カンヌ・パルムドール受賞作ということで見てみたが、 審査委員長ティム・バートンが言うほどの 'サプライズ' は感じなかった。 幽霊や精霊、 輪廻のようなネタはアジア的で馴染み深いせいかもしれない。 むしろサプライズは、 おまけのような最後のエピソードで、 坊さんがオレンジの僧衣を脱いでシャワーを浴びるシーン。 ああ、 タイの僧衣はこうなってるのか、 と。 。 しかし幽体離脱したかのような その後の展開は、 いまひとつ よくわからない。
もう少しユーモラス、 あるいはペーソスあふれる作品かと想像していたが、 むしろ美しいフレームにこだわる作品のようだった。 後半に、 これまたイマイチよくわからないスチールが挿入されていたり、 唐突に共産軍との戦いの歴史に触れたりする。 カット割りも非常にぎこちなく、 オムニバス的な構成なのに、 きっちり区切っていないから改行のない文章のように読みづらい。 あえてそうすることで誤読までを含み込ませようという意図も感じられて、 多少あざとく思う。
上のポスターは何なのかと思っていたが、 これまた よくわからないながらも不思議なエピソードではあった。 しかしある意味 「猿の惑星」 でもあった^ ^ それが赤く光る目で現れたり、 洞窟へ入って行くシーンなどはそれなりにサスペンスフルなのだが、 結局は思わせぶりなだけという気もする。 イーストウッドさんのように死を目の前にしている年齢の監督でもないし、 良くも悪くも "カンヌの過大評価" というやつか。 話の種に見て損はないと思うが・・ もう少しUMA方面に振ってほしかった気もするな^ ^
ブンミおじさんの森 (2010 イギリス・タイ・フランス・ドイツ・スペイン)
Uncle Boonmee Who Can Recall His Past Lives
3/5~ 公式サイト・予告
監督 アピチャッポン・ウィーラセタクン
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