PISTOLSの Pretty Vacantがかかる。 海辺のコテージに中年男4人が集い、 酒とドラッグの同窓会が始まるらしい。
一人は詐欺疑惑が問題となる金融関係者、 一人はドラッグの調達役でもある医者、 一人は小学校の英語教師、 そしてもう一人の職業は忘れたが別れた奥さんに未練タラタラの男。 4人は高校時代の同級生で、 誰一人として当時思い描いた人生を歩んではいなかった。
それでもバカ騒ぎは連日続き、 バーの女の子をナンパしたはいいが若いボーイフレンドたちまでついてきてしまい、 その中の小説家志望の青年は彼女からも未来を嘱望されている。 が、 そのことが英語教師に若かりし頃の自分を思い出させ、 過ぎ去った25年に思いを馳せさせる。
翌朝、 中年男の一人が自殺しているのを発見し、 同窓生たちはここに集った意味を思い出す。 それは "25年後に思い描いた人生を歩んでいなかったら、 そこでやめにしよう" という若き日の誓いであった。 ショボくれながらも脂ぎった中年男たちは、 まさか、 そんな若気の至りを本当に実行するとは思わず、 笑って済ませたい気分だったがシリアスな事実にそれも許されず、 その場に長くいればいるほど誓いを守ることだけが唯一、 最後に自分が成し遂げられる偉業だと思うようになる。
やや演劇っぽい趣向のドラマで、 身につまされる内容ではあるが、 けっきょく中年版 「自殺サークル」 あるいは自虐型 「午後の曳航」 という印象で終わる。 しかしながらIMDbでは賛否両論ながら一定の賞賛は得ているし、 悩み多き中年男諸君なら見て損はないだろう。 得るものがあるとも限らないが。 。 使用曲は以下の通り。
Big Dipper – All Going Out Together
Galaxie 500 – Blue Thunder
Julian Plenti – Skyscraper
Filter – Hey Man, Nice Shot
Funkadelic – Maggot Brain
The Specials – Do The Dog
The Jesus and Mary Chain – Just Like Honey
Love And Rockets – Kundalini Express
The Pixies – Caribou
Bauhaus – All We Ever Wanted Was Everything
Modern English – I Melt With You
Adam and the Ants – Dog Eat Dog
Deep Six – The Lawn
Tomandandy – Here
I Melt with You (2011) 日本公開未定
監督 マーク・ペリントン
トーマス・ジェーン ジェレミー・ピヴェン ロブ・ロウ クリスチャン・マッケイ
カーラ・グギーノ アリエル・ケベル サーシャ・グレイ トム・バウアー
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