8.31.2011

国連の新規事業 「トゥルース 闇の告発」



"ホイッスルを吹く者" というのは内部告発者のこと。 同様のタイトルの映画はこれまでにもいくつかあるが、 今回のホイッスルはボスニア復興のために乗り込んでいるはずのUN内部で吹かれる。 実話がベースとのこと。

警察官キャスリンはボスニアへ派遣される。 治安維持の協力は危険である分、 報酬もいい。 しかし いざ現地に出向いてみると、 日常的な地雷撤去の作業とは別にヤバい事実に遭遇する。 少女たちが売春をさせられている。 さらに言えば人身売買がまかり通っている。

彼女たちを救おうと奔走するキャスリン、 だがコトはスムーズに運ばない。 なぜならその人身売買はUNの事業だったから。 顧客はもっぱら現地で働くヨーロッパやアメリカの関係者。 正義感に燃えてこれを暴こうとするなら、 混乱のドサクサに紛れて抹殺されることもありうるという覚悟が必要だった。

助けに来ているはずのUNが、 その国をレイプしている?! そんな事実がこの映画によってまさに告発されているのだからショッキングだ。 しかも物語は、 問題は解決したわけではないとのテロップで締めくくられる。 もう何も信じられなくなる。 。

レイチェル・ワイズの演技は 「ナイロビの蜂」 ほどではない気もしたし、 作品としての完成度はさておいても、 問題を突きつけることに意義があるジャーナリスティックな映画と言える。 レッドグレーヴなどの大御所が登場する部分より、 事務的な手続き最優先の職員として登場するモニカ・ベルッチの冷たさが印象的。



トゥルース 闇の告発 The Whistleblower (2010ドイツ・カナダ) 日本未公開
監督 ラリーサ・コンドラキ 
レイチェル・ワイズ ヴァネッサ・レッドグレーヴ モニカ・ベルッチ 

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