
評判もいいしアメリカでの興行成績もいいようだが、 こんなに渋い作品とは思ってもみなかった。 しかしまあ描かれているのは簡単に言うと "殺し屋の悲哀" みたいなもので、 微妙に物足りない気もした。
クルーニーが演じる ジャックと呼ばれたりエドワードと呼ばれたりする男は、 トレーラーからは殺し屋だろうと推測されるが、 実際には銃の特殊なパーツをカスタムメイドする職人だ。 サプレッサーという、 銃声の発生地点をわからなくする装置や水銀弾などを自動車部品から転用して作る。 しかしいつも、 つけられたり命を狙われたりする境遇に置かれ、 周りの者、 あるいは恋人さえも疑わなければならない日々。
舞台は唐突にイタリアで、 知り合った神父から "歴史を学ばない" と特徴づけられるアメリカ人は、 女殺し屋から発注を受けたパーツを作るかたわら売春宿に通い、 納品したあかつきには足を洗って、 そこの娼婦と逃げることを計画するが・・。
影のある男のカッコよさや 娼婦と逃げるなどのロマンに浸れるか否かで評価は分かれるところだろう。 クロースアップを多用する古めかしいスタイルは、 それぞれの心をその顔に映しだしてCG時代には逆に新鮮ではあるが、 比較的低予算でリターンMAXな前例となって、 今後こうした渋いスタイルがハリウッドで流行するかもしれないという予感以外は、 特別な収穫もなかったと言える佳作。 日本公開未定ながら、 乞うご期待^ ^
(追記) またしても、 むなしい邦題・・


ラスト・ターゲット The American (2010) 日本公開2011.7/2~ 公式サイト
監督 アントン・コーバイン
ジョージ・クルーニー テクラ・ルーテン ヴィオランテ・プラシド
イリナ・ビョークランド アントニオ・ランピーノ パオロ・ボナッチェリ
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