11.28.2011

新春シャンソンショー 「デビルズ・ダブル」



ディスコのシーンで DEAD OR ALIVEがかかり、 懐かしいと同時に その時代の出来事だとわかる。 父サダムも認める飛び抜けたバカ息子ウダイの影武者となった男が見た、 時代と国家の断層。 影武者はいまも行方知れずだが、 二人の支配者はもうこの世にはいない。

どこまでかはわからないが とりあえずは史実と符合し、 過不足ない娯楽作品となっている。 それ以上でも以下でもないような気がするが。 これを知ったところで自分に何かができるわけでもなければ、 自分にとっての教訓を持ち帰れるわけでもない。 しいて言うなら自分というバカ息子を多少振り返り、 自分のバカ息子を大いに案じるくらいか。

父と息子という切り口が、 国家や権力の話をスルーしてエンタテイメントとして成り立たせる要因だろうし、 クーパーの見事な二役ぶりとともに見所も多いが、 遅すぎた自伝と映画化というのが率直な感想。

ただ この影武者ラティフの気持ちに重ねあわせて、 仕事などで上手くお偉いさんやお客さんに気に入られたことのある人はわかるであろう、 微妙に気持ちの悪い感覚だけが後を引き、 日常的な閉塞感に加えてさらに歴史的な閉塞感で追い討ちをかけられる作品だ。 乞うご期待^ ^


デビルズ・ダブル/ある影武者の物語 The Devil's Double
(2012ベルギー・オランダ) 日本公開2012.1/13 公式サイト・予告 象のロケット 
監督 リー・タマホリ 
ドミニク・クーパー リュディヴィーヌ・サニエ 

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